【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~9月30日)における世界経済は、ロシア、ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰や部品不足、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国主要都市のロックダウンによるサプライチェーンの混乱など、不透明な状況で推移しました。わが国経済も、ウィズコロナに向け経済社会活動の正常化が進む一方、部品不足の長期化や原材料・エネルギー価格の高騰、急激な円安の進行に伴う物価の上昇などにより、景気の下振れ圧力が高まりました。このような状況のもと、当社グループにおいても部品不足や原材料価格高騰、中国主要都市のロックダウンによる影響を受けましたが、チェーン事業の販売が好調であったことや円安などにより、当第2四半期連結累計期間の受注高は129,836百万円(前年同期比14.7%増)、売上高は118,933百万円(同16.0%増)となりました。損益につきましては、営業利益は8,375百万円(同2.3%増)、経常利益は9,889百万円(同8.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,756百万円(同2.0%増)となりました。当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、「長期ビジョン2030」に掲げた「2030年のありたい姿」の実現に向けて、「Linked Automation テクノロジー」により、社会課題解決への貢献を目指しております。また、2021年度よりスタートさせた「中期経営計画2025」の達成に向けて、既存事業での収益力強化と持続的成長につながる新事業開発に注力しております。(Linked Automation テクノロジー:高機能化と高度オートメーション化された技術領域)セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[チェーン]チェーンにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋において販売が増加したことなどにより、前年同期比で増収となりました。以上により、チェーンの受注高は46,776百万円(前年同期比17.1%増)、売上高は42,659百万円(同23.9%増)、営業利益は6,285百万円(同22.2%増)となりました。
[モーションコントロール]モーションコントロールにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋において販売が増加したことなどにより、前年同期比で増収となりました。以上により、モーションコントロールの受注高は12,525百万円(前年同期比9.7%増)、売上高は10,608百万円(同13.8%増)、営業利益は745百万円(同74.5%増)となりました。
[モビリティ]モビリティにつきましては、日本における自動車エンジン用タイミングチェーンシステムなどの販売が減少しましたが、米州、欧州、韓国などの拠点において同商品の販売が増加したことなどにより、前年同期比で増収となりました。以上により、モビリティの受注高は36,823百万円(前年同期比13.2%増)、売上高は36,428百万円(同12.4%増)となりましたが、エネルギーや原材料価格の高騰などにより営業利益は2,375百万円(同34.9%減)となりました。
[マテハン]マテハンにつきましては、日本国内における物流業界向けシステムや米州における自動車業界向けシステムの売上が減少しましたが、日本国内および米州、欧州における金属切り屑搬送・クーラント処理装置の売上が増加したことなどにより、前年同期比で増収となりました。以上により、マテハンの受注高は32,362百万円(前年同期比15.4%増)、売上高は28,057百万円(同10.9%増)となりました。損益につきましては、経費削減や原価低減、米州における追加工事完了に伴う費用の減少などにより74百万円の営業損失(前年同期は221百万円の営業損失)にとどまりました。
[その他]その他の受注高は1,347百万円(前年同期比7.0%増)、売上高は1,179百万円(同13.2%増)、損益につきましては265百万円の営業損失(前年同期は222百万円の営業損失)となりました。 (2) 財政状態の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して15,102百万円増加し、347,722百万円となりました。流動資産は、有価証券が1,659百万円減少した一方で、仕掛品の増加などにより棚卸資産が8,306百万円増加したこと、受取手形、売掛金及び契約資産が5,659百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して11,827百万円増加し、178,340百万円となりました。固定資産は、保有株式の時価下落などにより投資有価証券が3,576百万円減少した一方で、生産設備への投資等により有形固定資産が3,962百万円増加したこと、連結子会社であるU.S. TSUBAKI HOLDINGS, INC.によるATR Sales, Inc.の全持分取得等によりのれんが1,713百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して3,274百万円増加し、169,382百万円となりました。
(負債)負債は、未払費用の増加などによりその他の流動負債が2,155百万円増加した一方で、借入金が2,891百万円減少したこと、未払法人税等が1,264百万円減少したことなどから、前連結会計年度末と比較して1,925百万円減少し、120,938百万円となりました。 (純資産)純資産は、為替の変動により為替換算調整勘定が14,520百万円増加したこと、利益剰余金が4,158百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して17,027百万円増加の226,784百万円となり、自己資本比率は64.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,168百万円減少し、50,720百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は6,056百万円(前年同期は10,632百万円の増加)となりました。これは、棚卸資産が3,676百万円増加した一方で、税金等調整前四半期純利益を9,699百万円計上したこと、減価償却費を6,575百万円計上したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は5,061百万円(前年同期は3,487百万円の減少)となりました。これは、定期預金の払戻による478百万円の収入があった一方で、固定資産の取得のために4,139百万円支出したこと、ATR Sales, Inc.の持分取得のために1,662百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は6,320百万円(前年同期は2,528百万円の減少)となりました。これは、借入金返済のため3,386百万円支出したこと、配当金の支払いのため2,641百万円支出したことなどによるものであります。
(4) 会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,637百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。