【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における経済環境は、新型コロナウイルス感染影響からの回復が世界的にすすむ一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰や、中国のゼロコロナ政策堅持による行動制限の影響により中国国内での景気鈍化がみられました。また米国の政策金利上昇による日米金利差の拡大により、急速に円安・ドル高が進行しました。この様な情勢のもと、当社グループの売上収益は、円安為替評価による海外売上の増加に加え、原料価格上昇に対応して製品価格改定を行った結果、前年同期と比べ11.8%増(以下の比率はこれに同じ)の1,434億70百万円となりました。損益につきましては、高機能プラスチックセグメントでの販売数量減による収益悪化が足かせとなり、事業利益は、7.4%減の126億57百万円、営業利益は、7.7%減の124億82百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、10.2%減の92億30百万円となりました。
(セグメント別販売状況)① 半導体関連材料[売上収益 41,840百万円(前年同期比 14.5%増)、事業利益 8,793百万円(同 8.2%増)]
主力の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、前年度好調だったパソコンや中国製スマートフォンなど民生用の需要が反落し、在庫調整局面に入ったことから販売数量は若干減少しました。売上収益については原料価格上昇に伴う価格改定と円安影響により増加しました。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が好調持続し売上収益は大幅に増加しました。半導体用ダイボンディングペーストは、顧客での在庫調整により売上収益は前年同期並みで推移しました。半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、中国市場のスマートフォン需要が低迷したことで売上収益は減少しました。
② 高機能プラスチック[売上収益 50,817百万円(前年同期比 12.2%増)、事業利益 1,152百万円(同 65.3%減)]
工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、中国での新型コロナ感染再拡大による経済環境の悪化影響で電子・電機部品向けの販売数量が大幅に減少しました。自動車部品向けの販売も半導体不足による減産状況が解消されるまでに至っておらず販売数量は減少しました。原料価格上昇に対応して製品価格の改定に努めたこと、急速な円安が進行したことにより売上収益は増加しましたが、販売数量の減少分をカバーできず事業利益は前年同期を大きく下回りました。銅張積層板は、車載向けの販売数量は減少しましたが、エアコン用、LED照明用基板の販売好調と円安効果により売上収益は増加しました。航空機内装部品は、航空旅客輸送量の回復を背景に販売数量は増加しました。また、主要顧客が米国航空機メーカーのため、円安の影響を受けて売上収益は前年同期より大幅に増加しました。
③ クオリティオブライフ関連製品[売上収益 50,474百万円(前年同期比 9.3%増)、事業利益 4,491百万円(同 14.6%増)]
医療機器製品は、国内市場向けは主力の生理食塩液の需要減で販売実績は前年同期並みでしたが、北米向けの採血キット、アジア向けの血液バッグなど輸出販売が好調なことに加え、北米の製造拠点での販売も好調に推移し売上収益は大幅に増加しました。バイオ関連製品は、一般バイオ器材に対する国内需要が一服しましたが、輸出は好調で売上収益は前年同期水準を維持しました。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用途がジェネリック医薬品向けに好調を継続し、食品包装用途は肉製品用スキンパック向けの販売が好調で売上収益は増加しました。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、EV用絶縁材や車載用途など新規開発用途は順調に増加しましたが、基盤製品の店舗用サイン・ディスプレイ、建材用途は需要回復遅れにより売上収益は横ばいでした。防水関連製品は、新築住宅向け屋根防水工事および蓄熱層断熱防水工事が好調を継続し売上収益は増加しました。
(2) 財政状態の状況①資産の部資産合計は、前連結会計年度末に比べ115億57百万円増加し、3,823億94百万円となりました。主な増減は、棚卸資産および有形固定資産の増加と、現金及び現金同等物の減少であります。②負債の部負債合計は、前連結会計年度末に比べ124億3百万円減少し、1,262億98百万円となりました。主な増減は、コマーシャル・ペーパーの償還による減少であります。③資本の部資本合計は、前連結会計年度末に比べ239億60百万円増加し、2,560億96百万円となりました。主な増減は、四半期利益の計上および為替変動影響による増加と、配当金の支払による減少であります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ90億80百万円減少し、1,001億37百万円となりました。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は102億77百万円となりました。これは主に、税引前四半期利益および減価償却費の計上による収入と、棚卸資産の増加による支出の結果であります。前年同期と比べると41億35百万円の収入の減少となりました。 ②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動に用いた資金は99億12百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出と、定期預金の預入による支出の結果であります。前年同期と比べると61億69百万円の支出の増加となりました。 ③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動に用いた資金は193億35百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーの償還による支出と、配当金の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると84億66百万円の支出の増加となりました。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。重要な会計上の見積りについては、「第4
経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は57億87百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。