【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①
財政状態及び経営成績の状況当社は、昨年2022年10月1日をもちまして、前身会社である高岳製作所と東光電気の2社での共同持株会社(旧:東光高岳ホールディングス)設立による経営統合から10周年を迎えました。これを記念し、昨年2022年12月6~7日に「2022東光高岳10th Anniversary ソリューションフェア~総合エネルギー事業プロバイダーを目指して~」を開催しました。会場へは多数の方々にご来場いただき、盛況を収めることができましたことを心より感謝申し上げます。この節目の年を迎え、これからの10年を2030VISIONを実現し、GX(GX:GreenTransformation)をリードする「総合エネルギー事業プロバイダー」への飛躍期と位置付け、今後の持続的成長に向けて前進してまいります。
2023年5月16日に当社の変成器類(計器用変圧変流器、計器用変圧器、変流器)の一部製品における不適切事案について公表いたしました。お客さまや当社株主の皆さまをはじめ関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。当社といたしましては、今後このような事態を再び起こすことのないよう、コンプライアンス体制の一層の強化を図り、再発防止及び信頼の回復に努めてまいります。なお、本件の詳細につきましては、(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に記載いたしております。
次に、当社グループを取り巻く状況ですが、最大取引先である電力業界においては、ウクライナ情勢と円安進行による燃料価格・電力市場価格の高騰や電力需給の不安定性の顕在化に加え、カーボンニュートラルの実現、地域社会の防災・レジリエンス強化への要請など、事業環境が大きく変化するとともに一層厳しくなっており、生産性向上と徹底的なコスト削減が各社で進められております。一方、脱炭素社会の実現に向けては、日本政府が2050年カーボンニュートラル宣言をしたことにより、国内では再生可能エネルギーを含めた分散型エネルギー関連設備の更なる普及や、電気自動車向け急速充電器需要が立ち上がりつつあります。
当社グループは、2021年4月に「2030VISION&2023中期経営計画」を策定し、「コア事業の深化・変革」、「事業基盤の構造転換」、「2030将来像開拓への挑戦」の3つの基本方針のもと、既存事業の変革と新規事業の開拓を同時に行う両利きの経営をスタートさせております。この2030VISIONで掲げた「総合エネルギー事業プロバイダー」に向けた取り組みの一環として、昨年2022年6月29日に組織改正を行い、GXソリューション事業本部を設置いたしました。このGXソリューション事業本部は、カーボンニュートラルの実現に向けた経済社会システム全体のGXに貢献するサービスやソリューションの提供を機動的かつ全体最適で行うため、これまで分かれていたGX関連の事業を一元化した組織体制としました。具体的には従来のエネルギーソリューション事業本部、イノベーション推進部及びEVインフラ推進プロジェクト、PPP/PFI推進プロジェクトを統合し、シナジー発揮を促進すると共に、多様なお客さまニーズへ最適な提案を進めてまいります。本組織改正に伴い、第2四半期連結会計期間より開示セグメントを変更しました。変更内容は、従来のエネルギーソリューションをGXソリューションに名称変更し、当セグメントに前述のGXソリューション事業に加えて、情報機器事業を含めました。本変更実施後の当社開示セグメントは、電力機器、計量、GXソリューション、光応用検査機器、その他の5セグメントとなりました。また、激変する経営環境の中で2030VISIONを達成するためには、両利き経営を推進できる人財が不可欠であり、既存事業を磨きこみ・深化させる人財、新規領域で新たな付加価値を創造し稼ぐことができる人財の双方を、これまでよりも体系立て、効果・効率的、迅速に育成することが必要と考えています。このため、人的資本を高めて有効活用し、企業価値を向上させることを目的に、「社員の成長意欲を向上させる」、「業界トップの人財を育てる」ことを推進する組織として「人財育成センター」を2023年6月29日付けで設置しました。
当連結会計年度の業績につきましては、一部製品において半導体を始めとして部品調達の長納期化による販売機会の逸失や、資材価格の高騰の影響を強く受けましたが、部品先行手配、代替品・市中品の探索、売価の適正化等により影響の極小化に取り組んでまいりました。その結果、売上高につきましては、海外工事物件等が減少したものの、計量事業全般、三次元検査装置、断路器、配電機器等の増加により、97,752百万円(前年同期比6.3%増)となりました。利益面では、上記各事業の売上高が増加したことやDXによる既存事業の収益性向上、調達改革によるコストダウン、カイゼン活動の磨きこみによる生産性向上の成果等により、営業利益4,847百万円(前年同期比4.8%増)、経常利益4,704百万円(前年同期比12.8%増)と増益となりましたが、前年同期は多額の特別利益の計上があったため、親会社株主に帰属する当期純利益は2,919百万円(前年同期比11.0%減)と減益になりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。電力機器事業は、断路器、配電機器等が増加したものの、電力会社向けのプラント物件や海外工事物件等の減少により、セグメント全体の売上高は56,944百万円(前年同期比1.2%減)と減少し、セグメント利益につきましても5,214百万円(前年同期比17.9%減)と減益になりました。計量事業は、検定代弁等が減少したものの、変成器やスマートメーター等の増加により、セグメント全体の売上高は27,953百万円(前年同期比15.3%増)と増加し、セグメント利益につきましても2,337百万円(前年同期比35.8%増)と増益となりました。GXソリューション事業は、電気自動車向け急速充電器の引き合いを多数受けたものの部品調達の長納期化の影響により販売台数は前期並みに留まりましたが、システム・インフラソリューション事業やエネルギー・マネジメント・システム(EMS)等が増加したことにより、セグメント全体の売上高は7,711百万円(前年同期比12.7%増)と増加し、セグメント損失につきましても207百万円(前年同期はセグメント損失284百万円)と赤字幅が縮小しました。なお、セグメントの変更により、前年同期につきましても変更後のセグメントに組み替えて比較しております。光応用検査機器事業は、半導体の需要増に伴い三次元検査装置の売上が増加し、セグメント全体の売上高は4,150百万円(前年同期比94.0%増)と増加し、セグメント利益につきましても1,496百万円(前年同期比210.4%増)と大幅な増益となりました。その他事業は、不動産賃貸収入の減少により、セグメント全体の売上高は992百万円(前年同期比5.0%減)と減少し、セグメント利益につきましても667百万円(前年同期比5.8%減)と減益となりました。
②
キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、10,659百万円(前年同期は12,448百万円)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)売上債権の増加4,033百万円、棚卸資産の増加4,124百万円の減少要因がありましたものの、税金等調整前当期純利益の計上4,411百万円、減価償却費の計上2,346百万円、仕入債務の増加2,279百万円の増加要因により、2,245百万円の収入(前年同期は4,140百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形及び無形固定資産の取得による支出2,094百万円により、1,923百万円の支出(前年同期は1,460百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)借入金の返済1,310百万円、配当金の支払891百万円により、2,202百万円の支出(前年同期は5,781百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
電力機器事業
60,560
5.1
計量事業
31,164
13.3
GXソリューション事業
6,713
30.8
光応用検査機器事業
4,329
99.7
報告セグメント計
102,767
11.2
その他の事業
―
―
合計
102,767
11.2
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。 2.金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
電力機器事業
68,505
17.1
56,698
25.6
計量事業
28,372
14.5
3,199
15.1
GXソリューション事業
8,327
14.2
2,596
31.1
光応用検査機器事業
3,160
△50.3
4,556
△17.8
報告セグメント計
108,366
11.8
67,051
20.9
その他の事業
992
82.9
―
―
合計
109,358
12.2
67,051
20.9
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。 2.金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
電力機器事業
56,944
△1.2
計量事業
27,953
15.3
GXソリューション事業
7,711
12.7
光応用検査機器事業
4,150
94.0
報告セグメント計
96,760
6.5
その他の事業
992
△5.0
合計
97,752
6.3
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
東京電力パワーグリッド㈱
37,763
41.1
38,820
39.7
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,080百万円増加し、106,322百万円となりました。これは現金及び預金が減少したものの、売上債権、棚卸資産が増加したことによるものです。(負債の部)負債は、前連結会計年度末に比べ3,178百万円増加し、47,862百万円となりました。これは短期借入金、長期借入金が減少したものの、仕入債務、未払金、未払費用が増加したことによるものです。(純資産の部)純資産は、前連結会計年度末に比べ2,902百万円増加し、58,460百万円となりました。これは主に配当金の支払いによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は97,752百万円(前年同期比6.3%増)となり、前連結会計年度に比べて5,816百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(売上総利益)当連結会計年度における売上総利益は21,550百万円(前年同期比4.8%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比0.4%減少し、22.0%となりました。これは主に資材価格の高騰によるものです。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は、各事業の売上高が増加したことやDXによる既存事業の収益性向上、調達改革によるコストダウン、カイゼン活動の磨きこみによる生産性向上の成果等により、4,847百万円(前年同期比4.8%増)となりました。なお、営業利益率は前連結会計年度と同じく、5.0%となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度における持分法による投資損失の計上の反動等により、4,704百万円(前年同期比12.8%増)となりました。なお、経常利益率は前連結会計年度比0.3%増加し、4.8%となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において受取損害賠償金、抱合せ株式消滅差益等多額の特別利益の計上があったため、2,919百万円(前年同期比11.0%減)と減益になりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度の資金調達につきましては、経常的な運転資金を金融機関からの借入金にて調達しておりますが、特筆すべき重要な事項はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループは連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a) 固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業別あるいは会社を1つの単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額の評価においては、合理的な事業計画に基づいて将来キャッシュ・フローを慎重に見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により収益性が著しく低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(b) 投資の減損当社グループが保有する投資有価証券には、非上場会社の株式が含まれております。非上場会社の株式の評価においては、実質価額と取得価額を比較し、実質価額が著しく低下した場合又はのれん相当額と超過収益力を比較し、超過収益力が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討しております。経営環境や市場環境の変化により、将来において投資先の業績動向が著しく低下した場合、投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。なお、重要な会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(c) 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見込額や実行可能なタックス・プランニングを慎重に検討し計上しております。繰延税金資産の回収可能性の判断においては、合理的な事業計画に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、繰延税金資産を取り崩す可能性があります。
