【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、創業以来の原点である「現場主義」「顧客第一主義」を徹底し、製造業としての基本3本柱である「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を実践しております。2022年7月に創業60周年を迎えた当社グループは、本年を「飛躍」の年と位置付け、グループ内のあらゆるインフラを活用しながら、さらなる成長を目指しております。
(売上高の状況)
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)の売上高は、前年同期に比べ51億94百万円の増収となる1,025億62百万円(前年同期比105.3%)となり、過去最高を更新いたしました。当社グループにおいて生産する製品の売上高は804億42百万円(前年同期比106.7%)、当社グループが仕入販売する商品の売上高は221億19百万円(前年同期比100.5%)となりました。
当第2四半期連結累計期間の製品売上数量は、前年同期比98.1%(前々年同期比104.4%)となりました。主な要因は、前年同期における内食需要増加の反動等により、生鮮向けを中心に出荷量の減少が見られたこと、また原料価格の急騰を受けた第二次製品価格改定(2022年4月28日公表)の交渉を行う中で、シェア拡大に向けた活動を一時中断していたことによるものです。
(利益の状況)
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期に比べ24億75百万円の減益となる60億72百万円(前年同期比71.0%)、経常利益は前年同期に比べ24億97百万円の減益(※1)となる64億9百万円(前年同期比72.0%)、償却前経常利益は134億37百万円(前年同期比86.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は41億31百万円(前年同期比71.2%)となりました。利益増加要因として、二度にわたる価格改定や各部門における改善効果があった一方、減少要因として原料・電力価格の上昇、人件費及び労務費の増加がありました。
なお、期初計画に対しては、価格改定の効果が想定より早期に実現し、また、惣菜向けなど付加価値の高い製品の販売が堅調であることから、経常利益は期初計画と比べ10億9百万円上回り、計画比118.7%となりました。
(※1)経常利益 利益増減要因
(営業活動の状況)
営業活動においては、お客様の生産性向上に貢献する製品、環境経営につながるエコ戦略、お客様の商品が売れる「売り場づくり提案」等により、お客様の収益拡大に貢献することを目指しております。具体的には、マーケティングを通じた既存のお客様の需要の深堀りに加え、冷凍食品・病院介護食などの新市場の発掘、テイクアウト・デリバリー市場に当社グループ製品を浸透させるため、包装資材のECサイト「パックマーケット」における品揃えの更なる充実、WEBマーケティングや、Instagram・YouTube・LINEなどSNSによる情報発信を通じた認知度向上への取り組みを進めております。
当第2四半期連結累計期間は、原料・電力をはじめあらゆるモノの価格が上昇している状況下、第二次製品価格改定の交渉に注力しました。価格改定にあたっては、従来の非発泡素材製品と比較して原料使用量を削減した発泡素材製品や新たな成形技術で薄肉化した透明蓋など、お客様の仕入れ価格上昇を抑制するご提案も行いました。
また、2022年9月より全国7ヶ所でミニ展示会を順次開催中であり、2022年3月に開催したエフピコフェアの内容に加え、急速に拡大する冷凍食品市場に対するご提案などを行っております。具体的には、お客様のニーズに合わせ、耐熱・耐寒性及び断熱性を併せ持つマルチFP容器、冷凍下の衝撃に対して破損しにくいエコOPET容器、従来品と比較しプラスチック使用量を削減できる耐寒PPi-タルク容器や、容器とセットで使用できる軟包材等(※2)をご提案しております。
製品の供給については、コロナ禍における需要動向が不透明な中、サプライチェーンマネジメントシステムによりほぼ欠品なく安定供給できております。引き続き更なる精度向上に努め、安全安心な食生活を支えてまいります。
(※2)容器とセットで使用できる軟包材(三方袋)
(生産部門の状況)
生産部門においては、設備稼働率の向上、自動化の推進等により生産性の向上に努めており、2022年9月末時点で生産工程70ラインに自動化設備99台が稼働しております。また、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000認証を通じた品質向上への取り組み、危険体感講習等を通じた安全教育の取り組みを推進しております。
中部第一工場については、2022年5月に新工場が完成し、稼働開始いたしました。新工場においては、中部地区の需要増加への対応として生産能力を拡充するとともに、原料の受入れから成形、製品入庫作業までの一連の工程を自動化した最新の設備の導入により省人化を図っております。大都市圏である近畿エリアへの新たな供給拠点である関西工場については、2023年2月頃の稼働開始を見込んでおります。また、関西工場近隣には単身寮であるピコハウス5号館(140戸)を整備するなど、人材確保に努めております。さらに、2022年7月に茨城県の坂東インター工業団地において新たな土地(敷地面積:51,819.61㎡)を取得し、首都圏エリアへ向けて中長期的に安定供給できる生産能力と保管能力を確保するため生産工場及び配送センターの建設を予定しております。
(物流部門の状況)
当社グループは、物流コスト抑制のため、トラック1台当たりの積載効率の向上や路線便から自社便への切換えを進めております。
物流倉庫内作業においては無人搬送車(Automated Guided Vehicle)及び無人搬送フォークリフト(Automated Guided Forklift)の導入、音声ピッキングシステム、パレット輸送などの活用により、省人化及び効率化に向けた取り組みを一層強化しております。
大都市圏である近畿エリアへの新たな供給拠点である関西ハブセンターについては、納品エリアに応じて仕分けを行う自動ソーター出荷システムを設置し、2023年2月頃の稼働開始を見込んでおります。加えて、関西工場・関西ハブセンターの敷地から約300mの距離にある別区画の土地(敷地面積:29,136.58㎡)を2022年9月に取得し、新たな選別・配送センターの建設を予定しております。関西ハブセンターの稼働に伴い、日本全国の当社拠点配送センター(北海道、東北、関東、八王子、東海、中部、関西、福山、九州)から半径150㎞圏内で、主要都市を含む全人口の7割をカバーできる物流ネットワークが完成いたします。
[新工場・新ハブセンターの概要]
中部第一工場
関西工場・関西ハブセンター
所在地
岐阜県安八郡輪之内町
兵庫県小野市
延床面積
20,810.61㎡
79,511.10㎡
稼働開始
2022年5月
2023年2月
投資総額
8,530百万円
(圧縮記帳後 6,301百万円)
25,261百万円
(循環型のサステナブルな社会の実現に向けた取り組み)
当社グループは、気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。
(a) リサイクルの推進
1990年に6ヶ所のスーパーマーケットにおける使用済み容器の回収からスタートしたエフピコ方式のリサイクルは、消費者の皆様のご理解・ご協力をいただき、2022年9月末時点で回収拠点が10,000ヶ所を超えております。この当社グループの自主的な取り組みは、1997年に施行された容器包装リサイクル法に基づく分別・収集の仕組みと合わせて、使用済み容器を有効利用する社会インフラとして定着しております。
昨今の環境意識の高まりを背景に、小売店の売り場における環境配慮及びSDGsへの貢献を訴求するパネル等による表示(※3)が急速に拡大しております。当社製品においてもエコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)へのエコマーク表示や「ペットボトルリサイクル品」の刻印追加を通じて、使用済み容器が再び新たな容器にリサイクルされていることを消費者の皆様へお伝えしております。
また、60周年記念事業として、当社グループのマスコットキャラクターを設定いたしました。従業員による約1,000件の応募の中から選ばれた「ピコザウルス」(※4)は、当社グループの一体感を象徴する存在として育てていくとともに、使用済み容器回収ボックスから着想を得て創造されていることからリサイクルにおける啓発活動を中心に活用し、使用済み容器の回収量拡大に向けて取り組みを進めてまいります。
(※3)売り場での環境配慮及びSDGs訴求
(※4)エフピコグループマスコットキャラクター「ピコザウルス」
(b) 気候変動問題への取り組み
当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を定めており、これらの目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。
当社事業拠点におけるCO2排出削減の施策として、再生可能エネルギーの導入、省エネ設備の導入などに取り組むとともに、サプライチェーン全体におけるCO2排出削減に関しては、石油由来製品と比較して30%のCO2削減効果を持つエコ製品の販売を推進しております。
再生可能エネルギーの導入については、関東地区及び中部地区の自社工場に設置した太陽光発電設備が稼働しております。今後、関西地区にも太陽光発電を導入することで、使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーでまかなうことが可能となり、エコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇する見込みです。
(c) エフピコ環境基金を通じた取り組み
当社は2020年3月にエフピコ環境基金を創設し、“環境保全”、“環境教育・研究”、“「食」課題解決・「食」支援に関わる活動”の3分野において活動する団体への助成を通じて、地域の皆様とともに持続可能な社会の構築を目指しております。2023年3月期は14団体への助成を行い、加えて助成先団体の活動へ当社グループ従業員が参加するなど、パートナーシップを通じた取り組みを加速してまいります。
(d) 各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発
当社グループは、リサイクルの拡大推進が気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題の有効な対策の一つと考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルtoトレー」を着実に実行してまいります。
さらに、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルを目指し、DIC株式会社と協業しケミカルリサイクル及び溶解分離リサイクル技術の研究を進めております。従来、日用品雑貨等にリサイクルされていた色柄付き発泡ポリスチレン容器についても、当社製品へのリサイクルを目指してまいります。
製品ラインナップ拡大の一環として、植物由来原料を25%配合したバイオマスプラスチック製品に加え、紙トレー、丼型の紙容器、エフピコチューパ㈱にて紙弁当容器(本体・蓋)を上市しております。なお、当社及びエフピコチューパ㈱、エフピコ商事㈱はFSC®認証(FSC®C163782)を全営業所及び紙製品製造工場で取得しております。これら代替素材の特徴や環境に与える影響等について、ステークホルダーの皆様への正確な情報発信に努めてまいります。
引き続き、技術は進歩するという前提のもと、石油由来のプラスチックに代わる選択肢として、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマス等新素材の情報収集を進めるとともに、環境負荷の低い容器の開発を通して、循環型のサステナブルな社会の実現を目指してまいります。
(ESG・SDGsへの取り組み)
当社グループは、資源循環やインクルージョンの推進など、SDGsの実現に向けた取り組みを事業の根幹において実践するとともに、ESG情報開示の充実を図っております。
障がいのある人材の雇用については、それぞれが活躍できる仕事、内容を考え、働きやすい職場環境を創出することにより雇用を促進し、2022年3月時点でエフピコグループの障がい者雇用率は12.6%となりました。
女性の活躍については、職域拡大、継続就業支援、管理職の増加を目指し「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースに掲載し、2022年以降採用の女性比率について総合職30%以上、2026年までに女性管理職を50名、男性の育児休業の取得率を30%以上とする目標を定め、様々な取り組みを実践しております。
健康経営については、経営的視点から従業員の健康管理を戦略的に実践することで、従業員の活力及び生産性の向上につなげております。
これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russellの「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」、MSCI社の「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄へ選定、経済産業省の「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されております。
また、お取引先様と共同し子ども食堂への容器提供を実施しており、2020年5月以降、弁当容器・汁物容器等を9回にわたり計752,280セット提供いたしました。
引き続き、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みを実施してまいります。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて381億11百万円増加し、3,008億7百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加96億38百万円、中部第一工場の建替え及び関西工場・関西ハブセンターの建設などによる有形固定資産の増加133億15百万円、関連会社株式の取得などによる投資その他の資産の増加70億77百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて361億33百万円増加し、1,663億73百万円となりました。主な増減は、設備投資資金の調達を主因とする借入金(短期借入金及び長期借入金)の増加253億6百万円、設備関係未払金の増加などによる流動負債その他の増加78億22百万円であります。
また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて19億78百万円増加し、1,344億34百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益41億31百万円及び剰余金の配当20億86百万円によるものであります。
配当につきましては、既公表の利益配分に関する基本方針に基づき、中間配当金を1株当たり21円50銭と決定いたしました。期末配当金は1株当たり25円50銭、年間配当金は1株当たり47円を予定しております。
(5) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より96億38百万円増加し、293億83百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、67億85百万円(前年同期は92億74百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益61億37百万円、減価償却費70億27百万円及び仕入債務の増加30億21百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加38億39百万円、棚卸資産の増加25億32百万円及び法人税等の支払額25億17百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、196億15百万円(前年同期は91億14百万円の資金支出)となりました。
これは主に、中部第一工場の建替え及び関西工場・関西ハブセンターの建設に関する有形固定資産の取得による支出128億33百万円、関連会社株式の取得による支出68億円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、224億68百万円(前年同期は15億35百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入330億円、長期借入金の返済による支出76億93百万円、リース債務の返済による支出7億19百万円及び配当金の支払額20億84百万円などによるものであります。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に、重要な変更及び
新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億13百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容
投資予定金額
資金調達方法
着手及び完了予定年月
完成後の
増加能力
総額
既支払額
着手
完了
提出会社
関西工場・関西ハブセンター
(兵庫県小野市)
工場及び
倉庫の新設
25,261
12,455
自己資金
及び借入金
2021年5月
2023年2月
エコ製品等生産能力
増強及び在庫保管能力26万ケース増
(注) 関西ハブセンターは連結子会社であるエフピコ物流株式会社に賃貸する予定です。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等のうち、当第2四半期連結累計期間において完了
したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容
完了年月
完成後の増加能力
提出会社
中部第一工場
(岐阜県安八郡輪之内町)
工場の建替え
2022年5月
中部地区の生産能力が約20%増加
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、ロシア・ウクライナ情勢を背景とする原料価格の高騰、サプライチェーンの乱れや円安の進行などの影響が続いており、経営環境は今後も予断を許さない状況が続くものと思われます。
原料・電力価格の上昇に対しては、2022年4月に「価格改定のお願い」(第二次製品価格改定)を発表し、交渉が完了いたしました。当第2四半期連結累計期間において、価格改定による効果が想定より早期に実現し、第3四半期以降も利益への反映を見込んでおります。原料価格については、当社製品の粗原料であるナフサ価格が当第2四半期連結会計期間をピークに落ち着きつつある一方、電力価格は当初の予想を超えてさらに上昇する見込みです。2022年4月28日の「2022年3月期 決算短信」で公表いたしました通期の業績予想に変更はありません。(※5)
販売面については、環境意識の高まりを背景にエコ製品及びプラスチック使用量を削減した製品の一層の需要増加や、新市場であるテイクアウト・デリバリー市場、冷凍食品市場及び病院介護食市場の更なる拡大・定着に向け、価格改定の交渉が概ね完了した2022年9月以降は、積極的な販売拡大への取り組みを進めております。商品の販売増加に向けては、2022年7月1日にエフピコ商事㈱(以下、エフピコ商事)とエフピコみやこひも㈱(以下、エフピコみやこひも)を合併し、エフピコみやこひもの持つ包装資材問屋及びその先のユーザーに対する販売網にエフピコ商事が有する商品のマーチャンダイジング力及び商品調達力を組み合わせることで、顧客ニーズに応じた商品提案を行っております。
海外市場への展開として、東南アジアを中心に簡易食品容器の製造・販売を行うLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア、以下「LSSPI社」)の株式のうち60%を三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、以下「三井物産」)、40%を当社が取得し、2022年8月31日にLSSPI社を持分法適用関連会社といたしました。人口増加や所得水準の向上により、東南アジアにおける食品容器需要の拡大が見込まれる中、当社は、製造面における省人化や成形サイクル短縮などによる生産能力の増強やコストダウン及び高付加価値製品の開発を行い、三井物産は、アジア市場で1,000を超える出資・提携先を持つネットワークを活用した販売拡大を目指します。上記取り組みにより、LSSPI社の東南アジアにおける競争力向上と利益の最大化を実現させてまいります。
これらの価値創造提案や新マーケット創出に加え、リサイクル技術の研究開発、M&Aなどを通じて、持続的な成長を目指してまいります。
(※5)経常利益 利益増減見通し
(用語説明)
エコトレー
:スーパーマーケットの店頭などから回収されたポリスチレン容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)
エコAPET容器
:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器
耐熱温度+60℃(2012年販売開始)
エコOPET容器
:エコAPET容器と同じ原料を使用する二軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器
耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの二軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現
耐熱温度+80℃(2016年販売開始)
マルチFP容器
:-40℃~+110℃の耐熱・耐寒性及び断熱性に優れた発泡PS(ポリスチレン)容器
冷凍からレンジ加熱まで幅広い用途で使用可能(2010年販売開始)
耐寒PPi-タルク容器
:従来の耐寒PPフィラー容器と比較し、強度を保ちながらプラスチック使用量を削減した容器(2022年販売開始)
FSC®
:Forest Stewardship Council®(FSC®)は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする国際的な非営利団体。FSCは、環境、社会、経済分野の利害関係者の合意によって支持された、責任ある森林管理の原則に基づく規格を定める。