【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、「第1 企業の概況 2事業の内容」に記載のとおり、事業分野を変更しております。 以下の前連結会計年度との比較は、変更後の区分に基づいております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループをとりまく情報通信分野は、業界再編計画、通信の大容量化と通信サービス提供価格の変化、クラウドサービスの拡大、第5世代移動通信システム(5G)/IoTソリューションの開発・利用環境の整備、AI技術を活用したサービス提供など、引き続き構造変化が進行しています。
情報通信技術を利用することで作り出されるデータを分析・活用することで、人々の生活をより便利にし、ビジネスモデルの変革をすることで、世の中をより良い方向へ進めるDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連の需要も増加しています。
テレワーク推進による業務システムの見直しや企業内に設置されているPBXの老朽化に伴いクラウドPBXを利用する企業が増えるといった変化も起きており、働く時間・場所の制約を超えた働き方を可能とするために新たなICTソリューションの導入が活性化しています。
こうした状況の下、当社グループ活躍の場はさらに広がるものと期待して、以下のとおり事業を展開してまいりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、3,004,088千円となり、前連結会計年度と比べ441,272千円の減少となりました。増加の主な要因は、流動資産「その他」に含まれる前払費用が8,561千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、現金及び預金が38,721千円、売掛金が142,562千円、原材料及び貯蔵品が33,804千円、仕掛品が77,138千円、のれんが10,916千円、ソフトウェア資産が119,860千円(新規開発及び取得等により595,419千円増加、減価償却により254,437千円、減損損失により460,842千円減少)、繰延税金資産が11,099千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の総額は、1,207,916千円となり、前連結会計年度と比べ227,255千円の減少となりました。増加の主な要因は、買掛金が17,695千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が82,939千円、前受金が29,544千円、賞与引当金が29,997千円、未払法人税等が50,198千円、流動負債「その他」に含まれる未払消費税等が41,618千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,796,172千円となり、前連結会計年度と比べ214,016千円の減少となりました。増加の要因は、第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ125,510千円増加したことによるものであります。減少の要因は、子会社株式の追加取得により資本剰余金が2,000千円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が462,381千円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループの経営成績については、モバイル通信ソリューション事業において、大型案件であるMVNO事業者向けの運用・課金制御システム導入の大幅な遅れに稼働を費やし、今期の新規案件の獲得に向けた営業活動が停滞しました。また、ボイスコミュニケーション事業においては、DX関連で通信事業者向け案件の期ズレやパートナーシップによるクラウドサービスの提案が今期受注に至らなかった事、PSTNマイグレーション関連では一部のパートナーの経営悪化による計画の見直しなどがありました。移行完了に向かっているPSTNマイグレーションに代わり、PBXやビジネスフォンのIP化やクラウドサービス化への需要の増加に伴い、サブスクリプション型のビジネスモデルへ変化していることもあり、期間売上が減少しました。以上により売上高は、3,053,432千円(前連結会計年度比18.6%の減少)となりました。
損益面につきましては、MVNO事業者向けの新規導入プロジェクトの開発遅延によるソフトウェア償却費の減少や人員減による人件費の減少、売上計画未達に伴い固定費の圧縮等を実施しましたが、減収の影響が大きく売上総利益は1,148,046千円(前連結会計年度比15.9%の減少)、営業利益は、31,298千円(前連結会計年度比83.4%の減少)、経常利益は、23,813千円(前連結会計年度比86.8%の減少)となりました。また、MVNO事業者向けの運用・課金系制御システムのソフトウェアについて減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、454,411千円(前連結会計年度は164,657千円の親会社株主に帰属する当期純利益)、となりました。
受注残高については、ボイスコミュニケーション事業のDX関連において、納期ずれ込みによる増加があったことに加え、新規のサブスクリプション型サービスの獲得や保守サポート・サービスにおいて、保守案件が積みあがったことにより受注残高は1,952,616千円(前連結会計年度比41.6%の増加)となりました。
区分
第 21 期
(2022年3月期)
第 22 期
(当連結会計年度)
(2023年3月期)
増減
増減率(%)
売上高
(千円)
3,750,288
3,053,432
△696,855
△18.6
売上総利益
(千円)
1,364,998
1,148,046
△216,951
△15.9
営業利益
(千円)
188,605
31,298
△157,306
△83.4
経常利益
(千円)
181,071
23,813
△157,257
△86.8
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)
(千円)
164,657
△454,411
△619,069
-
受注残高
(千円)
1,378,664
1,952,616
573,952
41.6
当連結会計年度における事業区分別の概況は、以下のとおりです。
事業区分の名称
第21期
(2022年3月期)
第22期
(当連結会計年度)
(2023年3月期)
増 減
増減率(%)
ボイスコミュニケーション事業(千円)
3,136,705
2,631,117
△505,588
△16.1
モバイル通信ソリューション事業(千円)
613,582
422,315
△191,267
△31.2
〔ボイスコミュニケーション事業〕
当連結会計年度では、DX関連においては、テレワークの推進やフリーアドレス化を目的とした法人電話のスマートフォン需要が前期から引き続き高い傾向にあります。働く場所の多様化に伴い、固定電話と同様の機能をスマートフォンで代用可能としたスマートフォン内線ソリューションと、それに伴うソフトウェアIP-PBX「NX-C1000 for Enterprise」の販売が好調でした。企業の電話に必要な既存の電話システムやスマートフォン、各種コミュニケーションサービスと連携したデバイスフリーでの内線化が実現可能となります。また、「スマートフォン認証システム」の実証実験システムの構築も実施しました。顔写真の不備やなりすまし等の確認作業を本スマートフォン認証システムによる自動化で削減が出来、業務効率化を実現しています。さらに、自治体における災害時の情報伝達や、平常時のお知らせなどに利用するIP告知システムで、当社のSIP相互接続サービスの構築及びソフトウェアSBC「NX-B5000 for Enterprise」と「NX-C1000 for Enterprise」ライセンスを販売しました。昨今DX推進やスマートフォンの普及に伴い、PBXクラウド化の需要が高まる中、当社のクラウドPBXを継続してご利用いただいており、増設によるライセンスの追加納品やシステム構築も実施しています。
PSTNマイグレーション関連においては、移行完了に向けて機能追加案件の減少はみられるものの、リモートワークの推進に伴い、法人向けIP電話サービスのトラフィック対策や、その運用のための機器の増設対応など、引き続きソフトウェアSBC「NX-B5000」を販売しています。
音声認識&AIサービス関連においては、事業者のコンプライアンス強化に向けて有効な、音声認識BPOサービス「U-cube cogni」が継続して利用されています。そして新たに、当社の製品が基盤となり、通信事業者によるクラウドサービスの提供が始まりました。これにより継続利用による収益が見込まれます。また、当社のパートナーであるNuance Communications, Inc.のNuance Transcription Engineライセンスを搭載した音声認識装置を官公庁に提供しました。多言語の音声認識に対応しており、音声管理装置と連携することによって、テキストの自動化を実現したシステム構築が可能です。さらに通信事業者のコールセンターシステムの拡張に伴い、当社のソフトウェア「LA-6000」を提供しました。通話の録音から録音データの収集・蓄積・管理までを行い、業務効率化を実現しています。コールセンターのテレワークを推奨するために、録音データの管理と音声認識連携機能を兼ね備えたコールセンターシステムも提供しています。録音データをリアルタイムで音声認識AIサービスへ送信することにより、コールセンターのオペレーターがタイムリーに受電情報を確認できるようになります。そのほかに、株式会社アイセック・ジャパンが聞こえに不自由を感じている方向けに提供する「字幕電話サービス」において、当社の音声認識AIと電話機能がシステム基盤として採用され、一般利用者向けの提供を開始しました。
保守サポート・サービスにおいては、堅調に推移しています。
当連結会計年度の売上高は、2,631,117千円(前連結会計年度比16.1%の減少)となりました。DX関連で通信事業者向け案件の期ずれやパートナーシップによるクラウドサービスの提案が今期の受注に至らなかった事、移行完了に向かう通信事業者向けのPSTNマイグレーションに代わり、PBXやビジネスフォンのIP化やクラウドサービス化への需要が高まっており、案件数としては拡大傾向にありますが、サブスクリプション型のビジネスモデルへ変化していることもあり、期間売上としては減少しています。
〔モバイル通信ソリューション事業〕
当連結会計年度では、前期に引き続き、モバイル事業者のユーザー制御、サービス制御、接続先毎の通信速度を制御するシステムの運用支援及びライセンスの販売がありました。通信事業者がモバイルインターネット接続を実現するために必要な接続装置や、加入者の課金・通信量などを管理するシステムを提供しています。これに伴い、今後の運用・保守についても受注しています。また、Red Hat社が提供する企業向けコンテナソリューションOpenShiftを導入するシステム更改を行いました。さらに、新たなサービス展開を視野にいれ、モバイルデータ通信向け課金処理システムの実証実験を受注しています。ユーザーの保有する様々な情報を収集・分析し、それらデータを紐づけて運用する課金システムの実証実験となります。そのほかに、メタバースの相互運用性標準の開発を促進する団体「The Metaverse Standards Forum(メタバース・スタンダード・ フォーラム)」に加盟しました。当社の事業は「音声」領域に強みをもっていますが、音声領域のみならず幅広い通信コミュニケーション分野での事業拡大を目的としています。そのため従来リーチしていない事業領域に対して当社のボイスコミュニケーションの技術を融合させていく取り組みを進めようとしています。
保守サポート・サービスにおいては、堅調に推移しています。
当連結会計年度の売上高は、422,315千円(前連結会計年度比31.2%の減少)となりました。なお、前連結会計年度には、大型仕掛案件の納品があり売上高に大きく影響しましたが、当連結会計年度では、新領域として取り組んでいたMVNO事業者向け運用・課金系制御システムの新規導入プロジェクトに、大幅な稼働と期間を費やしたこと、またそれにより新規案件の獲得が困難であったことが主な減少の要因となります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して38,721千円減少し1,207,699千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により獲得した資金は414,482千円(前連結会計年度は、488,423千円の獲得)となりました。主な増加要因は減価償却費265,490千円、のれん償却額10,916千円、減損損失460,842千円、売上債権の減少142,562千円、棚卸資産の減少105,987千円、仕入債務の増加17,695千円等によるものであります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失437,028千円、賞与引当金の減少29,997千円、前受金の減少29,544千円、未払又は未収消費税等の増減額40,897千円、法人税等の支払額53,155千円等によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は608,905千円(前連結会計年度は、392,297千円の使用)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出5,098千円、無形固定資産の取得による支出603,806千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により獲得した資金は155,702千円(前連結会計年度は、26,953千円の使用)となりました。増加要因は、長期借入れによる収入200,000千円、株式の発行による収入249,238千円によるものであります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出282,939千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,000千円、配当金の支払額7,879千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、通信技術に関するソリューション・サービスの提供を事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、ソフトウェアの開発・販売を主たる事業としており、生産という概念は薄く、かつ受注形態が多岐にわたり生産実績の把握が困難であるため、生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
事業区分の名称
受注高
前年同期比(%)
受注残高
前年同期比(%)
ボイスコミュニケーション事業(千円)
3,259,862
-
1,549,466
168.3
モバイル通信ソリューション事業(千円)
367,522
-
403,150
88.0
合計(千円)
3,627,384
95.7
1,952,616
141.6
(注)当連結会計年度より事業区分を再編したことにより、受注高の前年同期との比較分析は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
事業区分の名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
ボイスコミュニケーション事業(千円)
2,631,117
83.9
モバイル通信ソリューション事業(千円)
422,315
68.8
合計(千円)
3,053,432
81.4
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年4月1日
至
2022年3月31日)
当連結会計年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
サクサ株式会社
369,233
9.8
224,984
7.4
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
303,272
8.1
402,638
13.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、3,004,088千円となりました。流動資産は2,256,264千円となり、主な内訳は、現金及び預金が1,207,699千円、売掛金が892,097千円、製品が11,051千円、仕掛品が15,486千円、原材料及び貯蔵品が58,591千円であります。
固定資産は、747,824千円となり、主な内訳は、有形固定資産が37,224千円、のれんが20,012千円、ソフトウェア資産が581,857千円、差入保証金が59,731千円、繰延税金資産が35,154千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の総額は、1,207,916千円となりました。流動負債は、898,886千円となり、主な内訳は、買掛金が270,966千円、1年内返済予定の長期借入金が231,822千円、前受金が229,575千円であります。
固定負債は、309,030千円となり、主な内訳は、長期借入金が285,771千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,796,172千円となりました。主な内訳は、資本金が1,127,092千円、資本剰余金が1,079,223千円、利益剰余金が△409,199千円であります。
b.経営成績
経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
Ⅰ ソフトウェア資産の減損損失の可能性について
当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
Ⅱ プロジェクトの納期変動リスクについて
当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
Ⅰ 資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。運転資金需要のうち主なものは営業活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に通信システムに関わるソフトウェアの開発費(外注費及び人件費等)によるものであります。
Ⅱ 財務政策
当社グループの財務政策は、資産構成や投資内容に最適な資金調達を行うことを基本方針としており、その運転資金及び設備資金について現状では自己資金又は長期を中心とする金融機関からの借入によって対応しております。今後も、調達手段の選択においては、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しておりますが、不確実性が伴うため、当初の見積り・予測数値と実際の数値に乖離が生じる可能性があります。
当社グループでは特に以下の会計方針を重要と認識しており、連結財務諸表作成において必要となる見積り・予測に影響を与える可能性があると考えております。
a.市場販売目的ソフトウェアの減価償却方法
市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売収益に基づく償却額と残存見込販売有効期間(3年)に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法により減価償却金額を算出しております。
この見込販売収益は、各ソフトウェアの製品カテゴリー別に、顧客単位で積み上げられた販売計画を基礎としております。 なお、販売実績収益又は将来の販売見込収益が当初見込と比べて大きく乖離した場合、追加の費用計上が必要となる場合があります。
また、今後、事業環境の変化により保有する市場販売目的ソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、一時費用が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれんの減損
のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの減損の兆候を識別した場合には、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見積りを毎期末実施しております。その結果、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。
d.自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の減損
自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上しております。なお、減損の兆候が識別され、将来の収益獲得見込額に基づき算定された割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較し、減損損失を認識すべきであると判定された自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
④ 経営上の目標の達成状況について
当連結会計年度の業績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりとなりました。
また、現ステージにおいては事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年平均成長率)を重要な指標と位置付けておりますが、当連結会計年度においては18.6ポイント下落いたしました。引き続き、目標とする経営指標を達成できるよう改善に取り組んでまいります。
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