【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第5類移行による人流の増加等により緩やかな回復の動きが見られました。しかし、様々な社会情勢による原材料およびエネルギー価格の上昇や、為替相場の変動等により先行き不透明な状態が続きました。
食品業界においては、昨年度より続く上述の要因等による製品の価格改定が続いたため、お客様の生活防衛意識が高まり消費が停滞する等、引き続き厳しい経営環境が続きました。
このような中、当社グループは、中期経営計画の優先課題である信頼感・安心感のある「はごろも」ブランドの確立に取り組み、お客様のニーズに応える健康志向や、簡便性・利便性といった機能を追求した製品の販売に注力しました。あわせて、販売促進活動の一つである「シーチキン食堂」のテレビコマーシャルと連携した「朝たん(=朝にたんぱく質を摂る)」等のメニュー提案により、さらなる製品の需要喚起とブランド価値の訴求に努めました。一方でまぐろ・かつお等の主原料や食用油等の副材料、空缶・パウチ等の容器包装資材、さらにエネルギー価格・物流費等の上昇により売上原価が大幅に増加したことから、多くの製品において価格改定を実施しました。
この結果、家庭用製品の販売は、健康志向や機能性を追求した製品や、明確な製品コンセプトを訴求した製品がお客様に支持されたこと等により伸長しました。また業務用製品の販売は、各種給食やコンビニエンスストア向けの需要が回復したこと等により、当第1四半期連結累計期間の売上高は186億87百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
利益面では、各種原材料価格や燃料費の高騰にともない売上原価率は上昇しましたが、価格改定の浸透および販売奨励金や運賃・保管料等の減少により営業利益は4億88百万円(同33.1%増)、受取配当金および海外関連会社の持分法による投資利益が増加したこと等により、経常利益は6億68百万円(同28.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億59百万円(同28.5%増)となりました。
なお、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
製品群
前年同期
当第1四半期
増減
金額
構成比
金額
構成比
金額
率
製
品
家庭用食品
ツナ等
7,996,328
45.0
8,617,525
46.1
621,197
7.8
デザート
1,434,813
8.1
1,332,412
7.1
△102,401
△7.1
パスタ&ソース
1,473,006
8.3
1,604,651
8.6
131,644
8.9
総菜
1,682,265
9.5
1,727,132
9.2
44,867
2.7
削りぶし・のり・ふりかけ類
857,231
4.8
865,667
4.6
8,436
1.0
ギフト・その他食品
665,250
3.8
745,859
4.0
80,608
12.1
計
14,108,894
79.5
14,893,248
79.6
784,353
5.6
業務用食品
3,080,265
17.3
3,229,920
17.3
149,654
4.9
ペットフード・バイオ他
476,898
2.7
476,654
2.6
△243
△0.1
計
17,666,058
99.5
18,599,823
99.5
933,765
5.3
その他
94,133
0.5
87,543
0.5
△6,590
△7.0
合
計
17,760,192
100.0
18,687,367
100.0
927,174
5.2
「ツナ等」では、主力の油漬缶詰「シーチキンマイルド」が堅調で、さらに高たんぱく・低脂質・低糖質という健康面を訴求した「オイル不使用シーチキン」シリーズや、開けやすく後片付けが簡単なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが好調で、売上高は前年同期比7.8%増加しました。
「デザート」では、ぜんざい類が好調で、さらに中身が見えて取り扱いが簡単なフルーツパウチは堅調でしたが、主力の「朝からフルーツ」シリーズが低調で、売上高は同7.1%減少しました。
「パスタ&ソース」では、パッケージリニューアルを実施した主力の結束タイプのスパゲッティ「ポポロスパ7分」や「ポポロスパやんわか8分」、100g小容量の「ポポロマカ4分」が好調でした。ソースは2月に発売した電子レンジ対応パウチを使用した「パパッとレンジミートソース」が伸長し、さらに和の素材を使った和えるパスタソース「和える七香」シリーズが好調で、売上高は同8.9%増加しました。
「総菜」では、主力の「シャキッとコーン」シリーズが堅調で、さらに2月にリニューアルした「ホームクッキング」シリーズが伸長し、売上高は同2.7%増加しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、かつおパックや削りぶしは低調でしたが、きざみのりや「天下無添」シリーズ等のふりかけが好調で、さらに2月に発売した「のり弁慶」が伸長し、売上高は同1.0%増加しました。
「ギフト・その他食品」では、贈答品市場の回復と地方自治体との取り組みによりギフトが伸長し、さらに電子レンジで簡単に調理可能な包装米飯「パパッとライス」が引き続き好調で、売上高は同12.1%増加しました。
「業務用食品」では、各種給食やコンビニエンスストア向けの需要が順調に回復していること等により、売上高は同4.9%増加しました。
「ペットフード・バイオ他」では、新製品を投入し品揃えをさらに拡充した「無一物」シリーズが好調でしたが、ミールエキスの販売縮小により売上高は同0.1%減少しました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末より24億96百万円増加して、631億53百万円となりました。これは主に、流動資産のその他が6億41百万円減少したものの、投資有価証券が18億53百万円ならびに受取手形、売掛金及び契約資産が12億75百万円増加したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末より7億73百万円増加して、274億30百万円となりました。これは主に、未払金が25億77百万円減少したものの、流動負債のその他が24億5百万円、固定負債のその他が6億30百万円ならびに未払法人税等が2億9百万円増加したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末より17億23百万円増加して357億22百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が12億79百万円、利益剰余金が2億24百万円ならびに繰延ヘッジ損益が2億17百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の56.1%から56.6%となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、71,685千円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載についての重要な変更はありません。