【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、世界的な物価上昇や金融引き締めによる景況感の悪化、ウクライナ情勢の長期化等、厳しい状況が続いております。また国内経済においても、新型コロナウイルス感染症に対する経済・社会活動の制限緩和が進み、個人消費や企業収益に持ち直しの動きがみられる一方で、原材料・エネルギーコスト高騰を背景とした物価上昇や急激な為替変動が続き、予断を許さない状況となっております。
国内の住宅関連業界は、緩やかな減少が続く持ち家住宅を中心に新設住宅着工戸数が弱含みで推移する中、住宅設備機器業界は新築・リフォームとも停滞の動きが出ております。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画「New ERA 2025」における3つの戦略ストーリーである「社会課題解決への貢献」、「事業規模の拡大」、「企業体質の変革」の実現に向けた取り組みを推進しております。ガス衣類乾燥機「乾太くん デラックスタイプ」のフルモデルチェンジやハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE X5」のラインアップ拡充といった生活の質向上・地球環境への貢献を進めるとともに、日本国内で水素100%燃焼給湯器の実証実験に着手する等の事業領域の拡大を通じ、お客様との約束である「Creating a healthier way of living(健全で心地よい暮らし方を創造)」の実現と持続的で堅実な長期成長に向けた取り組みを着実に進めております。
当第1四半期連結累計期間の業績は、販売面につきましては、物価や金利上昇による需要鈍化に加え、供給遅延解消に向け販売が拡大していた前年との比較で、減収となりました。損益面につきましては、原材料価格等の費用増に一服感が出てきたものの、販売数量の減少及び販売構成比における高付加価値商品の減速により、当社グループの営業利益は減益となりました。
この結果、売上高は898億53百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は31億13百万円(前年同期比69.1%減)、経常利益は58億95百万円(前年同期比48.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は32億88百万円(前年同期比53.1%減)となりました。
セグメントの業績の概況は次のとおりであります。
〈日本〉
供給遅延の解消に向けて生産・販売が増加した前年に対し、給湯機器を中心に各品目とも販売が減少しました。販売数量の減少や高付加価値商品の減速に加え、原材料・部品価格の高止まりにより、日本の売上高は421億46百万円(前年同期比6.8%減)、営業利益は18億18百万円(前年同期比71.4%減)となりました。
〈アメリカ〉
金利上昇に伴う新築や大型リフォームの減速でタンクレス給湯器市場が低調に推移しました。高効率タイプを中心に主力の給湯器販売が減少したものの、為替換算影響により、アメリカの売上高は125億55百万円(前年同期比12.8%増)となりました。しかしアメリカ国内での物流費や在庫増に伴う保管費用等のコスト増とプロダクトミックスの悪化により、営業損失は17億48百万円となりました。
〈オーストラリア〉
主力のガスタンクレス給湯器販売が日本からの供給遅延による販売影響があった前年比較で伸長したことに加え、電気タンク式給湯器やヒートポンプ給湯器等の販売も増加しました。高付加価値商品を中心とした販売の増加により、オーストラリアの売上高は67億70百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は2億14百万円(前年同期比408.8%増)となりました。
〈中国〉
景気弱含みに伴う消費マインドの低下や流通在庫の増加による在庫調整が発生し、給湯器を中心に各品目の販売が減少しました。またゼロコロナ政策解除後の新型コロナウイルス感染症の感染急拡大で、販売・生産活動が一時的に制限されたこともあり、中国の売上高は99億94百万円(前年同期比23.8%減)、営業利益は14億27百万円(前年同期比36.7%減)となりました。
〈韓国〉
物価及び金利の上昇による景況感の悪化が続き、住宅取引や個人消費が低調に推移したことで主力のボイラーや厨房機器の販売が減少しました。さらに市場鈍化に伴い競争環境が厳しさを増したことで、韓国の売上高は80億4百万円(前年同期比7.6%減)、営業利益は1億33百万円(前年同期比81.7%減)となりました。
〈インドネシア〉
物価上昇に伴う個人消費の低迷で主力のテーブルコンロ市場が縮小したことで、インドネシアの売上高は33億22百万円(前年同期比13.4%減)となりました。一方で原価低減等の経営改善や高付加価値商品であるビルトイン商材の底堅い需要に加え、原材料価格も一服したことで、営業利益は5億29百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
なお、財政状態の状況は、以下のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて80億52百万円減少し、5,390億62百万円となりました。
負債は、電子記録債務が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて48億96百万円減少し、1,350億17百万円となりました。
また、純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上の一方で、剰余金の配当や自己株式の取得などにより前連結会計年度末に比べて31億55百万円減少し、4,040億44百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は67.2%となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、33億39百万円であります。 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。