【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
1.財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染対策の行動制限の緩和により経済活動が正常化に向かう一方で、半導体をはじめとする部品の供給不足などによる自動車減産やウクライナ情勢の長期化による原燃料価格高騰の影響、急速な為替変動に加え、インフレ圧力が強まることへの懸念などもあり、今後の先行きについて不透明な状況にあります。
当社グループにおきましては、自動車やトラックシャシーの減産影響が大きく、また半導体製造装置向けの需要が調整局面に入った影響もありましたが、原燃料価格の高騰を受けた販売価格改定の実施やアルミニウム地金市況を反映した販売価格上昇により、売上高は前年同期を上回りました。しかしながら、採算面では、円安進行による為替差益計上などの影響があったものの、自動車関連やトラック架装事業関連、リチウムイオン電池関連の販売減少に加え、原燃料価格高騰によるコスト上昇の影響で、営業利益、経常利益、および親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期を大きく下回りました。
当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は前年同期の2,360億48百万円に比べ170億46百万円(7.2%)増の2,530億94百万円となりましたが、営業利益は前年同期の140億41百万円から103億84百万円(74.0%)減の36億57百万円、経常利益は前年同期の142億11百万円から90億4百万円(63.4%)減の52億7百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期の108億13百万円から70億9百万円(64.8%)減の38億4百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナ関連製品では耐火物向けや凝集剤向けの販売が堅調だったこと、化学品関連では無機塩化物を中心に前期比で販売が増加したことに加え、販売価格の改定もあり、売上高は前年同期を上回りましたが、原材料価格高騰の影響が大きく、採算面では前年同期に比べ減益となりました。
地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野において、国内での自動車減産や中国における都市封鎖などによる販売減少があったものの、アルミニウム地金価格を反映した販売価格上昇により、売上高は前年同期を上回りました。しかしながら、採算面では自動車減産による販売減少に加え、燃料価格高騰などによるコスト上昇の影響により、前年同期と比べ減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前年同期の601億8百万円に比べ190億5百万円(31.6%)増の791億13百万円となりましたが、営業利益は前年同期の74億82百万円から12億66百万円(16.9%)減の62億16百万円となりました。
(板、押出製品)
板製品部門におきましては、販売面でのリチウムイオン電池向けの販売減少や第1四半期まで好調であった半導体製造装置向け厚板の需要が調整局面に入った影響、および採算面での原燃料価格高騰によるコスト上昇に加え、前第3四半期連結会計期間において株式会社東陽理化学研究所の中国子会社の全持分の譲渡をすることにより連結対象外とした影響もあり、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
押出製品部門におきましては、売上高はアルミニウム地金市況を反映した販売価格上昇や原燃料価格高騰を受けた販売価格改定の影響もあり前年同期並みとなりましたが、採算面では自動車向けやトラック架装向けにおいて、国内外における半導体などの部品不足に起因するサプライチェーン混乱の継続による自動車やトラックシャシーの減産影響が大きく、営業利益は前年同期を下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の板、押出製品セグメントの売上高は前年同期の580億41百万円に比べ25億62百万円(4.4%)減の554億79百万円となり、営業利益は前年同期の46億97百万円から42億83百万円(91.2%)減の4億14百万円となりました。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、半導体などの部品不足や供給混乱などによるトラックシャシーの減産が続いていることから、売上高は前年同期を下回りました。採算面でも販売台数の大幅な減少に加え、アルミニウムや鋼材など材料価格上昇の影響も大きく、営業損益は前年同期を大きく下回り、損失となりました。
パネルシステム部門におきましては、冷凍・冷蔵分野では、冷凍食品やネット販売の利用増により物流拠点向けの受注は好調であったものの、一部大型物件での工期延期の影響もあり前年同期の販売を下回りました。クリーンルーム分野では、半導体製造装置メーカー向けや電子材料メーカー向けの産業用クリーンルームの需要が旺盛だったことから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。しかしながら、採算面では、原材料価格高騰の影響が大きかったことなどもあり、前年同期に比べ減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前年同期の746億3百万円に比べ58億22百万円(7.8%)減の687億81百万円となりました。営業損益は、前年同期の20億55百万円の利益から38億75百万円悪化の18億20百万円の損失となりました。
(箔、粉末製品)
箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔は自動車減産の影響で販売量が大きく減少しましたが、アルミニウム地金市況を反映した販売価格上昇や原燃料価格高騰を受けた販売価格改定の影響に加え、インドで医薬品包装材アルミ箔事業を行う関連会社を子会社化し前第2四半期連結会計期間末より連結対象にした影響もあり、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品では電子材アルミパウダーや窒化アルミニウムが半導体不足やサプライチェーン混乱の影響はあったものの、放熱用途での堅調な需要により、前年同期を上回る販売となりました。ペースト製品では自動車塗料向けの販売が国内では自動車減産の影響で低調だったものの、海外では自動車生産回復後を見据えた受注もあり前年同期を上回る販売となったことから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
日用品部門におきましては、コンシューマー向けではハウスケア用品やアルミホイルなどが前期の需要増加に対する反動減や原材料価格高騰による販売価格改定の影響で販売減となったものの、パッケージ用品向けでは冷凍食品向けの販売が堅調だったことや販売価格改定の実施により、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の箔、粉末製品セグメントの売上高は前年同期の432億96百万円に比べ64億25百万円(14.8%)増の497億21百万円となりましたが、採算面では、原燃料価格高騰によるコスト上昇の影響が大きく、営業利益は前年同期の14億56百万円から9億4百万円(62.1%)減の5億52百万円となりました。
財政状態につきましては、当第2四半期連結会計期間末の総資産は、運転資金の増加に手元資金の取り崩しで対応したことによる現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末と比べて57億66百万円減の5,268億35百万円となりました。
負債は、法人税等の申告納付による未払法人税等の減少などにより、前連結会計年度末と比べて66億29百万円減の3,050億65百万円となりました。
純資産は、円安の進行による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末と比べて8億63百万円増の2,217億70百万円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の38.1%から38.9%となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ148億25百万円(32.8%)減少の303億20百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは76億25百万円の支出となりました。これは税金等調整前四半期純利益や減価償却費などの非資金損益項目を、アルミニウム価格等の上昇を受けて棚卸資産が増加したことなどによる運転資金の増加や法人税等の支払などによる支出が上回ったことによるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の44億41百万円の収入に対し、当第2四半期連結累計期間は76億25百万円の支出となっておりますが、これは主に税金等調整前四半期純利益が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは56億11百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前年同期と比べ64億36百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは26億81百万円の支出となりました。これは、主として長期借入金の返済による支出や配当金の支払によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期の5億91百万円の収入に対し、当第2四半期連結累計期間は26億81百万円の支出となっておりますが、これは主に長期借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
3.経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
4.事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間及び本四半期報告書提出日(2022年11月7日)現在において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。また、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)についても、変更はありません。
5.研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は3,099百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。