【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、行動制限の緩和や各種政策等により経済・社会活動が徐々に正常化に向かい、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、円安や世界的な資源価格の高騰を背景に物価上昇が急速に進行し、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
学習塾業界におきましては、小学校での英語教科化やプログラミング教育の導入、大学入学共通テストへの移行、新学習指導要領の実施等、進行する教育制度改革への対応に加え、コロナ禍を契機に高まったオンライン教育へのニーズや、教育のデジタル化といった経営環境の変化にも、柔軟で迅速な対応が求められております。更に、少子化が進行する中で、M&Aや業務提携などによる業界再編の動きが活発化しており、企業間競争は一層厳しさを増しております。
このような環境下で、当社グループにおきましては、ウィズコロナを前提とした安全・安心な学習環境のご提供と、成績向上と志望校合格につながる質の高い学習指導に注力しつつ、また同時に、社会変容や顧客ニーズの変化に呼応した新たなサービスの開発に向け、DXの推進にも取り組んでまいりました。
当社におきましては、顧客の皆様のご要望に応えて、“対面授業”と“双方向Web授業”とを選択受講できるデュアル形式の授業「早稲アカDUAL」を継続するとともに、昨年度より開設した「オンライン校」では、Zoomを活用した“双方向Web授業”により、首都圏外や海外にお住まいの小6・中3生の皆様に、NN志望校別コース・必勝志望校別コースの対面授業をオンラインで受講いただける体制を整えてまいりました。
また、成績向上と志望校合格という進学塾としての「本来価値」と、早稲田アカデミー独自の「本質価値」である「ワセ価値」(※)を両輪とした指導体制を強化し、教育理念の徹底実践による質の高い教育の提供に努めてまいりました。
(※「ワセ価値」とは、受験勉強を通じて、本気で真剣に取り組む姿勢や困難を乗り越えてやり抜く力など、その後の豊かな人生を送る礎となる姿勢と能力を身につけることができるという、当社がご提供する独自の付加価値を称します。)
教務面では、難関校受験指導における教務体制の強化や指導カリキュラムのメンテナンス、実践力強化に向けたコースの拡充を図るとともに、2020年以降コロナ禍で中止していた「学校見学会」「進学講演会」「海外受験講演会」を3年ぶりに再開し、保護者の皆様へのタイムリーで有用な進学情報の提供に努めてまいりました。
更に、顧客サービス向上と相互の業容拡大に向けてブランド間のシナジー効果を高めるべく、集団指導校舎と個別指導校舎の連携、大学受験校舎と小中集団指導校舎の連携、グループ会社間の連携強化を図ってまいりました。
中期経営計画の重点施策である人材育成の強化につきましては、全社レベルでの取り組みとして組織横断で進めている研修体系化プロジェクトの推進を加速し、研修体制の再構築、各種マニュアルの作成や動画等の研修ツールの拡充、対面とオンラインを組み合わせた効果的な教育体制の構築等に注力してまいりました。
DX関連では、一元化された次世代型教育サービスのプラットフォームと位置付けている生徒・保護者向けポータルサイト「早稲田アカデミーOnline」の機能拡充に取り組んでまいりました。2022年7月に「授業の遅刻・早退・欠席連絡」や「双方向Web授業への参加」が可能になる機能を新たに搭載し、同年12月には、それまで「早稲アカ マイページ」でご提供していた模擬試験結果の概要を「早稲田アカデミーOnline」で確認いただけるようにいたしました。これらにより「情報の共有 ⇒ 授業への参加 ⇒ 努力の成果の確認」という一連の学習の流れを「早稲田アカデミーOnline」で行っていただけるようになり、保護者の皆様からも利便性が大きく向上したとの評価をいただいております。
校舎展開といたしましては、2022年7月に「早稲田アカデミー個別進学館流山おおたかの森校」を開校し、同年3月開校の集団指導校舎「流山おおたかの森校」とともに順調に集客が進んでおります。また、12月には、2023年2月開校の集団指導校舎「田町校」「帰国生専門 LOGOS AKADEMEIA(ロゴス アカデメイア)」の受付を開始いたしました。「帰国生専門 LOGOS AKADEMEIA」は、帰国生がお持ちの言語能力を更に鍛えて伸ばし、その上に思考力や考える力を育成することをコンセプトとして開設した新ブランドとなります。開校説明会には毎回予定以上の保護者様に参加いただいており、新たな領域での事業として今後の展開に手応えを感じております。
当第3四半期連結累計期間における期中平均(4月~12月平均)塾生数につきましては、47,083人(前年同期比9.0%増)と順調に伸長いたしました。学部別では、小学部27,410人(前年同期比12.9%増)、中学部17,190人(前年同期比4.4%増)、高校部2,483人(前年同期比0.4%増)となり、引き続き小学部が全体を牽引するとともに、小1~小4、中1・2、高1など次年度以降の業績の基盤となる非受験学年が大きく伸長する傾向が続いております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の収益につきましては、好調な塾生数動向を反映し、売上高は22,379百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益1,643百万円(前年同期比31.9%増)、経常利益1,668百万円(前年同期比32.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,035百万円(前年同期比33.8%増)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末比1,684百万円増加の9,589百万円となりました。これは、現金及び預金253百万円、営業未収入金1,083百万円の増加が主な要因であります。
固定資産は、前連結会計年度末比146百万円増加の11,906百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末比50百万円増加の5,633百万円、無形固定資産は、前連結会計年度末比104百万円減少の1,660百万円、投資その他の資産は、前連結会計年度末比199百万円増加の4,611百万円となりました。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の資産総額は、前連結会計年度末比1,831百万円増加し、21,495百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末比1,206百万円増加の6,120百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金400百万円、前受金1,021百万円の増加が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末比2百万円減少の3,315百万円となりました。これは、リース債務53百万円の減少と、退職給付に係る負債30百万円、資産除去債務24百万円の増加が主な要因であります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債総額は、前連結会計年度末比1,204百万円増加し、9,436百万円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産額は、前連結会計年度末比627百万円増加の12,059百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益1,035百万円と、配当金の支払437百万円が主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.1%から56.1%となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)主要な設備
当第3四半期連結累計期間における、重要な設備の新設の完了及び重要な設備の計画の変更は以下のとおりであります。
①重要な設備の新設の完了
会社名
事業所名(所在地)
設備の内容
開校(完了)年月
株式会社早稲田アカデミー
早稲田アカデミー個別進学館
流山おおたかの森校
(千葉県流山市)
教室(保証金及び建物並びに附属設備)
2022年7月
田町校
(東京都港区)
教室(保証金及び建物並びに附属設備)
2023年2月(注)
早稲田アカデミー個別進学館
東久留米校
(東京都東久留米市)
教室(保証金及び建物並びに附属設備)
2023年2月(注)
(注)「田町校」、「早稲田アカデミー個別進学館東久留米校」の開校(完了)年月は営業開始年月を記載しており、新設工事につきましては、2022年12月に完了しております。
②重要な設備の計画の変更
・当社において、2023年春の新規開校校舎を2校から3校・1教室へ変更することといたしました。
・連結子会社である株式会社集学舎において、2023年春の新規開校校舎を2024年3月期の開校へ変更することといたしました。
・連結子会社である株式会社野田学園において、2023年春に事業所統合(現役校を本校へ統合)を行うことといたしました。
・連結子会社である株式会社水戸アカデミーにおいて、2023年2月の新規開校校舎として、「早稲田アカデミー個別進学館水戸校」を新設することといたしました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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