【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況新中期経営計画『VISION25/30』の3次年度のスタートとなる当第1四半期連結累計期間のグループ連結業績は、全主要事業において増収となり、特に半導体資材事業については、サプライチェーン上の在庫調整による大規模な減産は解消し、販売数量は前年同期比34.4%増と大きく回復しました。衛生検査器材事業においてもアフターコロナにおける需要は順調に推移し、株式会社HIROTSUバイオサイエンス向けがん検査『N-NOSE』用シャーレの受注に関しても堅調に推移しました。PIM事業においては自動車用ターボ部品の出荷を再開するとともに、高機能部品の販売も好調に推移しました。しかしながら、高騰が続く原材料費の影響は、衛生検査器材事業のシャーレの主原料であるPS(ポリスチレン)材及び、半導体資材事業のスペーサーテープの主原料であるPETフィルム等の原価を押し上げ、高止まり感を見せつつも引き続き利益圧迫要因となりました。またPIM事業においては、自動車用ターボ部品の開発・量産設備にかかる減価償却費の増加により、PIM事業単独では10百万円の営業損失となりました。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高864百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益89百万円(前年同期比54.3%増)、経常利益102百万円(前年同期比71.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は76百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。なお、当第1四半期連結会計期間より事業セグメントの記載順序を変更しております。
① 半導体資材事業当事業においては、当第1四半期連結累計期間の販売数量は2,171万mとなり、前年同期比34.4%増と大きく伸長しました。コロナ特需後の液晶パネルの過剰在庫により前第1四半期連結累計期間は大幅な在庫調整を行っておりましたが、前第4四半期連結会計期間以降回復に転じ、当第1四半期連結累計期間も好調に推移しコロナ前の水準に回復しております。また円安・韓国ウォン/台湾ドル高の恩恵を受ける当事業におきましては、第2四半期連結会計期間以降も為替の動向は、比較的良好に推移するものと推測していることから、その恩恵を十分に受け、引き続き高い利益水準で推移するものと思われます。以上の通り市場や為替の動向については良好な状況ではありますが、不確定な要素もあるため、引き続き注視して参ります。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は349百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益51百万円(前年同期比169.1%増)となりました。
② 衛生検査器材事業当事業においては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い外食需要はコロナ禍以前とほぼ同水準まで回復している中、内食・デリバリー及びテイクアウト需要も一定の水準で保たれ、主たる顧客の販売も好調に推移致しました。その結果、食品及び医薬品製造企業をメインとした主たる顧客からの受注状況は現時点において好調を継続しております。株式会社HIROTSUバイオサイエンス向けがん検査『N-NOSE』用シャーレの受注に関しても堅調に推移しております。原価面においては、シャーレの主原料であるPS(ポリスチレン)材の価格は若干の落ち着きが見られるものの依然高止まりが続いております。製造合理化による原価低減を積極的に推進するとともに、引き続き販売価格の引き上げに取り組みました。しかし、収益の悪化相当分を吸収できる状況に至らず、売上総利益率は低調な結果となりました。販売管理費においては前年並みに抑えることができたこと、且つ運送費低減施策により収益の確保に努めました。今後も更なる生産合理化の推進、適切な販売管理費の投入、販売価格の引き上げ、培地を代表とする高付加価値製品を製造販売していくことにより収益の確保に努めて参ります。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は470百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益43百万円(前年同期比57.1%増)となりました。
③ PIM(パウダー・インジェクション・モールディング)事業当事業においては、自動車用ターボ部品5アイテムについて、取引先起因の諸問題や当社への切り替えに伴う在庫調整により受注が一時的にストップしておりましたが、当第1四半期連結累計期間に供給を再開しました。併せてCMOSセンサー用セラミックス部品やボールねじ用部品等の高機能部品の受注についても好調に推移しました。費用面においては、自動車用ターボ部品の開発・量産設備にかかる減価償却費が大幅に増加する結果となりました。また、新規案件として新たに一般機械、半導体製造装置、産業用ロボット、工作機械の搬送・位置決め等に使用される高機能部品の新金型2面を試作開発中であります。併せて将来の自動車の電動化に向けた窒化アルミ製放熱基板の商品化にも注力して参ります。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は35百万円(前年同期比17.2%増)、営業損失10百万円(前年同期は営業利益8百万円)となりました。
④その他の事業不動産賃貸業当事業においては、2021年12月より不動産賃貸業としてスタートしました。2024年3月期連結会計年度においても引き続き、高騰する原材料費やエネルギーコストに対するリカバリー策として進めて参ります。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は8百万円、営業利益3百万円(前年同期比84.8%増)となりました。
財政状態の分析は次の通りであります。(資産)流動資産は、1,867百万円(前連結会計年度末は1,764百万円)、102百万円の増加(前連結会計年度末比5.8%増)となりました。これは、「現金及び預金」が13百万円、「売掛金」が39百万円、「原材料及び貯蔵品」が27百万円増加したこと等によるものです。固定資産は、3,886百万円(前連結会計年度末は3,880百万円)、5百万円の増加(前連結会計年度末比0.1%増)となりました。これは、設備投資により78百万円増加し、減価償却費により79百万円減少したこと等によるものです。この結果、総資産は、5,754百万円(前連結会計年度末は5,645百万円)、108百万円の増加(前連結会計年度末比1.9%増)となりました。
(負債)流動負債は、1,704百万円(前連結会計年度末は1,514百万円)、190百万円の増加(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。これは、「支払手形及び買掛金」が46百万円、「電子記録債務」が51百万円、「短期借入金」が50百万円、「流動負債その他」(未払費用)が55百万円、「流動負債その他」(設備関係未払金)が40百万円増加する一方、「1年内返済予定の長期借入金」が30百万円、「賞与引当金」が19百万円減少したこと等によるものです。固定負債は、1,973百万円(前連結会計年度末は2,116百万円)、143百万円の減少(前連結会計年度末比6.8%減)となりました。これは、「長期借入金」が139百万円減少したこと等によるものです。この結果、負債合計は、3,678百万円(前連結会計年度末は3,631百万円)、46百万円の増加(前連結会計年度末比1.3%増)となりました。
(純資産)純資産は、2,075百万円(前連結会計年度末は2,014百万円)、61百万円の増加(前連結会計年度末比3.1%増)となりました。これは、「利益剰余金」が32百万円、「為替換算調整勘定」が29百万円増加したこと等によるものです。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は33百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。