【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間は、日本国内においても新型コロナウイルス感染対策に関する制限が大幅に緩和されたことにより経済活動の正常化が進んでいるものの、ウクライナ情勢の長期化や原燃料価格の高止まり、世界的な金融引締めの動きや為替変動に加え中国の景況感など、今後の見通しについて不透明な状況にあります。
当社グループにおきましては、パネルシステム部門は好調に推移し、トラックシャシー減産の影響で前年大きく落ち込んだトラック架装関連の回復が図れています。また国内の自動車生産は若干不安定ながらも回復してきていることがプラスに作用しました。一方で半導体関連需要の調整局面の継続、中国での押出製品など自動車向けの減速に加えて、アルミニウム地金市況を反映した販売価格下落の影響もあったことにより、売上高は前年同期を若干下回りました。採算面ではパネルシステム部門と箔、粉末製品、トラック架装事業は前年同期を上回ったものの、半導体製造装置向け厚板など半導体関連の需要低迷に加え、自動車関連の中国における販売減速の影響などにより、営業利益、経常利益、および親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を下回りました。
連結経営成績 (単位:百万円)
2024年3月期
第1四半期累計期間
2023年3月期
第1四半期累計期間
比較増減
(△印減少)
売上高
122,471
123,241
△770
( △0.6%)
営業利益
1,971
3,437
△1,466
(△42.7%)
経常利益
2,942
4,142
△1,200
(△29.0%)
親会社株主に帰属する四半期純利益
1,181
2,614
△1,433
(△54.8%)
セグメント別業績
(単位:百万円)
セグメント
売上高(前期比)
営業利益(前期比)
アルミナ・化成品、地金
37,846
( △942
△2.4%)
3,118
(
△646
△17.2%)
板、押出製品
22,938
( △4,965
△17.8%)
△1,279
( △2,458
-
)
加工製品、関連事業
36,374
( +4,133
+12.8%)
△371
( +904
-
)
箔、粉末製品
25,313
( +1,004
+4.1%)
1,522
(
+753
+97.9%)
消去または全社
-
( -
- )
△1,019
(
△19
-
)
合 計
122,471
( △770
△0.6%)
1,971
( △1,466
△42.7%)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナでは耐火物・セラミックス向けを中心に、化学品でも有機塩化物を中心に販売数量は減少しましたが、販売価格の改定効果により、売上高は前年同期並みとなりました。採算面では原燃料価格高騰の影響もあり、前年同期と比べ若干減益となりました。
地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野において、国内自動車生産の回復基調による販売増加や、米国やタイでの販売が堅調だったことで前年同期を上回る販売量となりましたが、アルミニウム地金市況を反映して販売価格が下落した影響などで売上高は前年同期を下回り、採算面でも前年同期と比べ減益となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前年同期の387億88百万円に比べ9億42百万円(2.4%)減の378億46百万円となりました。営業利益は前年同期の37億64百万円から6億46百万円(17.2%)減の31億18百万円となりました。
(板、押出製品)
板製品部門におきましては、半導体製造装置向け厚板が前年第2四半期より続いている需要調整局面により前年同期の販売を下回っており、またアルミニウム地金市況を反映した販売価格の下落の影響もあり、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
押出製品部門におきましては、トラック架装向けや国内の自動車関連向けは回復途上にあるものの、半導体製造装置向けや中国での自動車関連向けの販売減などにより、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。 以上の結果、当第1四半期連結累計期間の板、押出製品セグメントの売上高は前年同期の279億3百万円に比べ49億65百万円(17.8%)減の229億38百万円となりました。営業損益は前年同期の11億79百万円の利益から24億58百万円悪化の12億79百万円の損失となりました。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、サプライチェーン正常化に伴いトラックシャシー供給が概ね安定し生産の回復が図れており、売上高は前年同期より増加しました。採算面では材料価格上昇が一段落したことに加え、販売価格改定効果が現れ始めていることから、営業損益は前年同期より改善しました。
パネルシステム部門におきましては、冷凍・冷蔵分野では、食品工場向けや低温流通倉庫向けを中心とした大型物件が増加し、クリーンルーム分野では、半導体関連の材料・部品・製造装置メーカー向けクリーンルームの旺盛な需要に支えられ販売が増加していることから、部門全体の売上高、営業利益はともに前年同期を上回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前年同期の322億41百万円に比べ41億33百万円(12.8%)増の363億74百万円となりました。営業損益は、前年同期の12億75百万円の損失から9億4百万円改善の3億71百万円の損失となりました。
(箔、粉末製品)
箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔は自動車生産の回復により前年同期と比べて販売が増加したことに加え、医薬包材向け加工箔も回復傾向にあることから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品は放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミが半導体関連の需要調整局面を受けて前年同期と比べ販売が減少しました。ペースト製品は主力の自動車塗料向けの販売が国内向けは緩やかに回復し、海外向けは前年同期を上回る販売であったことから、部門全体の売上高はほぼ前年同期並みとなりました。
日用品部門におきましては、コンシューマー向けではハウスケア用品の堅調な販売とアルミホイルの販売価格改定効果により、パッケージ用品向けでは冷凍食品向けなどでの好調な販売により、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。 以上の結果、当第1四半期連結累計期間の箔、粉末製品セグメントの売上高は前年同期の243億9百万円に比べ10億4百万円(4.1%)増の253億13百万円となりました。採算面では、各部門での販売増加に加え、前期からの原燃料や資材価格高騰に対する販売価格改定の効果発現などにより、営業利益は前年同期の7億69百万円から7億53百万円(97.9%)増の15億22百万円となりました。
財政状態につきましては、当第1四半期連結会計期間末の総資産は、売上債権の回収が進んだことによる受取手形、売掛金及び契約資産の減少などにより、前連結会計年度末と比べて8億2百万円減の5,253億99百万円となりました。
負債は、仕入債務等の支払いによる支払手形及び買掛金の減少などにより、前連結会計年度末と比べて33億3百万円減の3,021億40百万円となりました。
純資産は、円安の進行による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末と比べて25億1百万円増の2,232億59百万円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の39.0%から39.5%となりました。
2.経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
3.事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。また、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)についても、変更はありません。
4.研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は1,500百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。