【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限の緩和がさらに進みました。一方でロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、急激な円安の進行により先行き不透明な状況が続きました。
食品業界においては、ワクチン接種の進展等により外食需要は回復基調にありましたが、原油および穀物相場高騰の影響に起因した原材料やエネルギー価格の上昇による製品の価格改定が続き、お客様の節約志向がさらに強まり引き続き厳しい経営環境が続きました。
このような中、当社グループは、中期経営計画の優先課題である信頼感・安心感のある「はごろも」ブランドの確立に取り組み、消費者目線に立った健康志向や簡便性・利便性といった機能性を追求した製品の販売に注力しました。あわせて、販売促進活動の一つである「シーチキン食堂」のテレビコマーシャルと連携したメニュー提案により、さらなる需要喚起に努めました。また、販売が伸長しているデザートにおいて「朝からフルーツでモーニングルーティン」のWEB限定のコマーシャル動画を公開し、新たな販売活動を通して新規ユーザーの獲得を図りました。一方でまぐろ・かつお・小麦粉等原材料価格の高騰にともない、ツナやパスタ等製品の価格改定を実施しました。
この結果、家庭用製品の販売は価格改定による買い控え等の影響を受けて減少しましたが、業務用製品の販売は、各種給食やコンビニエンスストア向けの需要が引き続き順調に回復したこと等により増加したため、当連結累計期間の売上高は356億9百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
利益面では、原材料価格の高騰や急速な円安の進行等により売上原価率が上昇したこと等から、営業利益は37百万円(同98.2%減)、海外関連会社の持分法による投資利益が減少したこと等により、経常利益は1億68百万円(同92.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は84百万円(同95.3%減)となりました。
なお、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
製品群
前年同期
当第2四半期
増減
金額
構成比
金額
構成比
金額
率
製
品
家庭用食品
ツナ
16,385,668
46.3
16,134,573
45.3
△251,095
△1.5
デザート
2,928,326
8.3
3,081,634
8.7
153,308
5.2
パスタ&ソース
2,894,982
8.2
2,986,753
8.4
91,771
3.2
総菜
3,401,611
9.6
3,268,101
9.2
△133,509
△3.9
削りぶし・のり・ふりかけ類
1,670,866
4.7
1,624,038
4.6
△46,828
△2.8
ギフト・その他食品
1,354,472
3.8
1,325,079
3.6
△29,393
△2.2
計
28,635,927
80.9
28,420,181
79.8
△215,745
△0.8
業務用食品
5,683,587
16.1
6,029,306
16.9
345,719
6.1
ペットフード・バイオ他
838,706
2.4
975,262
2.8
136,556
16.3
計
35,158,221
99.4
35,424,751
99.5
266,529
0.8
その他
200,815
0.6
184,837
0.5
△15,978
△8.0
合
計
35,359,036
100.0
35,609,588
100.0
250,551
0.7
「ツナ」では、高たんぱく・低脂質・低糖質という健康面を訴求した「オイル不使用シーチキン」シリーズや、開けやすく後片付けに便利なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが好調でしたが、主力の油漬缶詰がコロナ禍での需要拡大の一服と、価格改定による買い控え等の影響を受けて苦戦し、売上高は前年同期比1.5%減少しました。
「デザート」では、コロナ禍でフルーツ缶詰等の利便性が改めて支持され、引き続き「朝からフルーツ」缶詰やみかん缶詰、さらにフルーツパウチが好調で、売上高は同5.2%増加しました。
「パスタ&ソース」では、パスタはデュラム小麦粉の高騰等による価格改定を実施した中で、コロナ禍でパスタの利便性が認知されていること等により結束タイプのスパゲッティ「ポポロスパ」が伸長し、さらに8月に新発売した強力粉とデュラムセモリナを配合しもっちり食感を実現した「ポポロスパやんわか8分」が好調でした。ソースは「ミートソース」シリーズが好調で、売上高は同3.2%増加しました。
「総菜」では、さば・さんま・いわし等の青魚パウチ製品が好調でしたが、価格改定を実施した調理素材品や「シャキッとコーン」シリーズが低調で、売上高は同3.9%減少しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、ふりかけや味付けのり等は好調でしたが、削りぶしやきざみのりの販売が低調で、売上高は同2.8%減少しました。
「ギフト・その他食品」では、電子レンジで簡単に調理可能な包装米飯「パパッとライス」が引き続き好調でしたが、贈答品市場の回復が進まずギフトが低調で、売上高は同2.2%減少しました。
「業務用食品」では、各種給食やコンビニエンスストア向けの需要が順調に回復したこと等により、売上高は同6.1%増加しました。
「ペットフード・バイオ他」では、引き続きペットフード市場の拡大により、新製品を投入した添加物不使用のペットフード「無一物」シリーズが好調で、売上高は同16.3%増加しました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末より17億36百万円増加して、629億67百万円となりました。これは主に、現金及び預金が15億9百万円、流動資産のその他が3億1百万円減少したものの、原材料及び貯蔵品が10億31百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が9億18百万円、商品及び製品が8億83百万円ならびに建物及び構築物(純額)が7億6百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末より19億7百万円増加して、282億8百万円となりました。これは主に、未払金が10億54百万円、未払法人税等が4億16百万円、長期借入金が2億41百万円ならびに固定負債のその他が1億56百万円それぞれ減少したものの、支払手形及び買掛金が25億48百万円、流動負債のその他が13億10百万円増加したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末より1億71百万円減少して、347億59百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が3億1百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が2億81百万円、利益剰余金が1億50百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の57.0%から55.2%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、15億9百万円減少し、20億24百万円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動により減少した資金は28百万円(前年同期は33億60百万円の増加)となりました。これは主に、仕入債務の増加や減価償却費の計上があったものの、棚卸資産の増加や未払金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動により減少した資金は9億67百万円(前年同期は10億82百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動により減少した資金は5億13百万円(前年同期は5億11百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済や配当金の支払によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、122,210千円です。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載についての重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りにつきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(6) 主要な設備の状況
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完了したものは、次のとおりです。
事業所名
(所在地)
セグメントの
名称
設備の内容
取得価額
(千円)
資金調達
方法
完了
新木曽岬プラント
(三重県桑名郡木曽岬町)
食品事業
鰹等削り節・海苔製品生産設備
2,332,170
自己資金
2022年9月