【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の売上高は76,772百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は14,269百万円(前年同期比0.7%減)、経常利益は13,910百万円(前年同期比5.0%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は10,320百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
当社グループは、事業子会社を基礎としたセグメントから構成されており、「エレクトロニクス事業」「医療・医薬品事業」の2区分を報告セグメントとしています。なお、第1四半期連結会計期間より、「電子機器用部材事業」の名称を「エレクトロニクス事業」に変更しました。この変更はセグメント名称の変更のみであり、セグメントを構成する子会社に変更はありません。
①エレクトロニクス事業
当事業については、海外での売上高比率が9割を超えており、為替が円安に推移したことが増収増益に寄与しました。当第3四半期累計期間における期中平均為替レートは1米ドル135.4円であり、前年同期の期中平均為替レートである1米ドル111.4円と比較し24.0円の円安に推移しました。
リジッド基板用部材については、ディスプレイ関連部材、民生用関連部材において販売数量が前年同期を下回りました。当部材は中国での売上高比率が高く、中国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う顧客のロックダウンや従業員出勤率低下による稼働率の急減、PC・タブレットや民生機器等の最終需要の減少により低調に推移しました。
半導体パッケージ基板用部材については、液状製品において販売数量が前年同期を下回り、ドライフィルム製品においても僅かに下回りました。特に、ドライフィルム製品においては、第2四半期連結累計期間まで世界的なリモートワークの定着や第5世代移動通信システム(5G)の普及に伴うデータ量の飛躍的な増大を背景に販売数量が過去最高水準となりましたが、PC・タブレットやスマートフォン等の最終需要の減少を背景に顧客の在庫水準が増加し、当第3四半期連結会計期間からメモリ向け製品の需要が減少したことにより販売数量は低調に推移しました。
この結果、売上高は55,279百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は14,159百万円(前年同期比12.0%増)となりました。
②医療・医薬品事業
太陽ファルマ株式会社が行う医療用医薬品の製造販売事業については、売上高が前年同期を僅かに下回りました。前年同期と比べ新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う一部製品の需要の増加があったものの、薬価改定の影響や他社同効薬等の限定出荷解除に伴う需要の減少により低調に推移しました。
太陽ファルマテック株式会社が行う医療用医薬品の製造受託事業については、売上高が前年同期を上回りました。製造委託元の製造販売要請や当社の生産調整に伴うプロダクトミックスの変化の影響により好調に推移しました。
この結果、売上高は18,896百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は1,389百万円(前年同期比44.9%減)となりました。
事業区分による販売実績
当第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年 4月 1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
エレクトロニクス事業(百万円)
55,279
104.3
医療・医薬品事業(百万円)
18,896
104.3
報告セグメント計(百万円)
74,176
104.3
その他(百万円)
2,596
104.4
合計(百万円)
76,772
104.3
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて、3,958百万円減少し、94,807百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が362百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2,753百万円減少、商品及び製品が511百万円減少、現金及び預金が485百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて、4,821百万円増加し、95,328百万円となりました。これは主に、有形固定資産のその他に含まれている建設仮勘定が3,595百万円増加、建物及び構築物が1,785百万円増加したこと等によるものです。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて、7,008百万円減少し、42,394百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が926百万円増加した一方で、短期借入金が6,787百万円減少、未払法人税等が1,412百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1,987百万円増加し、56,390百万円となりました。これは主に、長期借入金が1,618百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて、5,883百万円増加し、91,350百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益10,320百万円の計上があった一方で、4,165百万円の剰余金の配当があったこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処する課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は3,273百万円です。
各セグメントの研究開発費につきましては、以下のとおりです。
エレクトロニクス事業に係る研究開発費は、3,041百万円です。
医療・医薬品事業に係る研究開発費は、133百万円です。
その他の研究開発費は、97百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。