【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染第8波が広がりを見せる中でも、水際対策の緩和によってインバウンド需要が徐々に回復し、景気は緩やかに持ち直しております。しかしながら、ウクライナ情勢は依然長期化の様相を呈しており、世界的なインフレ、金融引き締めによる景気減速が懸念されております。また日本におきましても、12月に日銀が長期金利の変動幅の上限を0.25%程度から0.5%程度へ拡大することを発表すると、一気に円高が進みましたが、すぐには物価やエネルギー価格の下落には繋がらず、消費者マインドの悪化に伴う個人消費の落ち込みや企業業績の悪化が懸念されております。当社グループが属しておりますステンレス業界では、ニッケル市況は依然高値圏にあり、材料価格も高止まりとなっております。インフレによる一時的な仮需はありましたが、高い価格での買い控えは強く、製品在庫の荷動きは低調となっております。このような状況下におきまして、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は362億83百万円(前年同四半期比15.3%増)となりました。前年同四半期に比べ販売単価の上昇等により、売上高は増加しております。また、収益面におきましては、材料価格の上昇に伴う在庫評価益の増加等により、営業利益は52億27百万円(前年同四半期比19.2%増)となりました。経常利益は持分法による投資利益や受取配当金の増加が寄与し、55億60百万円(前年同四半期比18.8%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は39億33百万円(前年同四半期比17.9%増)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりです。(日 本)日本事業の売上高は345億96百万円(前年同四半期比14.2%増)、セグメント営業利益は50億48百万円(前年同四半期比21.2%増)となりました。製品部門別の売上高は以下のとおりです。ステンレス管部門は、配管用は数量が減少しましたが、製品価格の上昇により、また、自動車用は数量が増加し、製品価格も上昇したため、売上高は196億32百万円(前年同四半期比20.5%増)となりました。ステンレス条鋼部門は、数量は減少しましたが、製品価格の上昇により、売上高は82億67百万円(前年同四半期比6.4%増)となりました。ステンレス加工品部門は、家庭用金物製品については令和4年9月に販売がすべて終了し、売上は減少しましたが、給湯器用フレキ管が売上を伸ばし、売上高は9億50百万円(前年同四半期比12.2%増)となりました。鋼管部門は、建設仮設材用は数量が減少しましたが、製品価格が上昇したため、売上高は52億41百万円(前年同四半期比6.7%増)となりました。機械部門は、取引先の設備投資意欲が戻りつつあり、売上高は5億3百万円(前年同四半期比3.9%増)となりました。(インドネシア)インドネシア事業は、二輪車向けの数量が、現地のメーカー部品や世界的な半導体の不足の影響により一時減少しましたが、8月以降は回復に向かい、前年同四半期と同水準の販売数量を確保することができました。四輪車メーカーの新車投入効果もあり、四輪車向けの数量は大幅に増加しました。製品価格の上昇と円安の効果もあり、売上高は16億86百万円(前年同四半期比68.0%増)、セグメント営業利益は1億77百万円(前年同四半期比88.3%増)となりました。
(2) 財政状態の分析当社グループの当第3四半期連結会計期間末の総資産は647億87百万円となり、前連結会計年度末に比べて22億60百万円増加いたしました。総資産の増減の主なものは、現金及び預金の減少5億27百万円、電子記録債権の増加3億81百万円、棚卸資産の増加22億23百万円などであります。負債の部は8億99百万円減少いたしました。負債の部の増減の主なものは、未払法人税等の減少7億69百万円、賞与引当金の減少2億44百万円などであります。当第3四半期連結会計期間末の純資産は494億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて31億58百万円増加いたしました。これは、利益剰余金が28億45百万円増加したことに加え、その他の包括利益累計額が3億4百万円増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて2.3ポイント上昇し、76.3%となりました。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は47百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。