【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(以下、当期)における世界経済は、高水準のインフレの継続や、各国中央銀行や政府による金融政策などの影響が続くなかで、全般的に不透明な状況が継続しました。北米では、足元で個人消費を中心に景気が堅調に推移しました。また欧州では、ウクライナ侵攻の長期化を背景に景気の停滞が継続しました。わが国においては、輸出需要の増加などが追い風となり、脱コロナ禍に伴い個人消費や設備投資が戻ったことに加え、インバウンド需要の回復などにより、引き続き堅調に経済が回復しております。
このような環境のなか、当社グループでは2020年12月に制定した中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた重点施策に基づき、新製品の市場投入と販売拡大、市場環境や顧客ニーズの急激な変化を見据えた事業展開、収益性向上に向けた基盤構築を継続してまいりました。当第2四半期連結会計期間においては、SG(サイングラフィックス)市場向け新製品「低消費電力」と「3つの機能をプラス」でさらなる進化を遂げたエントリーモデルUVプリンタUJV100-160Plus及び、多様な基材に多彩な表現を可能とする、これからのサイングラフィックス市場を牽引するUVプリンタUCJV330シリーズの、世界同時発売を発表しました。また、国内では17番目の営業拠点となる沖縄営業所を開設するとともに、脱炭素経営実現のための専門展示会である脱炭素EXPOにおいて、捺染生地の脱色技術『ネオクロマトプロセス』を日本初出展するなど、今後の販売拡大に向けた戦略を着実に推進してまいりました。
当期の売上高は、全般に為替の円安に伴うプラス影響もあり、増収となりました。製品市場別では、TA(テキスタイル・アパレル)市場向けは、今期市場投入したDTF(Direct to Film)機のTxF150-75が好調で販売が大幅に伸長し、SG市場向けは、本体の販売が減少したもののインクの販売が堅調に推移しました。IP(インダストリアルプロダクツ)市場向けは、新製品の販売が大幅に拡大した前年同期と同水準の販売を確保した一方で、FA(ファクトリーオートメーション)事業は、高水準な需要があった前年同期比で販売が減少しました。エリア別では、北米や欧州、アジア・オセアニアが景気減速の影響を受け前年同期並の販売となったものの、日本は景気回復に伴う需要の拡大により販売が伸長しました。利益面では、前期に調達した半導体等の高コスト部材を使用した製品の販売が継続しましたが、世界的なロジスティクス混乱の終息に伴う輸送コストの減少に加え、インフレ進行による全般的なコスト上昇に対応するための販売価格見直しを進めてきた効果もあり、売上原価率は改善しました。販管費は、今後の新技術・新製品開発に向けた研究開発費の増加や、人件費及びグローバルでの展示会への積極的な出展等の営業活動の活発化に伴う費用が増加しましたが、売上高比率の増加は最小限に抑制しました。これらに加え、為替のプラス効果もあり、前年同期比で増益となりました。
以上の結果、当期における当社グループの売上高は354億37百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は23億31百万円(同23.7%増)、経常利益は20億14百万円(同17.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億12百万円(同9.0%増)となりました。
また、当期における主要な為替レート(2023年4月~2023年9月の平均レート)は、1米ドル=141.00円(前年同期133.98円)、1ユーロ=153.38円(前年同期138.72円)で推移いたしました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により四半期連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。
(日本・アジア・オセアニア)
売上高は159億49百万円(前年同期比5.0%増)となりました。日本では、SG市場向けは本体が好調で販売が増加しました。IP市場向けは小型フラットベッド(以下、FB)機・大型FB機ともに本体の販売が好調に推移し、インクも好調で販売が増加しました。また、TA市場向けは新製品・従来モデルともに本体販売が好調で、インク販売も堅調に推移し大幅な販売増となりました。FA事業は堅調に推移し、若干の販売増となりました。以上により、全体では増収となりました。アジア・オセアニアでは、オーストラリアやタイ等で販売が減少したものの、中国のコロナ禍からの需要回復と、インド等の経済成長によりSG、TAが伸長した一方、前年同期の販売が好調であったFAの台湾向けが減少し、全体では若干の減収となりました。
(北・中南米)
売上高は100億91百万円(同7.4%増)となりました。北米では、米国は第1四半期に景気後退の影響もあり販売が減少した一方で、第2四半期は個人消費を中心に景気が堅調に推移するなか、営業活動強化の成果もあり、TA市場向けの販売が大幅に伸長するとともに、SG市場向けも着実に回復しました。IP市場向けの販売は減少したものの、為替のプラス影響もあり、全体では前年同期並みを確保しました。中南米では多くの国で販売が増加し、増収となりました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は93億96百万円(同0.0%減)となりました。欧州では、為替のプラス影響を受けるなかで、TA市場向けが新製品効果もあり大幅に販売が増加し、SG市場向けは前年同期並みを確保した一方、IP市場向けの販売が減少しました。国別では、ポルトガル、フランス、ポーランド等で好調な販売が継続した一方で、イタリアや英国などで販売が減少しました。以上により、全体では若干の減収となりました。
当第2四半期連結累計期間における市場別の売上高は以下のとおりであります。
売上高(千円)
構成比率(%)
対前期増減率(%)
S G 市 場 向 け
14,251,828
40.2
4.0
I P 市 場 向 け
9,484,148
26.8
0.8
T A 市 場 向 け
4,097,027
11.6
22.5
F
A
事
業
2,135,210
6.0
△4.8
そ
の
他
5,469,041
15.4
3.6
合
計
35,437,256
100.0
4.3
(SG市場向け)
売上高は142億51百万円(前年同期比4.0%増)となりました。本体でフラグシップモデルやエントリーモデルの販売が増加した一方で、既存モデルの販売が減少したものの、インクの販売が堅調に推移し、為替のプラス影響もあり増収となりました。
(IP市場向け)
売上高は94億84百万円(同0.8%増)となりました。小型FB機を中心に、新製品の販売が拡大した前年同期との比較で減少したものの、インクの販売増及び為替のプラス影響もあり、前年同期並となりました。
(TA市場向け)
売上高は40億97百万円(同22.5%増)となりました。先進国を中心に、当期から投入した新製品が好調な販売となり、インクの販売も堅調に推移し、大幅な増収となりました。
(FA事業)
売上高は21億35百万円(同4.8%減)となりました。基板実装装置や半導体製造装置の販売が増加した一方で、前年同期が需要増により好調だった基板検査装置、金属加工、FA装置の販売が減少し、減収となりました。
また、当第2四半期連結累計期間における品目別の売上高は以下のとおりであります。
売上高(千円)
構成比率(%)
対前期増減率(%)
製 品 本 体
14,016,132
39.6
1.2
イ ン
ク
13,451,148
38.0
8.4
保 守 部 品
2,919,668
8.2
2.7
そ の 他
5,050,305
14.3
3.7
合
計
35,437,256
100.0
4.3
当第2四半期連結会計期間末における財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ41億69百万円増加し、739億59百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ32億5百万円増加し、568億98百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加等によるものです。また、固定資産は前連結会計年度末と比べ9億63百万円増加し、170億61百万円となりました。これは、主に建物及び構築物の増加等によるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べ14億73百万円増加し、492億6百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ11億67百万円増加し、413億12百万円となりました。これは、主に短期借入金の増加等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べ3億5百万円増加し、78億94百万円となりました。これは、主に長期借入金の増加等によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べ26億96百万円増加し、247億52百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定の増加等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出等があったものの、税金等調整前四半期純利益や短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ33億59百万円増加し、115億61百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は37億70百万円(前年同期は7億67百万円の使用)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益20億16百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14億78百万円(前年同期比2億47百万円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8億83百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は9億17百万円(同22億11百万円減)となりました。これは、短期借入金の増加11億31百万円等があったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動に係る費用の総額は23億70百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は15億83百万円であります。
また、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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