【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による悪化影響が緩和されたものの、地政学リスクの長期化によるエネルギー資源や原材料価格の高騰、主要国で続く金融引き締め政策等、常に景気減速への懸念が生じる不透明な状況が続いております。また、わが国経済においても、急激な為替変動に伴う物価上昇、半導体の供給不足による生産調整、人手不足による物流コスト上昇等により、景気の先行きについては依然として見通しづらく、将来予測は困難な状況と言えます。このような環境の下、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高につきましては、経済活動再開による需要回復及び円安の効果を受け、3,168億円と、前第3四半期連結累計期間に比べ307億円の増収となりました。営業利益につきましては204億円(前年同期営業利益233億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては、150億円(前年同期親会社の所有者に帰属する四半期利益174億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。当第3四半期連結会計期間においては、2022年12月31日時点で交換が未完了の不適合品及び不明の対象製品全数(免震用オイルダンパー71本、制振用オイルダンパー700本の合計771本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、及び補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当第3四半期連結会計期間の残高は、86億円であります。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
また、以下の説明におけるセグメント別の売上高は、外部顧客に対するものであり、セグメント別のセグメント損益はセグメント間取引消去前のものであります。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。当セグメントの売上高は2,036億円と前第3四半期連結累計期間に比べ17.3%の増収となり、セグメント利益は119億円と前第3四半期連結累計期間に比べ11億円の増益となりました。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品とその他製品から構成されております。当セグメントの売上高は1,027億円と前第3四半期連結累計期間に比べ0.6%の増収となり、セグメント利益は57億円と前第3四半期連結累計期間に比べ38億円の減益となりました。
③ 航空機器事業当セグメントは、航空機器用離着陸装置、同操舵装置等から構成されております。当セグメントの売上高は33億円と前第3四半期連結累計期間に比べ15.3%の増収となり、セグメント損失は11億円と前第3四半期連結累計期間に比べ11億円の増益となりました。④ 特装車両事業及び電子機器等当セグメントは、特装車両及び電子機器等から構成されております。当セグメントの売上高は72億円と前第3四半期連結累計期間に比べ5.9%の減収となり、セグメント利益は4億円と前第3四半期連結累計期間に比べ4億円の減益となりました。
財政状態につきましては、総資産が4,424億円と前連結会計年度末に比べ82億円の増加となりました。流動資産は、営業債権及びその他の債権の増加等により、89億円増加の2,493億円となりました。非流動資産は、有形固定資産の減少等により、7億円減少の1,931億円となりました。負債は、その他の金融負債の減少等により、80億円減少の2,653億円となりました。資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加等により、162億円増加の1,771億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は456億円となり、前連結会計年度末に比べ65億円の減少となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は138億円(前第3四半期連結累計期間比29億円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は95億円(前第3四半期連結累計期間比17億円の支出増加)となりました。主な流出は、有形固定資産の取得による支出84億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は117億円(前第3四半期連結累計期間は227億円の支出)となりました。主な流出は、長期借入金の返済による支出82億円です。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において、重要な変更及び新たに定めた基本方針はありません。
(5)研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4,575百万円であります。報告セグメントごとの内訳は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業で3,078百万円、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業で1,300百万円、航空機器事業で79百万円となります。なお、当第3四半期連結累計期間において記載すべき重要な事項はありません。
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