【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、経済活動との両立に向け、行動制限等が緩和され、景気の持ち直しに向けた期待感が持たれました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の展開やそれによる資源価格の高騰といった不確実性が高いリスクに加え、欧米を中心とした金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れ懸念や世界的なインフレの高進から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く外部環境におきましては、国内市場において、インバウンド需要が徐々に回復しつつあるとともに、様々な制限が緩和されたことでイベント等の開催も増え、明るい兆しが見え始めております。海外市場に目を転じると、経済活動の持ち直しが進む一方で、個人消費においてはインフレの影響から支出を控える傾向にあります。ライフスタイルの変化や環境保全に向けた取り組みといったサステナビリティへの関心の高まりも、価値観の多様化をより一層推し進めております。また、新型コロナウイルスの感染拡大によって、インターネットを通じた商品購入は後押しされ、さらに、SNSの普及が消費行動に新たな変化をもたらしております。こういった外部環境の変化に対応し、お客様の求める価値を具現化し続けていかなければ、生き残っていくことが難しい状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは、「書く、描く」を通じた“表現体験そのもの”を創造することで、すべての人が生まれながらにして持つ個性や才能といった「ユニーク」を表現する機会を創り出すことが、お客様への提供価値ととらえ、「違いが、美しい。」というコーポレートブランドコンセプト(企業理念)に基づき、活動してまいりました。
「uni-ball one(ユニボールワン)」シリーズより、「手に収まる上質感」をコンセプトとし、日常に癒しを与えるフォルムと上質な書き心地を両立した「uni-ball one P」を発売いたしました。「ジェットストリーム」シリーズにおいては、軽やかで美しい竹材をペン軸にした“こころ軽やかに暮らすための毎日の筆記具”として「ジェットストリーム4&1BAMBOO(バンブー)」を発売いたしました。竹は見た目の軽やかさや耐久性に加え、成長が早く潤沢な資源として幅広い用途で世界的に採用されている環境素材です。また、心地よい操作感でご利用いただける、フルメタル製のケースを採用したシャープ替芯「ユニ メタルケース」と、本体ケースを繰り返しお使いいただくための「詰替用」のシャープ替芯として「ユニ 詰替用」を同時発売し、新しいサステナビリティのかたちとしてご提案いたしました。さらに、「書くにのめりこむ」をテーマとして開発し、ノックすることなく書き続けられ、思考を分断するノイズから解放されるシャープペンシル「KURUTOGA DIVE」から3種類の新しい軸色を継続品として発売いたしました。
これらの活動の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は18,955百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は3,345百万円(前年同期比4.4%増)、経常利益は3,487百万円(前年同期比0.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,396百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業におきましては、海外市場での売上が堅調に推移したことにより外部顧客への売上高は18,370百万円(前年同期比4.9%増)となりました。粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、事業を取り巻く市場環境は依然として厳しく、外部顧客への売上高は585百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
財政状態につきましては、当第1四半期連結会計期間末の資産は、主に受取手形及び売掛金や現金及び預金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて1,159百万円増加し、131,960百万円となりました。
負債は、主に長期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金や賞与引当金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて143百万円増加し、25,942百万円となりました。
純資産は、自己株式の取得により自己株式が増加したものの、主に利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて1,015百万円増加し、106,018百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は842百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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