【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、長引くロシア・ウクライナ戦争の影響による物価高騰に加え、円安基調が続く中、企業業績や個人消費への影響が懸念される状況が続いております。
このような環境下、当社グループは、主力事業のファッション事業と美容事業による新たな成長戦略に取組んでおります。
ファッション事業(店舗運営事業)においては、顧客対策として、2000年の顧客管理システム導入から23年間蓄積した顧客購入データをAIの解析にかけ、再来店施策に活用する取り組みを開始しております。また高額商品の品揃えを充実させることで、前連結会計年度に増加したヘビーユーザー及び準ヘビーユーザー向けの商品展開に一層注力した他、引続き、アプリ会員獲得とプッシュ通知での新商品・季節商品・イベント・クーポン等、会員様にメリットのある情報伝達に努めております。
美容事業においては、商品戦略では「エイジレス」「ジェンダーレス」をコンセプトに組み込んだ新商品の展開を行います。第2四半期の発売に向け、年齢・性別関係なく推奨できるスキンケア商品の開発を進めており、ターゲット顧客の拡大を目指します。
流通戦略では有力ショップ限定のプロモーションや新製品の先行販売、専用什器・プロモーション什器導入による売場一等地のスペース確保など、大手バラエティストアでの販売強化、存在感UPに取り組んでおります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は1,863百万円(前年同四半期比19.2%増)、総額表示による売上高は2,108百万円(前年同四半期比14.2%増)となり、営業利益は47百万円(前年同四半期比13.9%増)となりました。しかしながら、円安の影響を大きく受けたことから為替差損28百万円を計上したことにより、経常利益は8百万円(前年同四半期比54.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4百万円(前年同四半期比69.0%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[ファッション事業]
ファッション事業においては、韓国コスメのセレクトショップ『&choa!』を1店舗出店し、輸入ブランド専門店『GINZA LoveLove』11店舗、『&choa!』12店舗の全23店舗体制で運営しております。『GINZA LoveLove』では、顧客対策として、AIを使った顧客データ解析による再来店施策に着手した他、アプリ会員への情報発信に努めるなど、売上高の確保に注力いたしましたが、コロナの分類変更が、行楽など他の消費行動に向かった影響もあり、売上高は820百万円(前年同四半期比9.5%減)、総額表示による売上高は1,065百万円(前年同四半期比10.5%減)、セグメント損失は21百万円(前年同四半期は6百万円のセグメント利益)となりました。
[美容事業]
美容事業においては、主力商品の売上が好調に推移したこと、大手バラエティストアへの販促を強化したこと、公式ECサイトでのセール企画が大きく貢献したことなどにより、売上高は952百万円(前年同四半期比50.7%増)となりました。しかしながら、円安による輸入原価への影響と為替差損の計上などにより、セグメント利益は98百万円(前年同四半期比5.0%増)に留まりました。
[賃貸部門]
賃貸部門においては、売上高は8百万円(前年同四半期比7.8%減)、セグメント利益は7百万円(前年同四半期比9.0%減)となりました。
[その他]
その他の部門では、売上高は81百万円(前年同四半期比76.8%増)、セグメント利益は13百万円(前年同四半期比537.1%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、総資産は5,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ144百万円増加いたしました。これは主に、商品が143百万円、売掛金が153百万円増加しましたが、預け金が50百万円減少した他、配当金の支払い、納税などにより現金及び預金が106百万円減少したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債につきましては、負債合計は4,227百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円増加いたしました。これは主に、社債が20百万円、長・短借入金が合計で41百万円、納税などにより未払法人税等が14百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が224百万円増加したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産につきましては、純資産合計は862百万円となり、前連結会計年度末に比べ7百万円減少いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が8百万円増加しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益4百万円の計上と利益剰余金の配当20百万円により、利益剰余金が16百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は16.8%(前連結会計年度末は17.5%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間の実店舗での小売による売上高構成比は41.7%となっており、縮小過程にはありますが、当社グループの主力事業のひとつであります。特にブランドファッションの『GINZA LoveLove』店舗では、比較的単価の高い商材を取扱っていることもあり、顧客とのコミュニケーションの質と頻度を高めていくことが不可欠な商売と考えております。お客様のニースを的確に捉え、いつ来ていただいてもご満足いただける品揃えと接客が経営成績を左右する要因といえます。
加えて、近年、自然災害や感染症の流行など、店舗運営事業の経営成績に影響を及ぼすリスク要因が増大しており、今後の小売業の店舗運営の在り方を問われているといえます。小売業はお客様あってのものです。店舗スタッフを通してお客様の声を聞き、安心してお買い物を楽しんでいただける場を作ることが重要であると考えております。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運転資金及び設備投資資金であります。
当第1四半期連結累計期間におきましては、金融機関からの調達により、設備投資資金45百万円を調達しております。
商品販売を主力事業とする当社にとって、商品在庫を効率よくコントロールすることが資金の流動性を確保することにつながるものと判断しております。