【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況当第1四半期連結累計期間の経済環境は、世界的にサービス産業を中心に活発な個人消費がみられる反面、欧米での金融引き締めによる設備投資の鈍化、巣ごもり需要の反動による民生機器の販売不振など製造業にとって逆風となる状況がみられました。また為替相場は当期期初から円安・ドル高方向に変動しました。このような情勢のもと、当社グループの売上収益は、前年同期と比べ2.1%減(以下の比率はこれに同じ)の702億54百万円となりました。損益につきましては、事業利益は、4.3%減の65億62百万円、営業利益は、3.5%減の64億99百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、受取利息の増加、為替差益等により21.3%増の57億12百万円となりました。
(セグメント別販売状況)① 半導体関連材料[売上収益 20,159百万円(前年同期比 5.1%減)、事業利益 4,181百万円(同 7.9%減)]
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復およびEV化の加速により、モビリティ用途は堅調に推移しましたが、パソコン、スマートフォンなど民生向けの需要回復が遅れており、顧客での在庫調整が長期化していることから販売数量・売上収益が減少しました。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が堅調に推移しており、売上収益は前年同期並みで推移しました。半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要回復遅れ、顧客での在庫調整により、売上収益は前年同期を下回りました。半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、スマートフォン向け販売が回復途上にありますが、前年同期の水準には届きませんでした。
② 高機能プラスチック[売上収益 24,252百万円(前年同期比 6.3%減)、事業利益 1,052百万円(同 6.6%減)]
工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復を背景に自動車部品用途は堅調に推移しましたが、北米での自動車タイヤ用途、欧州での建築断熱材用途、およびアジア地区におけるパソコン、スマートフォンなどの民生用電気製品向けの部品用材料で販売数量が伸び悩み、売上収益は前年同期比で減少しました。銅張積層板は、エアコン用、車載用を中心に需要が低調で売上収益は減少しました。航空機内装部品は、旅客輸送の増加にともない航空機産業の経営環境が改善していることに加え、欧州における販売拠点拡充が奏功し売上収益は増加しました。
③ クオリティオブライフ関連製品[売上収益 25,669百万円(前年同期比 5.1%増)、事業利益 2,256百万円(同 10.5%増)]
医療機器製品は、国内病院向けの販売は前年同期並みでしたが、血液浄化関連製品が国内法人向けに加え、輸出も好調なことから、売上収益は大幅に増加しました。バイオ関連製品は、国内企業向けの在庫調整の影響等で売上収益は減少しました。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用がジェネリック医薬品向けで好調を持続し、食品包装用も堅調に推移したことから売上収益は前年同期比で増加しました。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、欧州向けのサングラス用偏光板で販売が回復しましたが、主力の国内建材用途の販売数量減が大きく、売上収益は前年同期比で減少しました。防水関連製品は、新築住宅メーカー向けを中心に需要が好調で売上収益は増加しました。
(2) 財政状態の状況①資産の部資産合計は、前連結会計年度末に比べ229億44百万円増加し、4,014億2百万円となりました。主な増減は、現金及び現金同等物および有形固定資産の増加であります。②負債の部負債合計は、前連結会計年度末に比べ76億74百万円増加し、1,284億40百万円となりました。主な増減は、コマーシャル・ペーパーの発行による増加であります。 ③資本の部資本合計は、前連結会計年度末に比べ152億70百万円増加し、2,729億62百万円となりました。主な増減は、四半期利益の計上および為替変動影響による増加と、配当金の支払による減少であります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結会計期間末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ100億73百万円増加し、1,096億92百万円となりました。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は71億48百万円となりました。これは主に、税引前四半期利益および減価償却費の計上による収入と、営業債務及びその他の債務の減少による支出の結果であります。前年同期と比べると40億88百万円の収入の増加となりました。 ②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動に用いた資金は34億12百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出と、定期預金の払戻による収入の結果であります。前年同期と比べると16億34百万円の支出の減少となりました。 ③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は9億48百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの発行による収入と、配当金の支払による支出の結果であります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第1四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。重要な会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は29億89百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。