【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第7波による再拡大の影響を受けつつも、行動制限の緩和により停滞していた景気の回復や経済活動の正常化が期待される状況となりました。しかし、ウクライナ情勢に起因する原油価格や原材料価格の高騰、急速な円安の進行などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、新型コロナウイルス感染症については、変異株の感染拡大による第8波への懸念からなお予断を許さない状況が続いております。食品業界におきましては、世界的な小麦・油脂など原材料や原油の価格高騰による包装資材や物流費など各種コストの大幅な上昇に加え、円安の影響も重なって経営環境は一段と厳しい状況となり、価格改定を実施する企業が相次ぎました。今後も更なる物価上昇が懸念され、消費者の節約意識は一層高まっております。また、安全・安心への関心は依然として強く、高い品質・衛生管理体制の維持・向上が求められており、そのためのコストも増大しております。このような状況のなか、経営面では、当社グループでも主要原料である輸入大豆の価格が円安の急速な進行もあり高止まりしているうえ、電力料や燃料、物流費の高騰など製造コストの急激な上昇が収益を大幅に圧迫しており、前年に続き凍豆腐の価格改定を2022年10月1日より行わざるを得ない状況となりました。また、品質面では、HACCPを包括した食品安全の国際規格FSSC22000のバージョン5.1の追加要求事項をクリアするなど、一層の向上を図っております。さらに、合理化、省エネルギー、品質向上のため継続的かつ積極的に設備投資を行うとともに、SDGsに沿った取り組みを引き続き推進しております。具体的には、プラスチック削減、紙容器の森林認証素材使用の推進、健康経営優良法人の継続認定などを計画・実施してまいりました。これらの活動を基に、当社の経営姿勢とSDGsへの取り組みについて第三者機関及び金融機関にて評価を受ける融資手法のポジティブ・インパクト・ファイナンスを実行することができました。なお、新型コロナウイルス感染症への対応については、状況に応じた感染予防対策を講じており、市場への円滑な商品提供に万全を期しております。当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、営業活動の制限は新型コロナウイルス感染症予防措置緩和により段階的に解除されているものの、売上高は、61億5千7百万円(前年同四半期比0.4%減)となりました。利益面では、引き続き合理化や諸経費の削減などを図ってまいりましたが、原材料やエネルギー価格の急激な高騰などによる製造コスト急増の影響が大きく、営業利益は0百万円(同100.0%減)、経常利益は5千8百万円(同77.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3千万円(同84.2%減)となりました。
部門別概況は、次のとおりであります。
[凍豆腐]凍豆腐では、需要が微減傾向にある市場の拡大・活性化を図るべく他メーカーとコラボレーションしたインスタグラムキャンペーンを展開したほか、業界団体と協調し肉様の食感がある元祖大豆ミートとして訴求するPR活動などを行ってまいりました。また、新商品開発面では、需要喚起の一環として2022年10月に、従来のイメージを脱却した斬新な商品形態として、カップにお湯を注ぎ1分で食べられる即食タイプの「TОPURО(トプロ)」を発売しました。しかし、前述の企業努力では吸収しきれない各種コストの大幅な上昇を受け収益面でも厳しい状況となっており、やむを得ず再度2022年10月1日より5~15%の価格改定を実施いたしました。これらにより、売上高は、値上げによる販売数量減少の影響もあり前期を下回る27億9千万円(前年同四半期比2.9%減)に留まりました。なお、海外への展開を目指して、オランダ・フードバレーに加入しワーゲニンゲン大学と共同研究を実施してきており、ヨーロッパ人への凍豆腐の健康機能性試験の成果を論文発表いたしました。加えて、2022年12月6日には、オランダ・フードバレーにて、凍豆腐の健康機能性に関するシンポジウム「Kori Tofu scientific study」を開催し、今後の販売につなげるべく広く海外での広報活動を実施いたしました。
[加工食品(即席みそ汁等)]加工食品では、単品収益管理の徹底により不採算アイテムの改廃を進め収益力の改善を図る一方、好調に推移しているカップ入りタイプのオートミールのアイテムアップなど新商品の発売を強化してまいりました。また、即席カップみそ汁や同スープ関係は主力商品のリニューアルなどを行いましたが定番商品の採用競争は激しく、売上高は17億4千8百万円(同3.7%減)となりました。
[その他食料品]その他食料品では、売上高は16億1千9百万円(同8.4%増)となり、主力の医療用食材や大豆素材の商品が好調に推移いたしました。しかし、この分野でも製造コストが急速かつ大幅に上昇してきており、収益の圧迫を余儀なくされております。そのため医療用食材におきましても、製造コストの上昇を受け2022年10月1日より価格改定を実施しております。
②財政状態当第3四半期連結会計期間の資産合計は、前連結会計年度に比べ4億2百万円増加し99億8千2百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。これは、減価償却に伴う有形固定資産の減少1億3千5百万円や売却による投資有価証券の減少4千4百万円などがあったものの、最需要期での販売増による受取手形及び売掛金の増加4億3千5百万円、棚卸資産の増加1億9千5百万円があったことが主な要因です。当第3四半期連結会計期間の負債合計は、前連結会計年度に比べ3億2千3百万円増加し23億5千万円(同15.9%増)となりました。これは、賞与支給による賞与引当金の減少3千4百万円や未払法人税等の減少4千1百万円などがあったものの、支払手形及び買掛金の増加1億1千7百万円や未払金の増加7千8百万円、短期借入金の増加1億5千2百万円、長期借入金の増加2千3百万円が主な要因です。当第3四半期連結会計期間の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7千9百万円増加し76億3千1百万円(同1.1%増)となりました。これは利益剰余金の減少3千4百万円があったものの、その他有価証券評価差額金の増加2千2百万円や為替換算調整勘定の増加6千3百万円などがあったことによるものです。以上により自己資本比率は前連結会計年度に比べ2.5ポイント減少し75.8%となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は8千万円であります。
(4) 従業員数当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(5) 生産、受注及び販売の状況当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の状況に重要な変更はありません。