【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類感染症に移行し、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国では景気の回復に減速感が見られますが、その他の地域では好調に推移しました。しかしながら、足元では原材料価格が再度高騰している上、円安の進行や世界的な金融引き締めによる景気への影響など、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しております。
国内建設市場においては、住宅着工戸数は、貸家は増加しましたが、持家やマンションが減少し、前年を下回りました。非住宅関連においては、店舗、工場、倉庫などの着工面積が減少し、前年を下回りました。
このような経営環境の下、当社グループは、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の方針に基づき、収益性の改善、成長事業の創出・育成、健全な経営基盤の構築などを推進いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高113,307百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益11,406百万円(同20.9%増)、経常利益12,047百万円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,390百万円(同14.8%増)となりました。
セグメントの業績については次のとおりであります。なお、セグメント間の内部売上は除いております。
(化成品セグメント)
接着剤系商品は、国内においては、合板用接着剤が低迷しましたが、施工用接着剤やアクリル・コンパウンド製品が好調で、売上が前年を上回りました。海外においては、原材料価格の低下が売価に影響を与え、売上は前年を下回りました。
建設樹脂系商品は、外装・内装仕上塗材「ジョリパット」が好調に推移したことから、売上が前年を上回りました。
非建設分野への取り組みとして注力している機能材料事業につきましては、国内においては、化粧品用途の有機微粒子や電子材料用途のUV硬化型樹脂が好調でしたが、工業用途の有機微粒子が低調で、売上は前年を下回りました。海外においても、テキスタイル用のウレタン樹脂やパッケージ用のUV硬化型樹脂等が低迷し、売上が前年を下回りました。
この結果、売上高は63,697百万円(前年同期比11.1%減)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は4,225百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
(建装建材セグメント)
メラミン化粧板は、国内においては、ホテルや医療福祉施設などの非住宅市場での需要を獲得し、売上が前年を上回りました。海外においても、東南アジア各国で売上が好調に推移し、売上が前年を上回りました。
ボード・フィルム類は、粘着剤付化粧フィルム「オルティノ」が堅調でしたが、汎用的なポリエステル化粧合板が横ばいで推移し、全体としても売上は横ばいでした。
メラミン不燃化粧板「セラール」は、キッチンパネル用途は横ばいで推移しましたが、医療福祉施設や店舗などの非住宅需要を獲得するとともに、高意匠メラミン不燃化粧板「セラール セレント」や抗ウイルスメラミン不燃化粧板「セラールウイルテクトPlus」の採用が新築・改修向けともに拡大し、売上が前年を上回りました。
不燃建材は、アクリル樹脂系塗装けい酸カルシウム板「ルナライト」や非住宅向けの不燃ボード「マーレス不燃」が好調でしたが、押出成形セメント板「メース」が低調に推移し、売上が前年を下回りました。
住器建材は、住宅向け洗面化粧台「スマートサニタリー」や非住宅向けのトイレブース、汎用的なポストフォームカウンターが新築・改修向けともに好調で、売上を伸ばすことができました。
この結果、売上高は49,610百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は9,090百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
財政状態については、次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は168,500百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,221百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9,177百万円、商品及び製品が1,188百万円、流動資産その他が638百万円増加したことに対し、受取手形が993百万円減少したことによるものであります。固定資産は97,738百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,969百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が3,694百万円、投資その他の資産が3,696百万円増加したことに対し、無形固定資産が421百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、266,239百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,190百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は61,926百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,257百万円増加いたしました。これは主に電子記録債務が1,159百万円、流動負債その他が1,043百万円増加したことによるものであります。固定負債は33,986百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,680百万円増加いたしました。これは主に固定負債その他が1,358百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、95,912百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,938百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は170,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,252百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,613百万円(親会社株主に帰属する四半期純利益が7,390百万円及び剰余金の配当3,776百万円)、その他有価証券評価差額金が2,185百万円、為替換算調整勘定が4,638百万円、非支配株主持分が1,812百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.5%(前連結会計年度末は58.1%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前第2四半期連結累計期間に比べ12,948百万円増加し、58,490百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるネットキャッシュ・フローは、15,630百万円の資金増加(前第2四半期連結累計期間は7,247百万円の資金増加)となりました。この主たる内容は、法人税等の支払額4,417百万円(同3,574百万円)等の減少要因があったことに対し、税金等調整前四半期純利益が12,047百万円(同10,294百万円)、減価償却費が3,277百万円(同3,305百万円)、売上債権が3,176百万円減少(同2,363百万円減少)等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるネットキャッシュ・フローは、1,184百万円の資金減少(同5,020百万円の資金減少)となりました。この主たる内容は、有形固定資産の取得による支出2,843百万円(同4,032百万円)等の減少要因があったことに対し、定期預金払い戻しによる収入1,536百万円(同50百万円)等の増加要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるネットキャッシュ・フローは、5,655百万円の資金減少(同4,400百万円の資金減少)となりました。この主たる内容は、配当金の支払額3,776百万円(同3,789百万円)、長期借入金の返済による支出721百万円(同225百万円)等の減少要因があったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,940百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。