【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の回復が見られたものの、連日の猛暑や度重なる台風の影響に加え、加速する円安や原材料コストの上昇、エネルギー価格の高騰に伴う国内物価の上昇が消費マインド・企業活動に影響を及ぼしはじめており、依然として不透明な状況となっております。このような状況の中、当社グループは、2022年5月13日に公表した中期経営計画で掲げた2024年3月期の営業利益黒字化達成に向け、「付加価値の向上による単価アップ」、「人員充足」、「コスト削減」を重点施策として推進してまいりました。売上高は、堅調な外食需要、国内旅行需要及び、インバウンドによる海外旅行客の訪日需要などによる集客増に加え、各事業において「付加価値の向上による単価アップ」施策に基づく戦略的な価格政策が奏功したことにより、計画を大幅に上回り順調に推移いたしました。利益面においては、増収効果に加え、高騰するエネルギー価格への対策として電力供給業者の見直しやLED化、省エネ機器の導入による光熱費削減を進め、「コスト削減」施策の一部を達成しました。一方、「人員充足」施策において、レストランとホテル業界全体での人員不足により、採用コストが予想を上回り、アルバイトや派遣社員などの人件費も増加しました。これらの要因が利益を圧迫し、前年同期に比べ大幅に損失を圧縮したものの、計画と同等の水準で着地いたしました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高6,454百万円(前年同期比10.8%増)、営業損失133百万円(前年同期は営業損失491百万円)、経常損失175百万円(前年同期は経常損失463百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失205百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失482百万円)と前年同期を大幅に上回る結果となりました。なお、「中期経営計画」に対する進捗は、売上高が計画比3.4%増となりその結果、営業損失、経常損失、四半期純損失はそれぞれ、計画比3.8%損失減、2.9%損失減、2.0%損失増とほぼ計画どおりに推移しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(レストラン事業)当第2四半期連結累計期間のレストラン事業の売上高は4,102百万円(前年同期比11.1%増)、営業利益は267百万円(前年同期比111.8%増)となりました。足元の堅調な外食需要を踏まえた高付加価値・高単価の季節限定メニューや、産地特化のフェアメニューの販売を強化したことにより、お客様の来店意欲の喚起と価値向上による単価アップにつながり、ランチ、ディナー売上ともに計画並びに前年同期を大きく上回る結果となりました。特に中期経営計画にて「付加価値の最大化に向けた戦略投資」として改装を実施した「リストランテASO」、「カフェ・ミケランジェロ」(代官山)においては、3ヶ月の改装期間を経て9月16日に再オープンし、両店ともに連日満席となる盛況となっております。また、内外装のみならず、休業期間中にブランドの再定義やイタリア研修などを行い、新たなメニュー開発とともにお客様の体験価値を更に強化した結果、両店の顧客満足度の向上に加え、単価アップにも寄与いたしました。カフェ営業においても、改装後好調な「カフェ・ミケランジェロ」(代官山)に加え、新国立美術館(六本木)にある3つのカフェ「サロン・ド・テ ロンド」、「カフェ コキーユ」、「カフェテリア カレ」が好調に推移し、売上は計画並びに前年同期を大幅に上回る結果となりました。パーティ営業につきましては、渡航制限の解除により3年ぶりに再開した海外提携ブランドのシェフ来日イベントをはじめ、当社主催のパーティを積極的に開催したことに加え、少人数化していた法人パーティの開催人数が増えパーティ単価がアップしたことから、売上は計画並びに前年同期を大幅に上回る結果となりました。繁忙期となる秋から年末年始シーズンに向けては、更に法人向けの営業を強化しております。婚礼営業につきましては、旗艦店である「リストランテASO」(代官山)の改装に伴う約3ヶ月間の休業による影響があったものの、多様化する顧客ニーズに対応するひらまつウエディングならではの新たな施策や、地域特性を生かしたオリジナリティの高い新商品の導入、参列する親族やゲストのニーズを捉えた周辺サービスの提供などによる単価アップ施策が奏功し、売上は計画並びに前年同期を上回る結果となりました。獲得営業においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行後において競合との競争環境が激しくなってきておりますが、リニューアルした「リストランテASO」の獲得が好調に推移しており、来年6月までの土日祝日はほぼ完売、平日の婚礼獲得も増加しております。
(ホテル事業)当第2四半期連結累計期間のホテル事業の売上高は2,258百万円(前年同期比10.4%増)、営業利益は80百万円(前年同期比1,045.0%)となりました。なお、GOP(販売費及び一般管理費より地代家賃・減価償却費を控除した営業粗利益)につきましては、601百万円(前年同期比15.5%増)となっております。新型コロナウイルス感染症の5類移行後の堅調な国内旅行需要及びインバウンドの訪日需要の中、8月に発生した複数の台風の影響により一部想定外となる予約キャンセルなどが見られましたが、リピーター顧客の利用等も含め、堅調な稼働を維持することができました。また、ADRについても店舗毎に地域性や特徴を活かした料理やサービス、アクティビティの開発による提供価値の向上を推進した結果、前年同期を上回り堅調に推移いたしました。特にインバウンド獲得強化策といたしましては、6月にシンガポールで開催されたILTMAP(International LuxuryTravelMarketAsia-Pacific:世界の富裕層旅行者を取り扱う商談会)への参加に加え、海外OTA(Online Travel Agency)の拡充と販促強化を推進してまいりました。これらの結果、インバウンドによる売上は前年同期比455.8%増となりました。京都を中心にインバウンドをターゲットとするホテルにおいて、月次利用組数の半数がインバウンドを占めるなど、順調に稼働を伸ばしはじめております。
(その他)当第2四半期連結累計期間におけるその他の売上高は163百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益は26百万円(前年同期比7.0%増)となりました。なお、連結子会社との内部取引にかかる調整額を除いた実績は、売上高93百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益27百万円(前年同期比2.8%増)と増収増益となっております。オンライン販売においては、プレミアムシャンパーニュセットやフランスのボルドー・ブルゴーニュ二大銘醸地のワインセットなど、高価格帯の商品を中心に販売が堅調に推移しました。また、新たなライセンスビジネスの展開といたしまして、タイを代表する高級ホテルチェーン「センタラホテルズ&リゾーツ」の日本初進出となる「センタラグランドホテル大阪」に、「カフェ・ミケランジェロ」をライセンスブランドとするカフェ1号店を開業します。12月の開業に向けて、運営主体となる株式会社HESTA大倉と共に開業準備を進めており、当社は「カフェ・ミケランジェロ」のロゴの共有や内装へのアドバイスをはじめ、料理レシピやサービス運営マニュアル、これまで培ってきたブランドコンセプトを提供してまいります。当社にとっては、自社で出店するこれまでの事業モデルに加えて、積み上げてきた知見とブランドを活かした新たな事業モデルの可能性を追求することで、収益多様化への取り組みも推進してまいります。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ239百万円増加し、22,001百万円となりました。これは主に、現金及び預金が40百万円増加、有形固定資産が147百万円増加したことによるものであります。負債合計は前連結会計年度末に比べ465百万円増加し、17,705百万円となりました。これは主に、流動負債が481百万円増加したことによるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ226百万円減少し、4,295百万円となりました。これは主に、利益剰余金が205百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ40百万円増加し、5,300百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は384百万円(前年同期は357百万円の支出)となりました。これは主に、非現金支出費用である減価償却費が387百万円(同400百万円)となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は324百万円(前年同期は48百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が285百万円(同97百万円)となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、支出した資金は19百万円(前年同期は21百万円の支出)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が19百万円(同20百万円)となったことによるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。
(6) 主要な設備該当事項はありません。