【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、本文中の記載金額は、億円単位の表示は億円未満四捨五入とし、百万円単位の表示は百万円未満切捨てとしております。
(1) 経営成績当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中で、個人消費をはじめ緩やかに持ち直しております。 当社グループを取り巻く環境としては、メディア事業の分野では既存の有料放送市場が成熟している一方で、定額制又は無料のインターネット動画配信サービス市場は拡大を続けており、コンテンツ獲得及び顧客獲得の両面で国内外の事業者との激しい競争が続いております。宇宙事業の分野では船舶・航空機向けの移動体衛星通信や5G(第5世代移動通信システム)を活用した新たなサービスの登場による携帯電話基地局向けバックホール回線の需要が拡大する一方で、グローバルマーケットにおいて海外衛星オペレーターとの厳しい価格競争に直面しております。また、ベンチャー投資の増加に伴い、世界レベルで新たな事業者が宇宙ビジネスに参入し、安価なロケットの開発や大規模な低軌道衛星通信システムプロジェクトを推進するなど、ビジネスの環境が大きく変化しております。このような経済状況の下、当第2四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
区分
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
前年同四半期比(百万円)
増減率(%)
営業収益
58,389
57,996
△393
△0.7
%
営業利益
10,853
11,147
293
2.7
%
経常利益
11,431
11,635
203
1.8
%
税金等調整前四半期純利益
11,422
11,461
39
0.3
%
親会社株主に帰属する四半期純利益
8,533
7,703
△830
△9.7
%
なお、EBITDAは前年同四半期比11億円減少し、226億円となっております。(注)EBITDAは、親会社株主に帰属する四半期純利益、法人税等合計、支払利息、減価償却費、のれん償却額の合計として算定しております。
当社グループのセグメント別の概況は次のとおりです。(経営成績については、セグメント間の内部営業収益等を含めて記載しております。) なお、当第2四半期連結会計期間よりセグメントの記載順序を変更しております。
<宇宙事業>・既存事業の強化国内衛星ビジネスにおいては、総務省が運用するC帯静止衛星監視設備の整備事業を2022年6月に受注いたしました。茨城ネットワーク管制センター内にC帯静止衛星監視設備を設置し、2024年4月より運用を開始いたします。通信衛星及び回線の運用を通じて得たノウハウを活かし電波監視機能を高めることで、安全で公平な周波数利用環境の維持に貢献してまいります。
グローバル・モバイルビジネスにおいては、ハイスループット衛星JCSAT-1Cを利用し、インドネシアのデジタルデバイド地域における高速通信サービスの提供を、PT. INDO PRATAMA TELEGLOBALとのパートナーシップにより2022年4月から開始いたしました。新たにサービスを開始した超高速海洋ブロードバンドサービス「JSATMarine」においてもJCSAT-1Cの活用を予定しており、同じくハイスループット衛星であるHorizons 3eとともに、今後の収益拡大を見込んでおります。また、2022年7月には、通信衛星Superbird-9の打ち上げサービス調達契約をSpace Exploration Technologies Corporation(SpaceX)との間で締結いたしました。東経144度にて運用中の通信衛星Superbird-C2の後継機として、2025年度にサービスを開始する予定です。Superbird-9は、フルデジタル化された通信ペイロードを搭載し、通信地域や伝送容量を軌道上で柔軟に変更する能力を有しております。本衛星を投入することにより、市場や顧客の多様なニーズへの対応を通して、日本をはじめとする東アジア地域における一層の事業拡大と競争力強化に努めてまいります。・新たな技術の活用や事業領域拡大への取り組み
日本電信電話㈱とのビジネス協業については、「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」構想の実現に向け、2022年7月に合弁会社「㈱Space Compass」を設立いたしました。新たな宇宙インフラの構築に挑戦し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の宇宙事業の経営成績は次のとおりとなりました。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
前年同四半期比(百万円)
増減率(%)
営業収益
外部顧客への営業収益
24,272
24,727
454
1.9
%
セグメント間の内部営業収益等
3,692
3,434
△258
△7.0
%
計
27,965
28,161
196
0.7
%
営業利益
6,984
8,336
1,351
19.3
%
セグメント利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)
5,790
5,576
△213
△3.7
%
放送トラポン収入が減少した一方で、Horizons 3e等の外部顧客への収益の増加や、円安による影響等により、営業収益は増加いたしました。これに加え、減価償却費の減少5億円及びのれん償却額の減少4億円等により、営業利益が増加いたしました。しかしながら、前年同四半期における連結子会社の解散に伴う税金費用の減少9億円の影響や、当期における投資有価証券評価損2億円等により、セグメント利益は減少いたしました。
<メディア事業>・放送事業・配信事業2022年シーズンプロ野球では、昨シーズンに引き続き「プロ野球セット」でセ・パ12球団の公式戦全試合を生放送・配信し、海外サッカー「ドイツ ブンデスリーガ」では、全試合を放送・配信しております。また、「スカパー!基本プラン無料ではじめトク!キャンペーン」及び有料配信「SPOOXバリュープラン割」キャンペーン等を通じて加入基盤の拡大及び維持を図っております。・リアル事業海外サッカー「ドイツ ブンデスリーガ」では、全試合の放送・配信にとどまらず、一部クラブの公式関連グッズを日本販売しております。なお、長谷部誠選手所属のアイントラハト・フランクフルトとJリーグの浦和レッズ、ガンバ大阪が対戦する「ブンデスリーガジャパンツアー2022 powered by スカパーJSAT」を11月に開催し、スポーツライブイベントの醍醐味をファンの皆様にお届けする予定です。
・FTTH事業光ファイバーによる地上デジタル・BSデジタル等の再送信サービスでは着実に提供エリア拡大を進めており、2022年9月末時点における提供エリアは35都道府県にわたり、提供可能世帯数は約3,400万世帯、契約世帯数は258万世帯に達しております。また当社グループは、長野県飯田市の㈱飯田ケーブルテレビと業務提携契約を締結いたしました。この業務提携により、ケーブルテレビ業界の課題解決に向けた新たな方式での多チャンネルサービスとして、業界初の取り組みとなるBS/CS放送のパススルー伝送及び視聴制御を組み合わせたサービスを2022年11月に開始する予定としております。・新規事業ブロックチェーン関連技術を活用したメディア・エンターテイメント業界でのWeb3関連事業創出のため、FrameOO㈱へ資本参加するとともに業務提携に関する契約を締結し、協業を開始いたしました。またスカパーJSATが取次代理店として媒介する「スカパー!でんき」をリニューアルし、太陽光発電を活用した脱酸素社会の実現に貢献する新プラン「スマ電CO2ゼロ with スカパー!」の販売を8月より開始いたしました。
当第2四半期連結累計期間における加入件数は次のとおりとなりました。
新規
解約
純増減
累計
当期
242千件
329千件
△87千件
2,922千件
前年同四半期比
△29千件
32千件
△61千件
△155千件
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のメディア事業の経営成績は次のとおりとなりました。
前第2四半期連結累計期間(百万円)
当第2四半期連結累計期間(百万円)
前年同四半期比(百万円)
増減率(%)
営業収益
外部顧客への営業収益
34,117
33,269
△847
△2.5
%
セグメント間の内部営業収益等
1,590
1,535
△55
△3.5
%
計
35,707
34,804
△903
△2.5
%
営業利益
4,210
3,145
△1,065
△25.3
%
セグメント利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)
2,976
2,272
△703
△23.6
%
契約世帯数の増加等によりFTTH事業収入が2億円増加した一方で、累計加入件数減少等の影響で視聴料・業務手数料・基本料収入が12億円減少したこと等により、営業収益、営業利益及びセグメント利益が減少いたしました。
(2) 財政状態当第2四半期連結会計期間末における資産合計は3,893億円となり、前連結会計年度末比(以下「前期比」)111億円増加いたしました。 流動資産は、Xバンド事業に関する債権回収等により売掛金が45億円減少いたしましたが、現金及び現金同等物の増加133億円等により、前期比117億円増加いたしました。有形固定資産及び無形固定資産は、設備投資により63億円増加いたしましたが、減価償却費106億円等により前期比43億円減少いたしました。投資その他の資産は、前期比37億円増加いたしました。主な要因は、新たに設立した持分法適用関連会社㈱Space Compassへの出資等による投資有価証券の増加38億円であります。
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は1,386億円となり、前期比35億円増加いたしました。 主な増加は前受収益101億円、未払法人税等23億円であり、主な減少は社債の償還、Xバンド事業及びHorizons 3e事業に関する借入金の返済等による有利子負債の減少54億円、未払金の減少46億円であります。
当第2四半期連結会計期間末における非支配株主持分を含めた純資産は2,507億円となり、前期比76億円増加いたしました。主な増加は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加51億円であります。また、自己資本比率は64.1%となり、前期比0.1ポイント増加いたしました。
(3) キャッシュ・フロー当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、のれん償却額の合計221億円に加え、売上債権の減少47億円及び前受収益の増加101億円がありましたが、未払金の減少46億円等により、323億円の収入(前年同四半期は165億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出67億円、Horizons 3e事業に関する貸付金の回収による収入13億円、関係会社株式の取得による支出30億円等により、80億円の支出(前年同四半期は33億円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出43億円、社債の償還による支出50億円、配当金支払による支出26億円等により、119億円の支出(前年同四半期は76億円の支出)となりました。 以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前期比133億円増加し、992億円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は28百万円であります。
(7) 主要な設備前連結会計年度において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間において著しい変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
区分(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額(百万円)
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
スカパーJSAT㈱
通信衛星設備Superbird-9(赤道上空の静止軌道上等)
宇宙事業
通信衛星
(変更前)25,000(変更後)24,000
自己資金
2021年3月
(変更前)2024年下期(変更後)2025年下期
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