【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況当社グループを取り巻く市場環境は、国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替などの変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。 このような環境の下で当社グループは、持続的な成長を目指すために「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいります。 水環境事業においては、上下水道設備などの水インフラの増設・更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事などの営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する創エネルギー事業の営業活動を推進するとともに、水インフラを安定的に維持・運営していくために設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*1)、DBO事業(*2)や、包括O&M業務(*3)、FIT(*4)を活用した発電などの官民連携事業の受注拡大に取り組んでまいりました。 一方、産業事業においては、化学分野向けプラント・単体機器や持続可能な社会の実現に貢献する二次電池製造関連設備などの産業インフラ関連設備および廃液・固形物廃棄物処理などの環境関連設備の営業活動を推進してまいりました。その結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
受注高は519億4百万円(前年同期比151億95百万円の増加)、売上高は175億25百万円(前年同期比10億93百万円の増収)となりました。また、損益面につきましては、営業損失は3億87百万円(前年同期比2億81百万円の悪化)、経常利益は1億3百万円(前年同期比1億92百万円の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は89百万円(前年同期比13百万円の減益)となりました。
*1:PFI(Private Finance Initiative)施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み*2:DBO(Design Build Operate)事業事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式*3:包括O&M業務 設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品などの供給も含めた包括的な維持管理業務*4:FIT(Feed-in Tariff)再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野や二次電池製造などに関連する産業インフラ設備および廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
事業区分
主要な事業内容
水環境事業
1)浄水場・下水処理場などプラントの設計・建設
2)上記プラントに使用される脱水機、乾燥機、焼却炉など各種単体機器の設計・製造・販売
3)浄水場・下水処理場におけるPFI、DBO、下水処理場における消化ガス発電事業などの 官民連携事業
4)浄水場・下水処理場設備の運転・維持管理・補修およびこれらに付随する業務
産業事業
1)化学分野および二次電池製造関連設備、廃液・固形廃棄物処理などのプラントの設計・建設・補修工事
2)上記プラントに使用される晶析装置、ろ過機、遠心分離機、乾燥機、ガスホルダ、酸回収装置、攪拌機などの各種単体機器の設計・製造・販売
3)一般・産業廃棄物処理事業
その他
1)物流施設・事務所ビル・駐車場などの不動産管理・賃貸
2)大型図面・各種書類などの印刷・製本
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業にセグメント区分の変更を行っており、前年同期の数値は、セグメント変更後の数値で比較しております。
(水環境事業) 国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しております。また、複数年および包括O&M業務や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業などの発注は増加する傾向にあります。一方で、原材料価格の高騰や為替などの変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。 このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道向け汚泥処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥脱水、乾燥、焼却設備、浄水場向け排水処理設備などの汚泥処理設備の営業活動を推進してまいりました。O&M業務においては補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する技術開発および営業活動を推進してまいりました。その結果、下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備などの受注を果たしました。また、メンテナンスなどのアフターサービス事業をより一層強化するために、包括O&M業務や補修工事の営業活動を展開し、受注高を確保してまいりました。その結果、当第1四半期連結累計期間における水環境事業の受注高は420億3百万円(前年同期比152億76百万円の増加)となり、売上高は96億47百万円(前年同期比4億13百万円の減収)となりました。営業損失は3億8百万円(前年同期比99百万円の悪化)となりました。
(産業事業) 国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替などの変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。 このような状況の下で当社グループは、化学分野などの産業インフラの設備更新需要や脱炭素社会に貢献する二次電池製造関連設備の設備投資需要を取り込むために、国内外における各種プラント設備および晶析装置、乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ、攪拌機などの単体機器の営業活動を展開してまいりました。環境分野においては、国内外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備や補修工事の営業活動を展開してまいりました。また、微粒子製造技術の競争力強化やアフターセールスの強化に取り組んでまいりました。その結果、当第1四半期連結累計期間における産業事業の受注高は95億67百万円(前年同期比3億75百万円の減少)となり、売上高は75億44百万円(前年同期比12億12百万円の増収)となりました。営業利益は14百万円(前年同期比2億11百万円の減益)となりました。
(その他) 主に不動産管理・賃借に関する事業に取り組んでおり、その大半が市川工場跡地において三井不動産株式会社と共同で開発した物流施設の事業になります。当該物流施設は2022年度から操業を開始しており、前期はフリーレントの影響がありましたが、当連結会計年度より通期で収益に貢献します。当第1四半期連結累計期間における受注高は3億33百万円(前年同期比2億94百万円の増加)となり、売上高は3億33百万円(前年同期比2億94百万円の増収)となりました。営業損失は94百万円(前年同期比29百万円の改善)となりました。
② 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1,434億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億9百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の増加86億8百万円や投資有価証券の増加29億15百万円などがあったものの、受取手形、売掛金及び契約資産の減少170億12百万円などがあったことによるものです。負債合計は596億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億25百万円減少しました。これは主に、契約負債の増加20億42百万円などがあったものの、支払手形及び買掛金の減少55億16百万円などがあったことによるものです。純資産合計は838億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億16百万円増加しました。これは主に、配当金の支払いなどによる利益剰余金の減少10億49百万円などがあったものの、株式時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加22億21百万円などがあったことによるものです。
(2) 事業上および財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題について重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3億10百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 従業員数
① 連結会社の状況当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
② 提出会社の状況当第1四半期累計期間において、当社の従業員数は前事業年度末から485名減少し、108名となっております。これは2023年4月1日付で持株会社体制へ移行し、上下水道分野の水環境事業を月島アクアソリューション株式会社に、民需向け機器・プラント分野の産業事業を月島機械株式会社にそれぞれ承継したことにより減少したものです。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について今後の景況感につきましては、米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響による世界的な景気後退や、原材料価格の高騰、為替などの変動が経済活動に与える影響について留意する必要があります。 国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化などにより事業環境が厳しくなることが予想されることから、10月に当社グループの水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合し、さらなる事業基盤の安定化に取り組んでまいります。 民間の設備投資については回復基調であり、今後はリチウムイオン二次電池などの脱炭素社会に貢献する分野の成長が期待されます。一方で、地政学的リスク、原材料価格や為替などの変動などの世界経済の見通しに対する不透明感から設備投資の抑制、延期が懸念されます。 このような状況のもとで当社グループは、グループ戦略および経営基盤の強化を図り、事業子会社の業務執行に関する権限移譲により意思決定の迅速化を進めるために、2023年4月より持株会社体制に移行いたしました。当社グループの持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいります。 2024年3月期の連結業績見通しは、売上高1,300億円、営業利益70億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円を見込んでおります。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があります。
