【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限が緩和されたことにより、経済活動は正常化に向かう一方、新たな変異株による感染の急拡大や、エネルギー・原材料価格の高騰、急激な円安による輸入コストの上昇、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等の影響に加えて、世界的な景気後退の懸念により、先行きは不透明な状況が続いております。小売業界におきましては、仕入価格や物流費をはじめとした各種コストの増加に加え、急激な物価上昇に伴い消費マインドは低下しており、厳しい経営環境となっております。通販業界におきましては、参入企業の増加に伴い業種・業態を越えた競争が激化しております。
このような環境のなか、当社グループは「DMC(Direct Marketing Conglomerate)複合通販企業の変容と進化」をテーマとする中期経営計画「Next Evolution 2024」において、「第二次DMC複合通販経営の推進」及び「Responsibility経営の取組み強化」を二大重点方針として掲げ、売上成長と収益性向上の両立に向けて各事業セグメントのビジネスモデルの進化を図るとともに、環境・社会課題の解決に向けた取組みを推進してまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高61,786百万円(前年同四半期比0.9%減)となりました。利益面におきましては、営業利益5,224百万円(同19.2%減)、経常利益5,187百万円(同20.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,558百万円(同20.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、各セグメントの売上高につきましては、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
① 通販事業
通販事業におきましては、巣ごもり消費の反動減の影響等により春夏商材の売上が減少したものの、その後は回復し前期並みに推移いたしました。また、原材料価格が高騰するなか、引き続き商品調達方法の最適化の推進や販売価格の見直しによる原価率の低減、効率的なカタログ配布など、事業効率の最大化に向けた取組みを進めてまいりました。一方で、新たなSDGs商品やサステナビリティサービスの展開にも積極的に取り組んでおります。
以上の結果、売上高は31,406百万円(前年同四半期比5.0%減)となり、セグメント利益は4,790百万円(同16.3%減)となりました。
② ソリューション事業
ソリューション事業におきましては、拡大を続けるEC・通販市場において、物流代行サービスにおける新規クライアントの稼働開始や、SLCみらいに次ぐ新たな物流センターとなる「SLC春日部」の開設など、物流代行サービスの業容の拡大を進め、全国通販3PL戦略を推進してまいりました。加えて、販促支援型コンタクトセンター「八王子センター」の開設、ECショップ運営代行サービスの提供開始など、サービスメニューの拡充にも取り組んでおります。また、決済代行サービスにつきましてはキャッシュレス決済への対応の拡大や事業効率の向上に努めたことにより好調に推移し、マーケティングサポート事業につきましても堅調に推移しております。
以上の結果、売上高は15,755百万円(同15.3%増)となり、セグメント利益は536百万円(同85.7%増)となりました。
③ eコマース事業
eコマース事業におきましては、オリジナル商品の開発や最適な商品調達ルートの開拓などに努めてまいりましたが、アウトドア・キャンプ商材において業種・業態を越えた競争が激化していることや、ブランドバッグ等の需要が回復していないことの影響を大きく受けました。なお、第2四半期連結会計期間において、アウトドア・キャンプ商材の販売状況を鑑み、不稼働在庫の評価損を計上しております。
以上の結果、売上高は15,319百万円(同5.3%減)となり、セグメント損失は173百万円(前年同四半期はセグメント利益313百万円)となりました。
④ HBT事業
HBT事業におきましては、化粧品・健康食品ビジネスにおいて、新規顧客獲得に向けた新たな商材の営業活動を強化いたしました。また、旅行ビジネスにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一巡し、政府による全国旅行支援が開始されたことにより、徐々に回復の兆しをみせているものの、引き続き不透明な状況となっております。なお、2022年3月に化粧品子会社2社の保有株式を売却したことに伴い、売上高が減少しております。
以上の結果、売上高は1,089百万円(前年同四半期比34.6%減)となり、セグメント損失は125百万円(前年同四半期はセグメント利益52百万円)となりました。
⑤ グループ管轄事業
グループ管轄事業におきましては、自社保有物流施設等の不動産賃貸、当社グループの物流オペレーション及び海外子会社の管理を行っております。物流オペレーションにおいては、東海・関西・関東エリアにおけるオペレーション強化を進め、新規クライアントへの対応を含め、安定的な運営体制の構築に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は2,581百万円(前年同四半期比2.7%増)となり、セグメント利益は114百万円(同26.0%減)となりました。
財政状態の分析は、次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は52,243百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,532百万円増加いたしました。この主な要因は、売掛金の増加、棚卸資産の増加、現金及び預金の減少によるものであります。
(負債)
負債は20,841百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,167百万円増加いたしました。この主な要因は、未払法人税等の増加によるものであります。
(純資産)
純資産は31,401百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,364百万円増加し、自己資本比率は60.1%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、当第3四半期連結会計期間末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。