【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況当第2四半期連結累計期間の経済環境は、民生機器を中心とする財需要が世界的に低迷しており、欧米では金融引き締めの強化にともなう借入金利上昇により住宅販売や設備投資が鈍化しました。また為替相場は当期期初から円安・ドル高方向に大幅に変動しました。このような情勢のもと、当社グループの売上収益は、前年同期と比べ1.1%減(以下の比率はこれに同じ)の1,419億42百万円となりました。損益につきましては、事業利益は、1.1%増の127億95百万円、営業利益は、1.0%増の126億4百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、受取利息の増加、為替差益等により20.0%増の110億74百万円となりました。
(セグメント別販売状況)① 半導体関連材料[売上収益 41,252百万円(前年同期比 1.4%減)、事業利益 8,384百万円(同 4.6%減)]
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復および電動車の比率増加を背景に、モビリティ用途は順調に増加しましたが、パソコン、スマートフォンなど民生向けの需要回復が遅れており、販売数量・売上収益は前年同期並みとなりました。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要顧客における生産調整の影響を受け、売上収益は前年同期を下回りました。半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要低迷長期化、顧客での在庫調整により、売上収益は前年同期を下回りました。半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、スマートフォン向け販売の回復が鈍化し、前年同期の水準には届きませんでした。
② 高機能プラスチック[売上収益 48,788百万円(前年同期比 4.0%減)、事業利益 1,716百万円(同 48.9%増)]
工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、アジア地区では自動車部品用途の販売数量回復の兆しが見えてきましたが、欧米での自動車タイヤ用途や、欧州での建築断熱材用途の販売減少が響き、売上収益は前年同期比で減少しました。銅張積層板は、エアコン用、車載用を中心に需要が低調で売上収益は減少しました。航空機内装部品は、航空機産業の経営環境が改善していることに加え、為替の影響もあり売上収益は大幅に増加しました。高機能プラスチックの事業利益は航空機内装部品の収益率の改善等により前年同期比で増益となりました。
③ クオリティオブライフ関連製品[売上収益 51,545百万円(前年同期比 2.1%増)、事業利益 4,541百万円(同 1.1%増)]
医療機器製品は、法人向け製品の販売、血液浄化関連製品の輸出販売が好調を継続しており、売上収益は大幅に増加しました。バイオ関連製品は、国内企業向けの在庫調整の影響等で売上収益は減少しました。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用がジェネリック医薬品向け、コロナ関連製剤向けで好調を持続しましたが、産業用が中国市場を中心とする民生用途向けで需要回復が遅れ、売上収益は前年同期比で横ばいとなりました。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、欧州向けのサングラス用偏光板など高付加価値製品の販売が回復基調にありますが、主力の国内建材用の販売数量が伸び悩み、売上収益は前年同期比で減少しました。防水関連製品は、都市型フラット屋根の市場拡大にともない販売が好調なことにより、売上収益は前年同期比で増加しました。
(2) 財政状態の状況①資産の部資産合計は、前連結会計年度末に比べ334億57百万円増加し、4,119億14百万円となりました。主な増減は、現金及び現金同等物および有形固定資産の増加であります。②負債の部負債合計は、前連結会計年度末に比べ84億85百万円増加し、1,292億50百万円となりました。主な増減は、コマーシャル・ペーパーの発行による増加であります。③資本の部資本合計は、前連結会計年度末に比べ249億72百万円増加し、2,826億63百万円となりました。主な増減は、四半期利益の計上および為替変動影響による増加と、自己株式の取得および配当金の支払による減少であります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ139億51百万円増加し、1,135億71百万円となりました。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は187億33百万円となりました。これは主に、税引前四半期利益および減価償却費の計上による収入と、法人所得税の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると84億56百万円の収入の増加となりました。②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動に用いた資金は89億41百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出と、定期預金の払戻による収入の結果であります。前年同期と比べると9億71百万円の支出の減少となりました。③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動に用いた資金は34億95百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの発行による収入と、自己株式の取得および配当金の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると158億40百万円の支出の減少となりました。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。重要な会計上の見積りについては、「第4
経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は62億40百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。