【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当第2四半期連結累計期間(以下、当四半期累計期間)の売上収益は、製品海外市況および原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことや、販売数量の減少により、前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)に比べて253億6千7百万円減収(△11.5%)の1,943億1百万円となりました。利益面につきましては、海上輸送費の下落等により販売費及び一般管理費が減少したものの、前年同期において原料価格高騰に伴い発生した在庫評価差益が当四半期累計期間においては原料価格下落により差損へ転じたこと、一部製品において販売価格の下落によりスプレッドが縮小したこと等で、営業利益は、前年同期に比べて73億3千2百万円減益(△42.3%)の100億6百万円となりました。税引前四半期利益は、営業利益の減益に加えて持分法による投資利益が減少したことにより、前年同期に比べて104億4千7百万円減益(△51.6%)の97億8千5百万円となりました。その結果、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期に比べて72億8百万円減益(△51.2%)の68億6千1百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①マテリアルズ事業アクリル酸およびアクリル酸エステルは、製品海外市況や原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことや、販売数量が減少したことにより、減収となりました。高吸水性樹脂は、原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。酸化エチレンは、販売数量が減少したことや、原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。エチレングリコールは、原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。特殊エステルは、販売数量の減少や、製品海外市況の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。無水マレイン酸は、販売数量の減少や、原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。プロセス触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。以上の結果、マテリアルズ事業の売上収益は、前年同期に比べて11.3%減少の1,424億8百万円となりました。営業利益は、海上輸送費の下落等による販売費及び一般管理費の減少や、一部製品において販売数量が増加したこと等の増益要因があるものの、前年同期において発生した在庫評価差益が当四半期累計期間においては差損へ転じたこと、一部製品の海外市況の下落等によりスプレッドが縮小したこと等の減益要因により、前年同期に比べて41.2%減少の82億8千9百万円となりました。
②ソリューションズ事業コンクリート混和剤用ポリマー、セカンダリーアルコールエトキシレートおよび洗剤原料などの水溶性ポリマーは、販売数量が減少したことや、原料価格の下落に伴い販売価格が下落したことにより、減収となりました。エチレンイミン誘導品は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。塗料用樹脂は、販売数量が増加したことや販売価格が上昇したことにより、増収となりました。ヨウ素化合物および脱硝触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。電子情報材料は、製品販売構成により、増収となりました。電池材料は、製品販売構成により、減収となりました。以上の結果、ソリューションズ事業の売上収益は、前年同期に比べて12.2%減少の518億9千2百万円となりました。営業利益は、原料価格の下落等によりスプレッドが拡大したこと、連結子会社である中日合成化學股份有限公司において土地の売却益12億8千万円を計上したこと等の増益要因があったものの、生産・販売数量が減少したことや、前年同期において発生した在庫評価差益が当四半期累計期間においては原料価格下落により減少したことに加えて、当社とArkema S.A.とのLiFSI事業の欧州合弁検討を当面見合わせ、他の立地検討を進めることを決定したことに伴い、資産計上していた関連支出を費用に振り替えたこと等による10億2百万円の減益要因があることから、前年同期に比べて62.3%減少の9億8千3百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における当社グループの財政状態は、次のとおりとなりました。
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末(以下、前年度末)に比べて170億9千万円増加の5,404億9百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて93億7千1百万円増加しました。当四半期連結会計期間の期末日が金融機関の休日であったこと等により現金及び現金同等物が増加したこと等によるものです。非流動資産は、前年度末に比べて77億1千9百万円増加しました。保有株式の時価上昇によりその他の金融資産が増加したこと、設備投資や為替の影響により有形固定資産が増加したこと等によるものです。 負債合計は、前年度末に比べて12億1千7百万円減少の1,521億4百万円となりました。当四半期連結会計期間の期末日が金融機関の休日であったこと等により営業債務が増加したものの、借入金が減少したこと等によるものです。 資本合計は、前年度末に比べて183億8百万円増加の3,883億5百万円となりました。為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が増加したことや利益剰余金が増加したこと等によるものです。 親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の69.2%から70.2%へと1.0ポイント増加しました。なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて441.59円増加の9,655.50円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結累計期間(以下、当四半期累計期間)末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出および財務活動によるキャッシュ・フローの支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べて107億2千3百万円増加の497億5千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間(以下、前年同期)の142億1千4百万円の収入に対し、当四半期累計期間は333億5千1百万円の収入となりました。税引前四半期利益が前年同期を下回ったものの、前年同期は原料価格の上昇等により増加した棚卸資産が当四半期累計期間は減少したことに加え、営業債権の減少や、営業債務の増加額が前年同期を上回ったこと等により、前年同期に比べて191億3千7百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の105億9千3百万円の支出に対し、当四半期累計期間は87億7千万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、前年同期に比べて18億2千3百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の71億6千4百万円の支出に対し、当四半期累計期間は158億2千7百万円の支出となりました。長期借入金の返済が減少したものの、短期借入金の純増減額や長期借入金による調達の減少等により、前年同期に比べて86億6千3百万円の支出の増加となりました。
(資本の財源および資金の流動性) 当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資、研究開発投資、借入金返済であり、これらを自己資金、金融機関からの借入金により賄っております。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は76億5千5百万円であります。当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。当社は、グリーントランスフォーメーションを推進し、カーボンニュートラル実現に向けた研究開発を加速するため、2023年4月1日付でGX研究本部を新設し、触媒関連研究部を集約・統合いたしました。
(5) 主要な設備前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資額
資金調達方法
着手年月
完了年月
完成後の増加能力
PT.ニッポンショクバイ・インドネシア
インドネシア共和国(バンテン州)
マテリアルズ
アクリル酸製造設備
百万USD201
自己資金及び借入金
2018年10月
2023年4月
アクリル酸製造設備100,000トン/年