【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、いわゆるウィズコロナを前提とした経済活動の正常化が進んだ一方、世界的な物価高やロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高、各国の金融引き締め等を背景に景気の減速懸念が強まるなど、先行きは依然不透明な状況となりました。当社グループの事業領域であるエレクトロニクス業界におきましては、半導体や電子部品の需給逼迫が続き、その向け先となる自動車や電子機器等の生産に影響を及ぼしました。また、国内のICT業界におきましては、DX(Digital Transformation)推進ニーズの強まりを背景に、システムのクラウド化やサブスクリプションモデルの普及が進みました。
このようななか、当社グループにおきましては、事業構造改革による収益力向上と成長市場での事業拡大に向け、デバイス事業では既存事業の拡大と新しい収益基盤の確立、ソリューション事業ではサービス提供型ビジネスの拡大やデジタル技術の拡充に努めるとともに、顧客基盤の拡大にも注力してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は829億94百万円(前年同期比45.5%増)、営業利益は42億47百万円(前年同期比215.5%増)、経常利益は29億34百万円(前年同期比155.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億60百万円(前年同期比173.7%増)となりました。
なお、連結会社間での収益及び費用の内部取引におきましては、親会社の取引は取引発生時のレートまたは為替予約レートにより換算し、在外子会社の取引は期中平均レートにより換算して相殺消去しております。当第2四半期連結累計期間は大幅な円安の進行に伴い、相殺消去する費用が対応する収益を大きく上回ったため営業利益は増加しておりますが、同額が営業外費用の為替差損として調整されており、経常利益への影響はありません。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
(デバイス事業)
デバイス事業におきましては、主にエレクトロニクスメーカー向けに半導体(システムLSI、マイコン、パワー半導体、液晶ディスプレイドライバIC、メモリ等)や電子部品(コネクタ、コンデンサ、液晶パネル等)の販売に加え、ソフト開発やモジュール開発等の技術サポートを行っております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、電子部品の販売が堅調に推移したことに加え、商権の拡大や家庭用ゲーム機向けの販売好調により海外半導体の売上高が増加しました。また、円安基調で推移した為替相場も追い風となりました。この結果、売上高は777億52百万円(前年同期比50.0%増)となりました。損益面につきましても販管費の増加があったものの、増収効果により、セグメント利益は26億58百万円(前年同期比216.4%増)となりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業におきましては、ICTを利活用したネットワーク機器やセキュリティ製品をお客様の環境に合わせ設計・構築し、運用保守に至るまでワンストップにて提供しております。また、販売・生産管理をはじめとした基幹系業務システムや、人事・給与・会計等のアプリケーションをオンプレミスからクラウドまで様々な形態で提供しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、組み込みシステム分野や映像システム分野は好調に推移したものの、その他の分野は前連結会計年度から続く半導体等の需給逼迫に起因した製品の納入遅延等により、総じて販売が低迷しました。この結果、売上高は52億42百万円(前年同期比0.9%増)となりました。損益面につきましては販管費が増加したことから、セグメント利益は2億75百万円(前年同期比10.2%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて234億8百万円増加し、962億17百万円となりました。これは主に売上債権の増加128億68百万円、商品の増加93億82百万円等によるものです
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて196億19百万円増加し、617億44百万円となりました。これは主に短期借入金の増加133億62百万円、仕入債務の増加56億81百万円等によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて37億88百万円増加し、344億72百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加25億10百万円、利益剰余金の増加12億98百万円等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、売上債権の増加及び棚卸資産の増加等による支出が短期借入金等による収入を上回り、前連結会計年度末に比べて23億6百万円減少し、70億1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加及び棚卸資産の増加等による支出が、仕入債務の増加等による収入を上回り、126億58百万円の支出となり、前第2四半期連結累計期間に比べて、支出が110億29百万円増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却等による収入が有形固定資産の取得等による支出を上回り25百万円の収入となりました。その結果、前第2四半期連結累計期間が35百万円の支出であったことから、61百万円の収入増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加等による収入が配当金の支払等の支出を上回り100億52百万円の収入となりました。その結果、前第2四半期連結累計期間が148億23百万円の支出であったことから、248億75百万円の収入増となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。