【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況 当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)におけるわが国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進み個人消費は緩やかに持ち直したものの、2022年7月以降急拡大した新型コロナウイルス感染症「第7波」や、シルバーウィークに上陸した2度に亘る台風の影響に加え、加速する円安や原材料コストの上昇、エネルギー価格の高騰を背景とした物価上昇が個人消費へ与える影響等、経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。このような環境の中、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症「第7波」の影響により一部予約キャンセルなどがありましたが、3月のまん延防止等重点措置の解除以降、アフターコロナ/ウィズコロナに向け外食需要及び国内旅行需要は本格的な回復が見られ、これらのマーケット状況を踏まえた各種施策を実行した結果、全ての事業の売上が前年同期に比べ大幅に伸長いたしました。利益面においては、2022年5月13日に公表いたしました「新中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)に基づいた政策投資を進めつつも、アフターコロナ/ウィズコロナにおいて顕著となったレストラン及びホテル業界全体の人員不足の影響が当社グループにも及んでおり、採用コスト及び人件費が想定以上に増加しました。また、円安やエネルギー価格の高騰により、水道光熱費など一部の販売費及び一般管理費も想定以上となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高5,826百万円(前年同期比45.5%増)、営業損失491百万円(前年同期は営業損失1,341百万円)、経常損失463百万円(前年同期は経常損失1,408百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失482百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,735百万円)と大幅な増収損失減となりました。なお、「新中期経営計画」に対する進捗は、売上高が計画比7.4%増となりその結果、営業損失、経常損失、四半期純損失はそれぞれ、計画比4.7%減、18.0%減、17.4%減と計画を上回っており好調に推移しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(レストラン事業)当第2四半期連結累計期間のレストラン事業の売上高は3,692百万円(前年同期比60.0%増)、営業利益は126百万円(前年同期は営業損失578百万円)となりました。新型コロナウイルス感染症「第7波」の影響による予約キャンセルやスタッフの感染に伴う一部店舗の臨時休業などがありましたが、底堅い外食需要に対応するためコロナ禍での感染予防対策を徹底しつつ、特に週末のピーク時の集客数を最大化できるよう各店で席数及びテーブル配置の見直しを行いました。また、原材料の高騰等に対応するため、店舗毎に順次価格設定を見直し、コースの価格改定を進めたことに加え、お客様の来店意欲の喚起と価値向上によるさらなる単価アップを図るため、旬の食材を使用した季節限定メニューの販売促進や、ワイン、ノンアルコールなどドリンクの販売強化を行いました。これらの結果、ランチ売上、ディナー売上ともにコロナ影響前となる3期前を上回る結果となりました。カフェ営業においても、代官山のカフェ・ミケランジェロ及び新国立美術館カフェの集客が好調に推移し、売上はコロナ影響前となる3期前に若干届かないものの前年同期を大幅に上回る結果となりました。パーティ営業に関しては、コロナ影響前となる3期前に比べ需要が完全に回復していないものの、当社主催のパーティを積極的に開催したことに加え、大人数のパーティが増加したことにより売上は前年同期を大幅に上回る結果となりました。婚礼営業においては、コロナ禍における実施件数の減少及び列席者の減少に伴う組単価の減少などにより、コロナ影響前となる3期前の水準には戻っていないものの、お客様に寄り添った婚礼を強化する上でヒアリング・提案力の改善活動や商品知識を強化したことにより顧客満足度の向上と単価アップを実現すると共に、列席者の人数増加を促す施策により、組単価を一定水準以上に維持することができたことから、売上は前年同期を大幅に上回る結果となりました。
(ホテル事業)当第2四半期連結累計期間のホテル事業の売上高は2,046百万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は6百万円(前年同期は営業損失128百万円)となりました。なお、GOP(販売費及び一般管理費より地代家賃・減価償却費を控除した営業粗利益)につきましては、520百万円(前年同期比40.9%増)となっております。新型コロナウイルス感染症「第7波」の影響に加え、台風の影響による予約キャンセルなどの影響が見られましたが、堅調な国内旅行需要を背景に各拠点の特徴を活かした提案を強化したことにより、売上は前年同期を大幅に上回る結果となりました。昨年3月に開業した軽井沢御代田では、「焚火ラウンジ」のサービス、ヴィラでの「バーベキュープラン」に加え、「フォレストダイニングプラン」や、愛犬とご宿泊いただく「ドッグヴィラプラン」などが好評を得たほか、京都では高台寺レストラン及び料亭との連携プランを展開しております。また賢島、熱海、仙石原、宜野座においては、シャンパンやワインを合わせたプランやプレミアムディナーが好評を得ており、それぞれ堅調に推移しております。また、シンガポールで開催されたILTM AP(International Luxury Travel Market Asia-Pacific:世界の富裕層旅行者を取り扱う商談会)への参加などインバウンドの強化を推進しており、足元では京都を中心に外国人富裕層の予約も動き始めております。
(その他)当第2四半期連結累計期間のその他の売上高は142百万円(前年同期比12.1%減)、営業利益は25百万円(前年同期比2.5%減)となりました。なお、連結子会社との内部取引にかかる調整額を除いた実績は、売上高87百万円(前年同期比44.3%増)、営業利益26百万円(前年同期比54.8%増)と増収増益となっております。 コロナ禍において好調であったオンラインによるワイン販売においては、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が解除された際に販売が一時伸び悩みましたが、創業40周年記念の特別ワインセットが想定を上回る数量の販売となるなど堅調に推移しました。また、ワイングラス老舗名門ブランドとのコラボレーションによるワイン販売会では、ソムリエが直接お客様にワインのご説明を行い、実際に試飲していただくことで好評を得ており、開催期間中の売上増加に加え、高額なワインの販売にもつながりました。今後も外販事業の新たな事業領域の開発に取り組んでまいります。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ701百万円減少し、22,102百万円となりました。これは主に、現金及び預金が427百万円減少、有形固定資産が320百万円減少したことによるものであります。負債合計は前連結会計年度末に比べ235百万円減少し、17,181百万円となりました。これは主に、流動負債が216百万円減少したことによるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ466百万円減少し、4,920百万円となりました。これは主に、利益剰余金が482百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ427百万円減少し、5,154百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、支出した資金は357百万円(前年同期は461百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失456百万円(同1,703百万円)となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、支出した資金は48百万円(前年同期は20百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が97百万円(同207百万円)となった一方、敷金及び保証金の回収による収入が42百万円(同0百万円)となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、支出した資金は21百万円(前年同期は2,323百万円の収入)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が20百万円(同20百万円)となったことによるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。
(6) 主要な設備該当事項はありません。