【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、5月に新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類に移行したことに伴い、社会・経済活動の正常化が一段と進み、景気は緩やかながら持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ問題に加え、新たな地政学リスクも顕在化し、エネルギー価格をはじめとする原材料価格の高騰に円安進行が相まって、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
学習塾業界におきましては、大学入試制度改革、英語教育の見直し、文科省のGIGAスクール構想によるICT化推進等、様々な教育制度改革が進められており、経営環境の変化にも迅速な対応が求められております。加えて、少子化による学齢人口の減少が続く中、異業種企業からの新規参入もあり、企業間競争は厳しさを増しております。
このような環境下で、当社グループにおきましては、「子どもたちの未来を育む独自の価値を提供し続け、教育企業No.1を目指す」という企業目標実現に向けて、2023年5月に新たに中期経営計画を定め、その達成に向けて取り組んでまいりました。
生徒指導におきましては、成績向上と志望校合格という進学塾としての「本来価値」と、早稲田アカデミー独自の「本質価値」である「ワセ価値」(※)を両輪とした指導体制を強化し、教育理念の徹底実践による質の高い教育の提供に努めてまいりました。
(※「ワセ価値」とは、受験勉強を通じて、本気で真剣に取り組む姿勢や困難を乗り越えてやり抜く力など、その後の豊かな人生を送る礎となる姿勢と能力を身につけることができるという、当社がご提供する独自の付加価値を称します。)
教務面では、難関校受験指導における教務体制の強化・カリキュラムのメンテナンス、実践力強化に向けたコースの拡充を図るとともに、志望校別対策講座においてもより一層のきめ細かい指導に注力してまいりました。
第2四半期の収益に大きく寄与する当社の「夏期集中特訓・夏期合宿」につきましては、14,000人を超える受講生にご参加いただきました。中でも、小4・中1を対象とした夏期合宿につきましては、4年ぶりの開催となったものの、想定を大きく超えるご参加をいただきました。また国内子会社各社で実施された夏期講習会・夏期合宿についても多くの受講生にご参加いただき、夏期の学習機会の確保と指導の充実に努めました。
経営上の重要課題である人材の採用と育成につきましては、内部リクルートの強化や採用手法の見直しにより人材獲得力を強化するとともに、全社レベルで研修体系化プロジェクトに取り組み、新卒講師向けや中堅管理職向けの研修プログラムの充実を図る等、人材育成の強化に向け具体的な施策を進めてまいりました。
DX推進では、生徒・保護者向けポータルサイト「早稲田アカデミーOnline」の機能拡充に継続的に取り組んでおり、申込・料金内容の確認画面やアンケートフォーム等の新機能を追加するとともに、模試データを一覧で確認できる成績管理システムもリリースしました。また、7月より国内子会社2社で、当社の基幹システム「WICS」を導入稼働させ、グループ管理体制の強化及び業務効率の改善に努めました。
校舎展開としては、株式会社集学舎において7月に茂原校を開校し、グループ全体の校舎数は185校となりました。また生徒の学習環境の改善を図るため、開校から長期間経過している校舎の移転リニューアルを積極的に推進しており、5月には渋谷校、個別進学館練馬校の移転リニューアルを実施いたしました。
当第2四半期連結累計期間における期中平均(4月~9月)塾生数につきましては、46,599人(前年同期比1.3%増)と堅調に推移いたしました。学部別では、小学部27,216人(前年同期比2.3%増)、中学部16,901人(前年同期比0.0%減)、高校部2,482人(前年同期比0.1%減)と、引き続き小学部が全体を牽引いたしました。
費用面では、業務効率向上に向けたICT活用を更に推進したことで、今春に給与水準の大幅な引き上げを実施したにもかかわらず、人件費全体では増加が抑制されるとともに、費用対効果を勘案し、広告宣伝費や販売促進費等の予算執行の一部について下期に変更したこと等に伴い、売上原価・販売管理費合計の売上高構成比率は前年同期を下回って推移いたしました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比7.8%増の15,981百万円、営業利益1,373百万円(前年同期比25.3%増)、経常利益1,406百万円(前年同期比26.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,003百万円(前年同期比45.3%増)となりました。
②財政状態の分析
流動資産は、前連結会計年度末比202百万円増加の9,106百万円となりました。これは、現金及び預金1,264百万円、前払費用176百万円の増加、営業未収入金1,284百万円の減少が主な要因であります。
固定資産は、前連結会計年度末比46百万円増加の12,256百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末比175百万円増加の5,773百万円、無形固定資産は、前連結会計年度末比11百万円減少の1,793百万円、投資その他の資産は、前連結会計年度末比117百万円減少の4,689百万円となりました。
この結果、当第2四半期連結会計期間末の資産総額は、前連結会計年度末比248百万円増加し、21,363百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末比648百万円減少の4,639百万円となりました。これは、前受金311百万円、未払法人税等149百万円、未払金100百万円、未払消費税等88百万円の減少が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末比134百万円増加の3,428百万円となりました。これは、資産除去債務69百万円、リース債務42百万円の増加が主な要因であります。
この結果、当第2四半期連結会計期間末の負債総額は、前連結会計年度末比513百万円減少し、8,068百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の純資産額は、前連結会計年度末比762百万円増加の13,294百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益1,003百万円と、配当金の支払304百万円が主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の59.4%から62.2%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより7,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ、1,245百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益1,406百万円、減価償却費471百万円、売上債権の減少額1,284百万円等が収入要因となり、他方、役員株式給付引当金の減少額84百万円、前受金の減少額310百万円、法人税等の支払額491百万円等が支出要因となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,081百万円の収入となり、前年同期に比べ347百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出353百万円、差入保証金の差入による支出28百万円等が支出要因となりました。
この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、358百万円の支出となり、前年同期に比べ120百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出123百万円、配当金の支払額304百万円等が支出要因となりました。
この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、451百万円の支出となり、前年同期に比べ49百万円支出が増加いたしました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、以下のとおり主要な設備の新設が完了いたしました。
会社名
事業所名(所在地)
設備の内容
開校(完了)年月
株式会社集学舎
茂原校
(千葉県茂原市)
教室(保証金及び建物並びに附属設備)
2023年7月
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
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