【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立による正常化が進み、景気停滞から持ち直しの動きが続きました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国ではゼロコロナ政策による景気の停滞はありましたが、その他の地域では持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、急激な為替変動、原材料価格の高騰などにより、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しております。
国内建設市場においては、住宅着工戸数は、貸家は増加しましたが、持家が減少し、前年を下回りました。非住宅関連においては、工場、倉庫、医療福祉施設などの着工面積が増加し、前年を上回りました。
このような経営環境の下、当社グループは、中期経営計画「Change & Grow2400」の方針に基づき、非建設分野向け事業および海外事業の強化、社会課題の解決に貢献する商品群の拡充、利益基盤および経営基盤の強化などを推進いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高180,818百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益14,795百万円(同4.1%増)、経常利益15,680百万円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,722百万円(同2.0%増)となりました。
セグメントの業績については次のとおりであります。なお、セグメント間の内部売上は除いております。
(化成品セグメント)
接着剤系商品は、国内においては、施工用接着剤、木工・家具向け汎用接着剤、産業用フェノール樹脂などにおいて販売価格への転嫁が進み、売上が前年を上回りました。海外においては、販売価格への転嫁や中国における販売量の増加などにより、売上を伸ばすことができました。
建設樹脂系商品は、外装・内装仕上塗材「ジョリパット」が好調に推移したことから、売上を伸ばすことができました。
非建設分野への取り組みとして注力している機能材料事業につきましては、国内においては、自動車用のUV樹脂などが好調で、売上を伸ばすことができました。海外においては、スポーツシューズ用のウレタン樹脂が低調でしたが、パッケージ用途のUV樹脂などが好調で、売上が前年を上回りました
この結果、売上高は107,780百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は5,612百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
(建装建材セグメント)
メラミン化粧板は、国内においては、医療福祉施設などの非住宅市場での需要が回復し、売上が前年を上回りました。海外においては、中国市場の回復遅れの影響はありましたが、インドや東南アジア各国で売上が伸長し、海外全体でも売上を伸ばすことができました。
ボード・フィルム類は、汎用的なポリエステル化粧合板や、粘着剤付化粧フィルム「オルティノ」などが好調で、売上が前年を上回りました。
メラミン不燃化粧板「セラール」は、キッチンパネル用途が好調であったことに加え、店舗やオフィス、医療福祉施設などの非住宅需要を獲得するとともに、抗ウイルスメラミン不燃化粧板「セラールウイルテクトPlus」や高意匠メラミン不燃化粧板「セラール セレント」の採用が拡大し、売上が前年を上回りました。
不燃建材は、多機能建材「モイス」が低調でしたが、アクリル樹脂系塗装けい酸カルシウム板「ルナライト」や不燃ボード「マーレス不燃」が非住宅需要を獲得して伸長し、売上を伸ばすことができました。
カウンター・ポストフォーム商品は、キッチン・洗面カウンター需要を獲得した高級人造石「フィオレストーン」や汎用的なポストフォームカウンターが好調で、売上を伸ばすことができました。
建具・インテリア建材は、住宅向け洗面化粧台「スマートサニタリー」や非住宅向けのトイレブースが好調で、売上が前年を上回りました。
この結果、売上高は73,037百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は11,902百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
財政状態については、次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は163,622百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,916百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品が3,459百万円、受取手形が2,574百万円、原材料及び貯蔵品が2,309百万円、売掛金が2,169百万円増加したことによるものであります。固定資産は96,705百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,023百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が7,678百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、260,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,939百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は64,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,399百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が2,339百万円、電子記録債務が2,224百万円増加したことに対し、短期借入金が5,242百万円減少したことによるものであります。固定負債は32,862百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,536百万円増加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債が18,076百万
円、長期借入金が1,848百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、97,791百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,136百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は162,537百万円となり、前連結会計年度末に比べ197百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が2,732百万円(親会社株主に帰属する四半期純利益が9,722百万円及び剰余金の配当が6,990百万円)、自己株式が3,992百万円、為替換算調整勘定が9,535百万円増加したことに対し、資本剰余金が4,708百万円、非支配株主持分が3,658百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.1%(前連結会計年度末は60.4%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,740百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。