【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染対策の大幅緩和により国内の経済活動の正常化が進んだ一方で、原燃料価格の高止まりは続いており、世界的な金融引締めの動きや為替変動の影響に加え中国経済の減速懸念など、今後の見通しは依然不透明な状況にあります。
当社グループにおきましては、半導体関連の需要調整や中国における自動車向けの減速による影響があったものの、パネルシステム部門は好調に推移し、トラック架装関連はトラックシャシーの供給正常化により回復が図れており、自動車関連は国内自動車生産の稼働率上昇で回復してきています。業績は、売上高がアルミニウム地金市況下落の影響もあり前年同期並みとなりましたが、採算面では板、押出製品は前年同期を下回ったものの、箔、粉末製品とパネルシステム部門、トラック架装事業が前年同期を上回ったことから、営業利益、経常利益は前年同期と比べ増益となりました。一方で、当社子会社である日本軽金属株式会社が保有する雨畑ダム(山梨県)の堆積土砂の対策について、雨畑ダム堆砂対策基本計画の進捗等に伴い土砂搬出に新たな工程等を追加する必要があると判明したため、堆砂対策引当金の見積額を変更しております。これにより、堆砂対策費用として特別損失を計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を下回りました。
連結経営成績 (単位:百万円)
2024年3月期
第2四半期累計期間
2023年3月期
第2四半期累計期間
比較増減
(△印減少)
売上高
250,452
253,094
△2,642
( △1.0%)
営業利益
5,681
3,657
+2,024
(+55.3%)
経常利益
6,689
5,207
+1,482
(+28.5%)
親会社株主に帰属する四半期純利益
2,144
3,804
△1,660
(△43.6%)
セグメント別業績
(単位:百万円)
セグメント
売上高(前期比)
営業利益(前期比)
アルミナ・化成品、地金
75,342
( △3,771
△4.8%)
5,851
(
△365
△5.9%)
板、押出製品
47,152
( △8,327
△15.0%)
△1,375
( △1,789
-
)
加工製品、関連事業
76,775
( +7,994
+11.6%)
99
( +1,919
-
)
箔、粉末製品
51,183
( +1,462
+2.9%)
2,903
( +2,351
+425.9%)
消去または全社
-
-
-
△1,797
(
△92
-
)
合 計
250,452
( △2,642
△1.0%)
5,681
( +2,024
+55.3%)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナにおける耐火物向けやセラミックス向けなどに加え化学品における無機塩化物などでの販売減少により、売上高は前年同期を下回りました。採算面では原燃料価格高騰の影響があったものの、販売価格改定の効果により、前年同期並みの利益となりました。
地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野において、国内では自動車生産の回復が進んだことで販売が増加し、米国での販売好調やタイでも販売が堅調だったことから、前年同期を上回る販売量であったものの、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の下落により、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前年同期の791億13百万円に比べ37億71百万円(4.8%)減の753億42百万円となり、営業利益は前年同期の62億16百万円から3億65百万円(5.9%)減の58億51百万円となりました。
(板、押出製品)
板製品部門におきましては、半導体製造装置向け厚板の販売が半導体の需要調整局面継続により前年同期を下回っている影響が大きく、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の下落の影響もあり、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
押出製品部門におきましては、トラック架装向けや国内の自動車関連向けの回復が進んでいるものの、半導体製造装置向けや中国での自動車関連向けの販売減などにより、売上高は前年同期を下回りました。採算面では販売面の影響に加え、米国新工場の量産操業安定に時間を要していることもあり、営業損益は前年同期を下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の板、押出製品セグメントの売上高は前年同期の554億79百万円に比べ83億27百万円(15.0%)減の471億52百万円となりました。営業損益は前年同期の4億14百万円の利益から17億89百万円悪化の13億75百万円の損失となりました。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、トラックシャシー供給の正常化・安定により生産が回復していることから、前年同期を上回る売上高となりました。採算面では材料価格が高止まりながらも安定したうえ、販売価格改定の進捗による効果が大きく、営業損益は前年同期より改善しました。
パネルシステム部門におきましては、冷凍・冷蔵分野では、食品工場向けや低温流通倉庫向けをはじめとする大型物件の売上が増加し、クリーンルーム分野では、半導体関連メーカー向けクリーンルーム需要の高まりに支えられ販売が増加していることから、部門全体の売上高、営業利益はともに前年同期を上回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前年同期の687億81百万円に比べ79億94百万円(11.6%)増の767億75百万円となりました。営業損益は、前年同期の18億20百万円の損失から19億19百万円改善の99百万円の利益となりました。
(箔、粉末製品)
箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔は自動車生産の回復により前年同期と比べ販売が増加し、医薬包材向け加工箔は販売価格改定による増収もあり、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品は放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミが半導体関連の需要調整継続の影響で前年同期と比べ販売が減少したのに対し、ペースト製品は主力の自動車塗料向けが国内・海外ともに自動車生産の回復により販売増となったことから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
日用品部門におきましては、コンシューマー向けではハウスケア用品などの堅調な販売とアルミホイルの販売価格改定効果により、パッケージ用品向けでは冷凍食品向けの販売が好調だったことにより、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の箔、粉末製品セグメントの売上高は前年同期の497億21百万円に比べ14億62百万円(2.9%)増の511億83百万円となりました。採算面では、各部門での販売増加に加え、販売価格改定効果の発現などにより、営業利益は前年同期の5億52百万円から23億51百万円(425.9%)増の29億3百万円となりました。
財政状態につきましては、当第2四半期連結会計期間末の総資産は、投資その他の資産のうち、株価の上昇に伴う投資有価証券の時価評価額の増加などにより、前連結会計年度末と比べて11億12百万円増の5,273億13百万円となりました。
負債は、運転資金の減少による借入金の返済などにより、前連結会計年度末と比べて44億5百万円減の3,010億38百万円となりました。
純資産は、円安の進行による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末と比べて55億17百万円増の2,262億75百万円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の39.0%から39.9%となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ1億57百万円(0.5%)減少の311億6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは218億56百万円の収入となりました。これは税金等調整前四半期純利益や減価償却費などの非資金損益項目などによるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の76億25百万円の支出に対し、当第2四半期連結累計期間は218億56百万円の収入となっておりますが、これは主に運転資金の減少などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは94億55百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前年同期と比べ38億44百万円増加しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは131億92百万円の支出となりました。これは、主として借入金の返済による支出によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フロー支出は前年同期と比べ105億11百万円増加しておりますが、これは主に短期借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
3.経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
4.事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。また、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)についても、変更はありません。
5.研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は2,970百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。