【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における国内経済は、行動制限の緩和を受けて個人消費は持ち直しました。製造業においては、原材料コストの増加が景況感の下押しに作用しましたが、部品供給制約の緩和を背景に輸出・生産ともに増加しました。企業の設備投資は先送りしていた投資を再開するなど、緩やかな回復基調が継続しております。 海外では中国において、一部の地域で厳しい活動制限が実施されたことで、個人消費は低迷し、製造業の生産は減少しました。欧米諸国においては、新型コロナウイルス感染症による行動制限は緩和されましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて、エネルギー価格や資源価格の高騰、サプライチェーンの混乱が生じており、引き続き注視が必要な状況であります。当社グループを取り巻く事業環境は、スマートフォンやパソコンなどの出荷台数は減少しましたが、5Gの商用化・IoT・テレワークをキーワードに、技術革新及びデータ通信量の増加が進み、5G関連部品、データセンター等のインフラ、高機能電子デバイス向けに、主に半導体パッケージ基板の需要は増加しました。自動車産業は主に中国において、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響を受け、部品供給の不足及びサプライチェーンの混乱が生じており、自動車の生産・販売台数は減少しました。
その結果、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
前第2四半期連結累計期間(自
2021年4月1日
至
2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至
2022年9月30日)
前年比増減
売上高
11,654百万円
13,117百万円
12.6%増
営業利益
4,350百万円
4,680百万円
7.6%増
経常利益
4,430百万円
4,720百万円
6.6%増
親会社株主に帰属する四半期純利益
3,078百万円
3,326百万円
8.1%増
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。(薬品事業)電子分野中国 スマートフォンの出荷台数は減少したものの、IoTおよびテレワークをキーワードにその他の高機能電子デバイス向けプリント基板の需要が増加したことで、薬品需要は横ばいに推移しました。台湾 サーバー、高機能電子デバイス向け半導体パッケージ基板の需要が増加し、薬品需要は増加しました。韓国 半導体市場の需要が鈍化し、一部の半導体パッケージ基板メーカーにおいて在庫圧縮の動きがあり、薬品需要は減少しました。
装飾分野日本 半導体不足が一時的に緩和されましたが、サプライチェーンの混乱の影響から薬品需要は減少しました。中国
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響、部品供給の不足及びサプライチェーンの混乱により自動車の生産・販売台数が減少し、薬品需要は減少しました。
前第2四半期連結累計期間(自
2021年4月1日
至
2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至
2022年9月30日)
前年比増減
売上高
11,068百万円
12,122百万円
9.5%増
セグメント利益
4,820百万円
5,008百万円
3.9%増
(装置事業)新型コロナウイルス感染症の影響による先送り案件の再開、及び電子分野めっき装置の新規投資需要の増加により、売上高、受注高、受注残高は大幅に増加しました。
前第2四半期連結累計期間
(自
2021年4月1日
至
2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至
2022年9月30日)
前年比増減
売上高
585百万円
995百万円
69.9%増
セグメント利益又はセグメント損失(△)
△25百万円
177百万円
―
受注高
1,443百万円
1,844百万円
27.8%増
受注残高
1,026百万円
2,942百万円
186.6%増
(その他事業)その他事業におきましては、売上高は0百万円(前年同期比28.4%減)となり、セグメント損失は8百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。
また、資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
(資産)当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,339百万円増加し、44,232百万円となりました。流動資産は、主に棚卸資産の減少の一方、現金及び預金の増加、売掛金の増加により3,614百万円増加し、36,121百万円となりました。 固定資産は、主に有形固定資産が増加したものの、投資有価証券の減少、繰延税金資産の減少により274百万円減少し、8,110百万円となりました。
(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,685百万円減少し、6,040百万円となりました。流動負債は、主に支払手形及び買掛金の減少、法人税支払いによる未払法人税等の減少により1,529百万円減少し、5,182百万円となりました。固定負債は、主に長期借入金の減少により155百万円減少し、858百万円となりました。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、配当金支払いによる利益剰余金の減少の一方、為替換算調整勘定の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ5,025百万円増加し、38,191百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、20,541百万円と前連結会計年度末に比べ3,696百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)主に売上債権の増減額が前年同期と比べ573百万円増加、税金等調整前四半期純利益が前年同期と比べ431百万円増加、棚卸資産の増減額が前年同期と比べ1,967百万円増加したことで営業活動によるキャッシュ・フローは3,275百万円の収入(前年同期は96百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)主に有形固定資産の取得による支出が237百万円と前年同期と比べ支出が92百万円増加しましたが、定期預金の増減額が前年同期と比べ1,270百万円減少したことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは154百万円の収入となり、前年同期と比べ収入は1,378百万円減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)主に配当金の支払いと長期借入金の返済を行い、財務活動によるキャッシュ・フローは839百万円の支出と、前年同期と比べ支出は108百万円の減少となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は499百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、当社グループの生産実績は減少し、受注、受注残高及び販売実績は増加しております。
a.生産実績当第2四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)
前年同期比(%)
薬品事業
(千円)
9,022,141
68.2
装置事業
(千円)
994,548
165.6
報告セグメント計
(千円)
10,016,689
72.5
その他
(千円)
-
-
合計
(千円)
10,016,689
72.5
(注) 1.金額は販売価格によっております。 2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
b. 受注状況当第2四半期連結累計期間の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
装置事業
1,844,781
127.8
2,942,666
286.6
(注) 1.金額は販売価格によっております。2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。3.上記の金額は、機械装置の製作・据付に関する請負契約等の受注状況を記載しており、表面処理薬品、商品及び請負加工に関する受注は、売上計上までの期間が短期間であるため、記載を省略しております。
c. 販売実績当第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
前年同期比(%)
薬品事業
(千円)
12,122,005
109.5
装置事業
(千円)
995,746
169.9
報告セグメント計
(千円)
13,117,752
112.6
その他
(千円)
194
71.6
合計
(千円)
13,117,946
112.6
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(8) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、当社は新たに研究開発、及び製造拠点を設立するため、総額392,676千円で熊本県上益城郡益城町の土地を購入することとしました。建設工事費等を含めた投資総額については未定となっております。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析資金の流動性については、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性資産を確保しております。これらの資金基盤を背景に、当社グループは、収益性・事業効率の向上に向けて、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)「Next 50 Innovation 2nd」を策定し、「コア事業の強化」、「ESG視点での経営基盤構築」を基本方針とし、マーケティング戦略、開発戦略、販売戦略、及び人材育成を最優先課題に取り組んでまいります。株主への利益還元策につきましては、持続的な成長を達成するため手元流動性の確保を重視し、安定した財務基盤を維持しつつ、安定増配基調継続を目指してまいります。「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は様々なリスクを伴っています。事業展開にあたっては、自己資金の充当が望ましいと考えておりますが、将来、それを上回る資金需要が発生した場合にも必要資金を円滑かつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性は常に維持していくよう努めてまいります。