【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1)
業績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に改善され、持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株による感染再拡大の懸念やロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格や物価の上昇、金融資本市場の変動等により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。当社グループを取り巻く市場環境は、令和3年度の政府補正予算と令和4年度の政府予算において、災害に屈しない強靱な国土づくりのための防災・減災、国土強靱化の強力な推進、インフラ老朽化対策等による持続可能なインフラメンテナンスの実現、気候変動対策、自然との共生・生物多様性の保全と持続可能な利用、環境リスクの管理等の当社グループが強みを活かせる分野に重点配分されており、堅調に推移いたしました。このような状況の中、当社グループは、安全・安心で持続可能な社会の実現、コンサルタントとしての技術力の総合化・多様化・高度化、さらにはサステナビリティ経営の実現や企業価値の向上を目標に事業を推進してまいりました。また、当社グループは、2022年から3か年の第5次中期経営計画を策定し、「イノベーションの加速と総合力の結集による事業領域の拡大と経営基盤の強化」をスローガンに掲げ、①新規事業創出・新市場開拓の加速と技術開発の推進、②基幹事業分野の強化、③海外事業の拡大と海外展開の推進、④民間・個人市場への展開、ものづくりの推進、⑤DXの推進、IoT・ロボット・AI等の先端技術の利活用、⑥次世代を担う多様な人材の確保・育成、⑦魅力と活力のある働きやすい企業づくり、⑧組織の一体化・効率化とガバナンスの強化、の8つの重要な経営課題に取り組むことにより、強い経営基盤の構築と安定的な成長を目指しております。さらに、本中期経営計画では、これまでの社会基盤整備と環境保全のコンサルタント事業の強化・拡大に加え、コーポレートスローガン「人と地球の未来のために」における「人=人の安全・安心、健康生活の支援」と「地球=地球環境の保全等」に対し、より直接的にコミットすることで事業領域の拡大に取り組んでおります。当連結会計年度における連結業績は、受注高は大規模な海洋環境調査、水中無人ロボットによる海底等環境の可視化調査、連結子会社Idesを含めた海外における生態系保全関連業務等の受注が増加したことにより、前年同期比5億8千1百万円増加の230億1千9百万円(前年同期比2.6%増)となりました。また、売上高は大規模な海洋環境調査や防災・減災関連業務、インフラ施設の設計・維持管理関連業務等の売上が寄与し、230億3千5百万円(前年同期は206億2千3百万円)、営業利益は31億5千4百万円(前年同期は25億4千7百万円)、経常利益は32億7千8百万円(前年同期は21億7百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億4千9百万円(前年同期は20億8千3百万円)となりました。なお、受注高、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についてそれぞれ過去最高を更新いたしました。なお、当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号
2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、比較対象となる前連結会計年度と収益認識に対する基準が異なることから、受注高以外の業績につきましては前連結会計年度比を記載しておりません。
セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおります。)
(環境コンサルタント事業)同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が続いているものの、大規模な海洋環境調査、再生可能エネルギー関連の環境調査や東日本大震災の復旧・復興に関する様々な調査等、当社グループの強みを活かせる業務を多く受注することができました。。売上高は139億9千7百万円(前年同期は127億3千8百万円)となり、セグメント利益は16億6千7百万円(前年同期は13億3千2百万円)となりました。
同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)
環境アセスメント及び環境計画部門におきましては、環境アセスメント分野では、河川・港湾・空港・道路・バイオマス発電・風力発電・廃棄物最終処分場等の建設に関する環境アセスメント業務を実施いたしました。また、脱炭素社会や再生可能エネルギー事業の推進に関する業務、海洋開発に関する業務、海域環境保全等の業務、閉鎖性海域の健全化を評価するための新しい環境基準に関する検討業務、マイクロプラスチックを含む海洋ごみの調査手法に関する業務等を実施いたしました。環境計画分野では、自然地域・都市地域における環境保全・水辺利用計画の策定、河川・湖沼・海域・湿地・森林等の自然再生に関する調査・検討、地域循環共生圏の構築支援、環境中の化学物質等の挙動把握に関する業務を実施いたしました。港湾インフラマネジメント分野では、岸壁、防波堤等の港湾施設や海岸保全施設における耐震及び津波・高潮対策の機能強化を目的とした基本設計・実施設計・耐震照査に関する業務を実施いたしました。農業環境資源分野では、有明海・諫早湾等の再生に関する業務、東日本大震災関連のため池の放射性物質に関する調査業務、農業農村整備事業に係る環境調査や用水計画の検討業務等を実施いたしました。ライフケア事業分野では、「お部屋の健康診断」ビジネスを軸に、個人顧客を中心としたサービスを提供いたしました。売上高は39億3千4百万円(前年同期は34億3千8百万円)となりました。
環境生物部門におきましては、水域生物分野では、河川、湖沼等の陸水域から、干潟、藻場、サンゴ礁、沿岸・外洋域を対象に、魚類、底生動物、サンゴ、海草・藻類等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。自然再生関連業務として河川における重要な生物種の生息ポテンシャルや保全対策を踏まえた多自然川づくり等の自然再生、漁業関連業務として水産資源調査、漁業影響調査、漁業補償関連調査を実施いたしました。また、海洋鉱物資源開発に係る外洋域の生物分析、環境影響評価を実施いたしました。陸域生物分野では、里山から山地帯、河川・海岸さらには離島を対象に、植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。希少生物・生態系の保全業務として、クマタカ等の希少猛禽類の調査・保全対策を実施いたしました。外来種の駆除業務として、外来樹木対策や外来水草の駆除を実施いたしました。環境影響評価に関する業務として、ダムや陸上風力発電の調査・影響予測を実施いたしました。また、ゲームエンジンや衛星画像を活用した生物生息環境の調査・解析、AIを使った画像解析による作業の効率化等、新しい技術を取り入れることにより、成果品の向上と業務の効率化を図りました。生物飼育実験分野では、養魚用配合飼料に含まれる有害物質の魚類への移行性を確認するための室内実験業務、希少魚類の繁殖業務の他、環境DNA技術を用いた生物調査・分析業務を実施いたしました。売上高は32億7百万円(前年同期は29億6千万円)となりました。
数値解析部門におきましては、海域分野では、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海等の閉鎖性海域や沿岸域において、流動や水質に関する環境影響評価を行うとともに、数値モデリングを用いた水質改善効果把握、水質・底質・生態系の物質循環と汚濁メカニズムの解析業務を実施いたしました。データ解析としては、港湾の検潮所等における海象観測データの整理・解析業務を実施いたしました。また、沿岸漁業におけるスマート化推進のための漁場データ解析業務や、海況予報システムの構築に関する業務を実施いたしました。河川・湖沼分野では、霞ヶ浦、中海・宍道湖、諏訪湖、湖山池(鳥取県)等の指定湖沼及び各自治体が管理している主な湖沼において、湖流、水質・底質、生物に関する数値モデリングを実施し、湖沼における水質保全計画策定と対策に資する検討業務を実施いたしました。また、画像等のデジタル情報を対象にAI技術を用いて、河川モニタリング映像による変状検知の解析業務や採水サンプルの検鏡画像の解析業務を実施いたしました。気象解析分野では、レーダ雨量計を用いた検討業務、気候変動に伴う河川計画見直しに関する検討として、気候予測データセットの解析業務を実施いたしました。売上高は3億8千7百万円(前年同期は3億6千8百万円)となりました。
調査部門におきましては、水域調査分野では、港湾・空港・土砂処分場の整備に係る海域環境調査や水産基盤整備に係る海域環境調査、発電所建設や洋上風力発電立地に伴う海域環境影響評価調査、深海底鉱物資源開発計画に係る外洋環境調査、河川等の公共用水域測定計画調査やダム湖の希少魚類に係る環境調査、湖沼の外来水生生物駆除に係る調査等を実施いたしました。陸域調査分野では、道路に係る大気常時監視調査、道路交通調査、ダム管理に係る気象情報の提供、洋上風力発電事業に関連した事前風況観測の調査等を実施いたしました。廃棄物・土壌調査分野では、国や自治体、民間の事業計画に伴う土壌汚染、廃棄物、微量PCBの調査や対策、環境リスクコンサルティングを実施いたしました。航空調査分野では、自社保有航空機を用いて大型海生生物の生態調査、洋上鳥類調査を実施いたしました。震災復興関連では、東日本大震災に伴う放射能の除染に係る工事監督支援業務、中間貯蔵施設に係る水底質監視調査を実施いたしました。このほか、港湾・空港施設や海岸保全施設のインフラ点検調査や国の研究機関の水中ロボティクス(AUV)の開発・整備・保守・運用業務等を実施いたしました。売上高は31億8千万円(前年同期は26億7千7百万円)となりました。
環境化学部門におきましては、環境化学分野では、水質・底質・土壌等の環境媒体の測定分析、大気中有害金属の測定分析、ダイオキシン類・残留性有機汚染物質(POPs)等の極微量化学物質の測定分析、絶縁油・塗膜中のPCBの測定分析、及び細菌試験を実施いたしました。震災復興関連では、ため池等の放射性物質モニタリングに関する測定分析を実施いたしました。また、水銀に関する水俣条約に関わる国内モニタリング、国際支援(モニタリング技術の移転・能力強化)に携わりました。食品・生命科学分野では、従来の食品等の機能性評価や成分分析、遺伝子解析、タンパク質の解析(プロテオーム解析)に加えて、環境媒体における分子生物学的な調査・解析を実施いたしました。また、社内外の新型コロナウイルス検査を継続実施いたしました。環境リスク分野では、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)等の業務において、血液・尿・毛髪等の生体試料中の有機フッ素化合物、重金属類、ダイオキシン類や難燃剤及び代謝物等の測定分析を実施するとともに、化学物質による人や生物への影響評価調査を実施いたしました。また、水生生物を用いた化学物質の内分泌かく乱作用のリスク評価及び試験法の開発や生態毒性試験等を実施いたしました。売上高は28億4千7百万円(前年同期は27億6千7百万円)となりました。
気象・沿岸部門におきましては、気象情報サービス分野では、スマートフォン向け気象情報サイトの運営を実施するとともに、気象予報や当社で独自開発した健康天気予報(バイオウェザー)の充実のための研究開発を実施いたしました。また、自治体や民間事業者に対して道路気象予報、気象情報配信等を実施いたしました。沿岸分野では、沿岸域での防災や港湾等の事業に関する解析・検討業務を実施いたしました。また、自社で開発した数値解析モデル等を用いて、波浪・海岸変形の解析や航路埋没の対策検討、津波・高潮・高波の監視・観測・解析に関する業務を実施いたしました。売上高は4億2千9百万円(前年同期は4億9千8百万円)となりました。
(建設コンサルタント事業)同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が続いているものの、防災・減災関連業務や、インフラ施設の設計・維持管理関連業務等、当社グループの強みを活かせる業務を多く受注することができました。売上高は83億1千3百万円 (前年同期は72億9千6百万円)となり、セグメント利益は12億8千1百万円(前年同期は10億5千5百万円)となりました。
同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)
河川部門におきましては、河川分野では、気候変動を考慮した河川整備計画の見直し、流域治水対策等の治水計画、水害に強いまちづくり、洪水浸水想定、水害リスクマップ、洪水予測、ダムの運用・管理、河川事業の評価、河川流域の総合土砂管理、土砂洪水氾濫対策、河川環境の保全を考慮した川づくり、河川の維持管理等に関する業務を実施いたしました。海岸分野では、海岸保全計画、津波・高潮対策、高潮浸水想定、河口処理計画、海岸事業評価、海岸保全施設の維持管理等に関する業務を実施いたしました。売上高は17億8千万円(前年同期は16億2千2百万円)となりました。
水工部門におきましては、水工部門では、河川の堤防・護岸、水門、堰、樋門・樋管、排水機場、調整池、放水路等の河川構造物の計画・設計、維持管理計画、耐震対策等に関する業務、砂防堰堤設計や砂防基礎調査等の土砂災害対策に関する業務を実施いたしました。また、令和4年7月豪雨災害の災害復旧や令和2年7月豪雨で被災した球磨川での緊急治水プロジェクトに関する設計業務等を実施いたしました。売上高は18億4千7百万円(前年同期は17億2千2百万円)となりました。
道路部門におきましては、自動車専用道路及び一般道路における道路設計、標識や排水施設等の道路付属物設計、函渠等の道路構造物設計、道の駅に関する設計、生活道路の交通事故対策、事業評価や整備効果、無電柱化対策、照明や標識等の道路施設点検や維持管理に関する業務、まちづくり関連業務、東日本大震災の復興支援道路の事業監理業務やため池対策工設計等を実施いたしました。また、各種構造物の地震応答解析及び耐震照査、トンネル・地盤等の解析業務を実施いたしました。また、令和3年8月豪雨や令和4年7月豪雨で被災した道路施設の復旧や事業計画に関する業務を実施いたしました。売上高は14億2千6百万円(前年同期は13億7千9百万円)となりました。
橋梁部門におきましては、自動車専用道路及び一般道路における鋼橋・コンクリート橋等の設計、既設橋梁の維持管理・モニタリング計画、点検及び診断・評価、補修・補強、耐震補強等を実施いたしました。また、令和3年8月豪雨及び令和4年3月福島県沖地震や令和4年7月豪雨で被災した橋梁の復旧に関する設計業務等を実施いたしました。そのほか、放射能汚染土壌の中間貯蔵施設の工事に係る監督支援業務を実施いたしました。売上高は25億4千8百万円(前年同期は24億2千2百万円)となりました。
海外部門におきましては、沿岸域環境管理、気候変動対策、海洋ごみ・水銀等廃棄物管理、水環境管理、環境社会配慮、水資源・洪水管理、災害リスク削減、防災体制強化、港湾施設の施工管理等の業務を実施いたしました。前期に引き続いて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受けましたが、海外渡航の再開と海外インフラの計画・調査を業務とする㈱Idesの連結子会社化により業績は拡大いたしました。売上高は6億8千7百万円(前年同期は1億5千万円)となりました。
(情報システム事業)システム構築分野では、河川の洪水予測システムや画像解析による土石流検知システム、AIを活用したダム管理支援システム構築や堤防変状検知システムの構築、健康診断管理システムの機能改修、次世代スマート沿岸漁業の技術開発成果を活用したシステムサービス等を実施いたしました。システム開発分野では、河川のカメラ映像を利用した水位計測システムの精度向上及び画像解析による流量計測システムの機能改善、仮想現実(VR)技術を利用した防災システム業務、海洋マイクロプラスチックに関するデータ共有システム開発に向けた要件定義検討等を実施いたしました。システム運用支援分野では、地球観測衛星の運用支援業務、通信会社のスマートフォンサービスの技術検証支援業務を実施いたしました。このほか放射能除染関連業務として、データの整理・解析や各種支援業務を実施いたしました。売上高は5億7千1百万円(前年同期は4億4千2百万円)となり、セグメント利益は6千5百万円(前年同期は3千5百万円)となりました。
(不動産事業)同事業においては、赤坂のオフィスビル、旧大阪支社跡地等の不動産賃貸を行いました。売上高は2億4千8百万円(前年同期は2億3千3百万円)、セグメント利益は1億4千万円(前年同期は1億2千3百万円)となりました。
(2)
キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億4千8百万円増加し、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加2億1千5百万円と合わせて39億4千5百万円(前年同期比207.9%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は42億1千9百万円(前年同期は16億4千2百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益32億7千8百万円、非資金支出費用である減価償却費7億1千4百万円、棚卸資産の減少額77億1千3百万円、売上債権及び契約資産の増加額60億2千8百万円、法人税等の支払額9億8千4百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は23億1千万円(前年同期は15億1千万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出23億5千9百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は5億3千5百万円(前年同期は12億5千7百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入による収入10億円、長期借入金の返済による支出2億円、配当金の支払額2億4千9百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
環境コンサルタント事業
環境アセスメント及び環境計画部門
4,456,632
19.8
3,535,301
―
環境生物部門
2,927,151
△16.9
1,181,964
―
数値解析部門
312,099
△21.5
154,401
―
調査部門
3,880,354
22.4
1,874,189
―
環境化学部門
2,643,458
△11.3
1,072,851
―
気象・沿岸部門
315,576
12.5
163,878
―
建設コンサルタント事業
河川部門
1,669,861
△0.1
673,432
―
水工部門
1,762,909
△2.6
781,315
―
道路部門
1,336,304
△12.0
785,414
―
橋梁部門
2,388,306
△7.5
1,232,355
―
海外部門
731,091
147.1
661,735
―
情報システム事業
595,617
21.2
206,002
―
合計
23,019,364
2.6
12,322,843
―
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は受注契約金額で表示しております。3
収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため受注残高において、比較対象となる前連結会計年度と収益認識基準が異なることから、前年同期比を記載しておりません。
(2) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
環境コンサルタント事業
環境アセスメント及び環境計画部門
3,934,182
―
環境生物部門
3,207,097
―
数値解析部門
387,595
―
調査部門
3,180,343
―
環境化学部門
2,847,087
―
気象・沿岸部門
429,092
―
建設コンサルタント事業
河川部門
1,780,654
―
水工部門
1,847,193
―
道路部門
1,426,578
―
橋梁部門
2,548,577
―
海外部門
687,469
―
情報システム事業
571,594
―
不動産事業
187,717
―
合計
23,035,185
―
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、比較対象となる前連結会計年度と収益認識基準が異なることから、前年同期比を記載しておりません。3
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
国土交通省
6,671,270
32.3
7,977,768
36.2
防衛省
2,607,646
12.6
2,802,816
12.7
(注)収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表作成にあたっては、資産・負債、収益・費用の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5
経理の状況 1. 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響については、現時点では軽微であると考え、当期の会計上の見積りには織り込んでおりません。
(2)
経営成績の分析 (売上高)売上高については、大規模な海洋環境調査や防災・減災関連業務、インフラ施設の設計・維持管理関連業務等の売上が寄与し、230億3千5百万円(前年同期は206億2千3百万円)となりました。環境コンサルタント事業では、大規模な海洋環境調査、再生可能エネルギー関連の環境調査や東日本大震災の復旧・復興に関する様々な調査等、当社グループの強みを活かせる業務を多く受注することができたこと等により139億9千7百万円(前年同期は127億3千8百万円)となり、建設コンサルタント事業では、防災・減災関連業務や、インフラ施設の設計・維持管理関連業務等、当社グループの強みを活かせる業務を多く受注することができたこと等により、83億1千3百万円(前年同期は72億9千6百万円)となりました。また情報システム事業では、5億7千1百万円(前年同期は4億4千2百万円)、不動産事業では、2億4千8百万円(前年同期は2億3千3百万円)となりました。 (営業利益)営業利益については、31億5千4百万円(前年同期は25億4千7百万円)となりました。環境コンサルタント事業では、16億6千7百万円(前年同期は13億3千2百万円)のセグメント利益を計上いたしました。建設コンサルタント事業では、12億8千1百万円(前年同期は10億5千5百万円)のセグメント利益を計上いたしました。情報システム事業では、6千5百万円(前年同期は3千5百万円)のセグメント利益を、不動産事業については、1億4千万円(前年同期は1億2千3百万円)のセグメント利益を計上いたしました。 (経常利益)経常利益については、32億7千8百万円(前年同期は21億7百万円)を計上いたしました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益については、21億4千9百万円(前年同期は20億8千3百万円)となり、売上高当期純利益率は9.3%となりました。
当社グループの収益確保の方針は、売上高の伸長及び経営の効率化による諸経費の削減を行うことであり、組織の効率化、社内ネットワークを活用した情報の有効活用、資金及び施設の有効活用を実施してまいります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 財政状態の分析(資産)資産合計は、前連結会計年度末と比べ64億3千1百万円増加の339億5千5百万円(前年同期比23.4%増)となりました。流動資産につきましては、主に現金及び預金の増加26億6千2百万円、収益認識基準等の適用により、受取手形、営業未収入金及び契約資産(受取手形及び営業未収入金)が99億7千2百万円増加し、仕掛品が77億6千2百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比べ49億5千5百万円増加の155億9千6百万円となりました。また、流動比率は271.6%(前年同期は257.1%)となりました。固定資産につきましては、主に建設仮勘定の増加13億5千1百万円、土地の増加4億1千9百万円、連結子会社化(㈱Ides、㈱クレアテック)等による投資有価証券の減少3億1千5百万円により、前連結会計年度末と比べ14億7千5百万円増加の183億5千9百万円となりました。また、固定比率は74.4%(前年同期は82.8%)となりました。(負債)負債合計は、前連結会計年度末と比べ21億5千7百万円増加の92億8千万円(前年同期比30.3%増)となりました。流動負債につきましては、主に1年内返済予定の長期借入金の増加1億円、収益認識基準等の適用により未払法人税等が13億4千8百万円増加したことにより、前連結会計年度末と比べ16億2百万円増加の57億4千1百万円となりました。固定負債につきましては、主に長期借入金の増加7億円、退職給付に係る負債の減少1億8千3百万円により、前連結会計年度末と比べ5億5千5百万円増加の35億3千8百万円となりました。(純資産)純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び収益認識基準等の適用による利益剰余金の期首残高の増加により、利益剰余金が40億6千7百万円増加し、前連結会計年度末に比べ42億7千3百万円増加の246億7千5百万円(前年同期比20.9%増)となりました。また、ROEは9.5%(前年同期は10.8%)となりました。
(5) 経営戦略の現状と見通し当社グループに関わる市場環境においては、特に重点的に取り組むべき課題として、以下の事項が挙げられております。・「大規模災害からの復旧・復興」「自然災害に備えた防災・減災」「インフラの老朽化対策」「経済成長、地域創生、生産性向上のためのインフラ整備」といった国土強靱化や社会基盤整備に関する課題・「地球温暖化による気候変動への適応」「再生可能エネルギーの活用などの適切なエネルギーバランスの実現」「地域の資源を有効に活用した循環共生型社会の形成」などの脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現に向けた課題・「大気・水環境等の環境質の保全」「希少種保全や生物多様性の確保」「持続可能な海洋資源の利活用」などの生活環境・自然環境の保全に向けた課題・「化学物質による環境・健康リスクの低減」「感染症リスクへの対応」など人の健康リスクに関する課題など、このような社会的課題の解決は、国際社会における持続可能な開発目標であるSDGsへの貢献や当社のサステナブルな事業の展開にもつながっていくと考えられます。当社グループは、これらの課題を解決し、「安全・安心で快適な社会の持続的発展と健全で恵み豊かな環境の保全と継承を支えることを通じて社会に貢献する」という経営ビジョンを達成するため、長期的な経営戦略を次のように設定しております。<事業戦略>・一歩先を見据えた積極的な技術開発と新規事業分野・新市場への展開・技術の総合化・多様化・差別化によるコア・コンピタンスの創出・価格競争力の向上と営業力強化・官公需の受注シェア向上と民間分野への積極的な営業展開<人材・組織戦略>・優秀な人材の確保・育成のための基盤整備・社会ニーズや社会構造にマッチした組織・事業構造、事業領域への転換・関連企業の育成とパートナーシップの強化<財務戦略>・財務健全性の確保と資本効率性の向上・内部統制の強化上記の経営戦略のもと、当社グループは、2022年から2024年までの第5次中期経営計画において、「イノベーションの加速と総合力の結集による事業領域の拡大と経営基盤の強化」をスローガンに掲げ、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の重要な経営課題に取り組むことにより、強い経営基盤の構築と安定的な成長を目指す所存であります。
(6) 資本の源泉及び資金流動性についての分析 ① キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ24億4千8百万円増加(前年同期は11億1千3百万円の減少)し、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加2億1千5百万円と合わせて39億4千5百万円(前連結会計年度末は12億8千1百万円)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(キャッシュ・フロー指標の推移)
2020年12月期
2021年12月期
2022年12月期
自己資本比率(%)
68.5
74.1
72.7
時価ベースの自己資本比率(%)
46.7
48.7
35.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
36.3
6.1
21.3
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
714.0
615.5
719.2
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.各指標は、下記の基準で算出しております。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式数を控除)により算出しております。4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。6.利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を使用しております。 ② 資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要として外注費、労務費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 ③ 財務政策当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び社債による調達を基本としております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入と比較して有利な条件になる場合に限り、社債発行を行うこととしております。資金の流動性については、経理部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により、流動性リスクを管理しております。
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