【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要当第1四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナウイルス感染症による行動制限や水際対策が3年ぶりに緩和されたことにより、人流が回復し経済活動も正常化に向けた動きが見られました。しかし一方では、ウクライナ情勢に起因する原油価格や原材料価格の高止まり、円安進行による物価上昇などに伴い、消費者の生活防衛意識がさらに高まっております。食品業界におきましても、世界的な小麦・油脂などの原材料高騰や原油高に起因した包装資材や物流費など各種コストの大幅な上昇に加え、円安の影響も重なって経営環境は一段と厳しい状況となっており、価格改定を実施する企業が相次ぎました。今後も更なる物価上昇が懸念され、消費者の節約意識は一層高まっております。また、安全・安心への関心は依然として強く、高い品質・衛生管理体制の維持・向上が求められており、そのためのコストも増大しております。このような状況のなか、当社グループでも主要原料である輸入大豆の価格が高止まりしている上、円安の進行もあり経営環境が悪化しております。さらに、電力料や燃料、資材や物流費の高騰など製造コストの急激な上昇も加わって、収益面への影響が深刻な状況となっております。このため、2023年6月1日出荷分より凍豆腐の3回目の価格改定を実施するなど企業努力では吸収しきれないコスト増への対応を余儀なくされました。品質面では、HACCPを包括した食品安全の国際規格FSSC22000のバージョン5.1の追加要求事項をクリアするなど、一層の向上を図っております。また、合理化、省エネルギー、品質向上のため継続的かつ積極的に設備投資を行うとともに、SDGsに沿った取り組みを引き続き推進しております。具体的には、主力工場である当社天竜工場での太陽光発電設備の投資や賞味期限延長可能な商品開発などに取り組んでまいりました。当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、凍豆腐などの価格改定の効果もあり、売上高は19億2千6百万円(前年同四半期比3.8%増)となりました。利益面では、原材料やエネルギー価格の急激な高騰などによる製造コスト増加の影響を受けてはおりますが、価格改定の実施と併せて引き続き合理化や諸経費の削減などの施策を実施しており、営業利益は6百万円(前年同四半期は3千4百万円の損失)、経常利益は2千3百万円(同2千万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1千3百万円(同3千9百万円の損失)となりました。部門別概況は、次のとおりであります。
[凍豆腐]凍豆腐では、需要が微減傾向にある市場の拡大・活性化を図るべく業界団体と協調し、凍豆腐に多く含まれるレジスタントプロテインが、肥満や脂肪肝を予防する健康機能性を訴求するPR活動などを行ってまいりました。また、昨年発売の簡単便利にタンパク質を摂ることができる即食タイプの「TОPURО(トプロ)」や「カップ新あさひ豆腐」、原料大豆にこだわり美味しさ長持ちの「新あさひ豆腐うす切り」シリーズの拡販に努めてまいりました。しかし、企業努力では吸収しきれない各種コストの大幅な上昇を受け、収益面でも厳しい状況となっていることから、前期に続き2023年6月1日より3回目の価格改定を実施いたしました。その結果、売上高は8億8千5百万円(前年同四半期比9.5%増)となりました。
[加工食品(即席みそ汁等)]加工食品では、単品収益管理の徹底により収益力の改善を図るため商品の改廃を進めてまいりました。特に、カップ入りタイプのオートミールは健康志向の方に評価が高く新たに具材入り商品のアイテムアップなど品揃えを強化してまいりました。また、即席カップスープ関係は一部価格改定を実施いたしました。その結果、売上高は5億3千9百万円(同0.9%減)となりました。
[その他食料品]その他食料品の売上高は5億円(同0.4%減)と微減いたしました。
② 財政状態当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度に比べ1億7千万円増加し96億6百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。これは、季節的な変動要因が大きな売上高の減少などによる受取手形及び売掛金の減少9千7百万円があったものの、棚卸資産の増加9千万円や、SDGsへの取組みとして太陽光発電などの新規設備取得による有形固定資産の増加5千2百万円、株価上昇に伴う評価額増加による投資有価証券の増加3千8百万円などがあったことによるものです。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度に比べ1億3千4百万円増加し20億5千3百万円(同7.0%増)となりました。これは、返済に伴う長期借入金の減少4千5百万円や支払手形及び買掛金の減少8千4百万円があったものの、短期借入金の増加2億4千9百万円があったことによるものです。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3千5百万円増加し75億5千3百万円(同0.5%増)となりました。これは、配当金支払などによる利益剰余金の減少5百万円があったものの、その他投資有価証券評価差額金の増加3千1百万円があったことによるものです。
以上により自己資本比率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し78.0%となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3)研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2千1百万円であります。
(4)従業員数当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(5)生産、受注及び販売の状況当第1四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の状況に重要な変更はありません。