【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、アメリカでは堅調な個人消費に支えられた一方、欧州や中国では減速感が見られ、地域によって差が出ました。製造業においては世界的な需要減を背景に主要生産国や地域で停滞感を示す一方、当社グループの主要事業領域である自動車の生産・販売は、半導体等の部品不足が穏やかに解消することにより回復傾向にあります。このような事業環境の中、当社グループもコンシューマー市場での需要減少、インダストリアル市場での設備投資調整の影響を受けましたが、自動車生産の回復、車載インフォテインメント分野での海外顧客との取引拡大や高速伝送対応の新製品の売上増加、xEV需要を背景としたパワートレイン分野での増加等により、売上高は前年同期比10.2%増の281億4千万円となり、計画比でも上回りました。なお、当該売上高には、当初予定していた2023年10月1日での新ERPシステムへの切り替えに向け、当社のシステム停止に伴い、一部の顧客での安全在庫確保による売上増が含まれております。利益面では、導入を予定している新ERPシステム関連費用の増加や人件費等の販売管理費の増加を、売上増や注力して取り組んでいる収益構造改善の取り組みと原価低減の推進により吸収し、営業利益は前年同期比8.2%増の33億1千5百万円、経常利益は前期比1.9%増の41億2千4百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比9.2%増の31億6千7百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
〔日本〕 国内においては、車載市場は回復傾向にあるものの、コンシューマー市場とインダストリアル市場が落ち込み、売上高は前年同期比1.6%減の49億8千3百万円となりました。営業利益は0.9%増の18億9千7百万円となりました。
〔アジア〕 アジア地域においては、コンシューマー市場で減少したものの、車載市場がインフォテイメント分野とパワートレイン分野を中心に伸長したことと、為替が円安に推移した結果、売上高は前年同期比12.0%増の147億9千6百万円となりました。営業利益は52.3%増の27億9千6百万円となりました。
〔欧州〕 欧州地域においては、車載市場でインフォテイメント分野やパワートレイン分野を中心に増加したことと為替が円安に推移した結果、売上高は前年同期比21.7%増の49億8百万円となりました。営業利益は2.0%減の2億6千2百万円となりました。
〔北米〕 北米地域においては、車載市場が回復傾向にあることと為替が円安に推移した結果、売上高は前年同期比6.5%増の34億5千1百万円となりました。営業利益は8千5百万円(前年同期は営業損失1千9百万円)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(2023年3月末)に比べ、88億2千2百万円増加し、913億1千3百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が29億9千8百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が25億1千7百万円、機械装置及び運搬具が13億2千4百万円増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ32億8千7百万円増加し、177億5千9百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が25億2千3百万円、短期借入金が6億3千9百万円増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度に比べ、55億3千5百万円増加し、735億5千4百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により31億6千7百万円増加、配当により18億9千3百万円減少し、為替換算調整勘定が41億3千4百万円増加したことによるものであります。
2.キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により52億8千7百万円増加し、投資活動により54億4千9百万円減少し、財務活動により16億1千7百万円増加した結果、216億3千9百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動では、税金等調整前四半期純利益41億1百万円、減価償却費30億7千2百万円、棚卸資産の減少額7億6千2百万円等に伴う資金の増加から、売上債権の増加額10億8千5百万円、仕入債務の減少額6億5百万円、法人税等の支払額6億8千8百万円等に伴う資金の減少を差し引き、資金の増加額は52億8千7百万円(前年同期は54億4千4百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動では、有形固定資産及び無形固定資産の取得52億6千3百万円等の支出により、資金の減少額は54億4千9百万円(前年同期は38億6千4百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における財務活動では、長期借入による収入32億円、配当金の支払18億9千3百万円等により、資金の増加額は16億1千7百万円(前年同期は3億6千1百万円の増加)となりました。
3.事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき重要な課題はありません。
4.研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億4千1百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。