【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」と
いう。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症による行動制限は徐々に緩和されましたが世界的な半導体供給不足による生産阻害、原材料やエネルギー価格高騰による物価上昇が企業業績や個人消費に影響を与えるなど先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当企業グループの連結売上高は、457億9千2百万円、連結営業利益は、2億3千7百万円、連結経常利益は5億9千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億4千7百万円となりました。
なお、当企業グループは各種合成表皮材の単一セグメントで事業活動を展開しております。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2.4%減少し、529億5千1百万円となりました。
資産の部では、流動資産は前連結会計年度末に比べ1.7%減少し、295億6千2百万円となりました。これは主として売掛金が減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ3.3%減少し、233億8千9百万円となりました。これは主として投資有価証券が減少したことによります。
負債の部では、流動負債は前連結会計年度末に比べ6.4%減少し、159億2千5百万円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が減少したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ3.4%減少し、24億9千5百万円となりました。これは主として、その他に区分されているリース債務が減少したことによります。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ0.4%減少し、345億3千万円となりました。これは主として利益剰余金が減少したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億2千6百万円増加し、92億9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、29億6千万円の収入となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるもので、前期に比べ6百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、19億4千1百万円の支出となりました。
これは主に有形固定資産の取得によるもので、前期に比べ8億5百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億3百万円の支出となりました。
これは主に配当金の支払いによるもので、前期に比べ7億1千6百万円の支出減少となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当企業グループは各種合成表皮材の単一セグメントで事業活動を展開しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を用途別に示すと、次のとおりであります。
用途別
当連結会計年度
生産高(百万円)
前期比(%)
車両用
37,990
△9.7
住宅・住設用
3,293
7.9
ファッション・生活資材用
4,018
4.2
計
45,301
△7.5
(注)金額は販売価格によります。
b.受注実績
当連結会計年度の受注高および受注残高を用途別に示すと、次のとおりであります。
用途別
当連結会計年度
受注高
受注残高
金額(百万円)
前期比(%)
金額(百万円)
前期比(%)
車両用
38,453
7.5
1,983
△6.7
住宅・住設用
3,150
9.4
349
△8.2
ファッション・生活資材用
3,974
48.9
131
△22.8
計
45,578
10.3
2,465
△8.0
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を用途別に示すと、次のとおりであります。
用途別
当連結会計年度
販売高(百万円)
前期比(%)
車両用
38,596
△3.9
住宅・住設用
3,181
3.8
ファッション・生活資材用
4,013
4.3
計
45,792
△2.8
(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
林テレンプ㈱
14,052
29.8
13,764
30.1
(注)前連結会計年度において、営業外収益に含めていたファッション・生活資材用商品のインターネットに
よる個人向け販売の収益は、当連結会計年度より売上高として表示することとしました。前連結会計年度
においては、当該表示方法の変更が反映された連結売上高を用いて算出した割合を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当企業グループの当連結会計年度における経営成績等は、連結売上高は457億9千2百万円と前期(470億9千6百万円)に比べ2.8%の減少となりました。連結営業利益は2億3千7百万円と前期(18億4千万円)に比べ87.1%の減少となり、連結経常利益は5億9千1百万円と前期(22億8千5百万円)に比べ74.1%の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は3億4千7百万円と前期(16億8千4百万円)に比べ79.4%の減少となりました。
a.連結売上高
連結売上高は、457億9千2百万円と前期(470億9千6百万円)に比べ2.8%の減少となりました。
売上高を用途別にみますと、車両用につきましては、主として当社の主要顧客である自動車メーカーからの受注
減少などにより、385億9千6百万円と前期(401億8千1百万円)に比べ3.9%の減少となりました。一方、拡販活動の成果などにより、住宅・住設用につきましては、31億8千1百万円と前期(30億6千5百万円)に比べ3.8%の増加となり、ファッション・生活資材用につきましては、40億1千3百万円と前期(38億4千8百万円)に比べ4.3%の増加となりました。
b.連結営業利益
連結営業利益は、原価改善など収益の確保に努めてまいりましたが、売上高の減少や原材料・燃料価格高騰による影響が大きく、2億3千7百万円と前期(18億4千万円)に比べ87.1%の減少となりました。
c.連結経常利益
連結営業外収益は、持分法による投資利益の減少などにより、4億4千3百万円と前期(5億7千万円)に比べ、22.3%の減少となりました。
連結営業外費用は、固定資産除却損の減少などにより、8千9百万円と前期(1億2千6百万円)に比べ、29.0%の減少となりました。
以上の結果、連結経常利益は5億9千1百万円と前期(22億8千5百万円)に比べ74.1%の減少となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、3億4千7百万円と前期(16億8千4百万円)に比べ79.4%の減少となり、1株当たり当期純利益は14円41銭となりました。
当企業グループの当連結会計年度における財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に
記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当企業グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資金需要
資金需要の主なものは、設備投資等の長期資金需要と製品の製造のための原材料等購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.資本の財源及び資金の流動性
経営環境の急速な悪化などの不測の事態や大規模投資に対応できる強固な財務体質を維持しつつ、成長投資と株主還元充実に努めております。通常の運転資金に加え設備投資等の長期資金需要に対しては主に内部留保により対応しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたり、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については 「第5 経理の状況」にある注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。