【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は持ち直してきていますが、ウクライナ情勢の長期化や資源・エネルギー価格の高騰などの物価上昇、インフレ抑制のための金融引締めなどにより景気の減速感が強まりました。日本経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類への移行に伴う制限緩和などにより個人消費などが持ち直し、緩やかな回復基調となりましたが、急激な物価上昇や海外需要の影響による生産・輸出の伸び悩み、金融資本市場の変動などから先行き不透明な状況となりました。
国内発泡プラスチック業界におきましては、需要の回復が足踏み状態となり、原材料価格やユーティリティコストも高騰していることから、非常に厳しい状況となりました。
このような状況のもと当社グループは、中期経営計画「Change for Growth」の基本コンセプトである「経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと提供価値を拡大」及び「経営基盤の強化」に向け変革戦略を推進し、収益性の向上やサステナビリティ経営における課題への取り組みなど、更なる企業価値向上に取り組んでおります。
当社グループの経営成績は、製品価格改定などにより売上高は前年同期を上回りました。営業利益は、売上の増加やコスト削減などから前年同期を上回りました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、32,049百万円(前年同期比3.5%増)となりました。利益面では、営業利益は1,271百万円(同66.4%増)、経常利益は1,488百万円(同37.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,119百万円(同46.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
(押出事業)
食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」を中心とした生活資材製品は、食品トレー向け分野に加え、広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」の販売も減少したことから売上は減少しました。
産業用包装材やフラットパネルディスプレイ向けの発泡ポリエチレンシート「ミラマット」を中心とした産業資材製品は、付加価値の高い製品に加え、汎用製品の販売も減少したことから売上は減少しました。
発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」を中心とした建築土木資材製品は、土木分野向けは減少しましたが、建築・住宅分野向けの販売が増加したことから売上は増加しました。
押出事業全体としては、製品価格改定は進めたものの販売が減少したことにより売上は減少しました。利益面では、付加価値の高い製品の販売減少やユーティリティコスト高騰の影響により減益となりました。
これらの結果、押出事業の売上高は10,216百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は421百万円(同31.2%減)となりました。
(ビーズ事業)
世界各国で製造販売している発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は、好調な非自動車分野はありましたが、自動車・包装材分野での需要の影響から販売数量は減少しました。売上は、製品価格改定などから増加しました。
地域ごとの販売数量概況は、国内では、自動車分野は増加しましたが、ハイブリッド成形品「FOAMCORE」は前年同期並みでした。北米では、通い函などが好調でしたが自動車分野が減少し前年同期並みでした。南米では、自動車分野は増加しました。欧州では、自動車分野は減少しましたがHVAC向けが好調に推移し増加しました。アジアでは、前年同期に包装材分野により好調に推移した中国及び台湾は減少しました。
発泡性ポリスチレン「スチロダイア」を中心とした発泡性ビーズ製品は、水産・農業分野などでの需要の影響により販売は減少しましたが、製品価格改定により売上は増加しました。
ビーズ事業全体としては、販売は減少しましたが製品価格改定により売上は増加しました。利益面では、ユーティリティコストや人件費高騰の影響はありましたが、売上の増加やコスト削減により増益となりました。
これらの結果、ビーズ事業の売上高は20,383百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は1,112百万円(同196.5%増)となりました。
(その他)
一般包材は、国内では、自動車部品輸送関連等の販売が好調に推移したことから売上は増加しました。中国では、各種部品関連の需要が低調に推移したことにより売上は減少しました。
これらの結果、その他の売上高は1,449百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益は24百万円(同35.9%減)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,726百万円減少し141,802百万円となりました。流動資産は、2,924百万円減少し70,898百万円となりました。減少の主な要因は、電子記録債権が699百万円増加したものの、現金及び預金が3,943百万円減少したことなどによるものです。固定資産は、198百万円増加し70,904百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,006百万円減少し44,398百万円となりました。流動負債は、2,948百万円減少し33,495百万円となりました。減少の主な要因は、短期借入金が2,059百万円減少したことなどによるものです。固定負債は、1,058百万円減少し10,902百万円となりました。減少の主な要因は、長期借入金が890百万円減少したことなどによるものです。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は97,404百万円、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.1ポイント増加し65.6%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である税金等調整前四半期純利益1,481百万円、減価償却費1,792百万円などに対し、減少要因である売上債権の増加額799百万円、仕入債務の減少額637百万円などにより、差引き1,581百万円の収入(前年同期比1,033百万円増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出1,726百万円に対し、定期預金の純減少額497百万円などにより、差引き1,212百万円の支出(同52百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額2,066百万円、長期借入金の返済による支出1,215百万円、配当金の支払額745百万円などにより、差引き4,304百万円の支出(同3,897百万円増)となりました。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,671百万円減少し、11,025百万円となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は556百万円であります。