【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間のグループ連結業績は、衛生検査器材事業及びPIM事業の売上高は共に創業以来過去最高を更新致しました。半導体資材事業については、コロナ禍の巣ごもり特需の一服や世界的なインフレに伴う液晶パネル需要の大幅な減少により、サプライチェーン上の在庫調整による大規模な減産が継続していることから大幅な減収となりました。しかしながら足元では在庫調整が一段落し、やや回復の兆しが見えてきておりますが、依然として本格的な回復に至っておらず、しばらく先行き不透明な状態が続くものと見込んでおります。また、衛生検査器材事業のシャーレの主原料であるPS(ポリスチレン)材をはじめ、半導体資材事業のスペーサーテープの主原料であるPETフィルム、各種梱包資材等、多くの資材価格の高騰に加え電力をはじめとしたエネルギーコストについても高騰しております。さらに、半導体資材事業の円安・韓国ウォン/台湾ドル高による韓国、台湾への輸出効果は出荷数量の大幅減により限定的となりました。費用面については、販売管理費において当第3四半期連結累計期間で前年同期比5.8%減、54百万円の大幅な圧縮を行いました。衛生検査器材事業及び半導体資材事業の2大コア事業においては在庫調整と生産の効率化により稼働日数を減らし、併せて間接部門においての輪番制出勤を実施することにより雇用調整助成金の支給を受け、減産による利益の減少を補填しております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,212百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益151百万円(前年同期比43.9%減)、経常利益169百万円(前年同期比43.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は132百万円(前年同期比14.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。なお、第2四半期連結会計期間より事業セグメントの記載順序を変更しております。
① 衛生検査器材事業新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式における食生活の変化により、食品衛生業界の産業構造が大きく変化する中、内食・デリバリー及びテイクアウト需要による主たる顧客の販売は引き続き好調に推移致しました。さらに、全国旅行支援等の影響もあり外食需要はコロナ禍以前に近い水準まで戻ってきている業態もあり、引き続き受注状況は好調を継続しております。株式会社HIROTSUバイオサイエンス向けがん検査『N-NOSE』用シャーレの受注に関しても堅調に推移しております。さらに、2022年10月には新たな販売拠点として東京、大阪、福岡に続き静岡営業所(静岡県浜松市)を開設し、当該エリアの顧客へきめ細やかなフォローと、さらなる販売伸長に向けて活動を開始致しました。原価面においては、シャーレの主原料であるPS(ポリスチレン)材の価格は若干の落ち着きはありますが、依然高止まりが続いております。製造合理化による原価低減を継続して積極的に推進するとともに、販売価格の引き上げに引き続き取り組みました。しかし、収益の悪化相当分を吸収できる状況に至らず、利益としては第2四半期連結累計期間に続き低調な結果となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,355百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益72百万円(前年同期比42.0%減)となりました。
② PIM(パウダー・インジェクション・モールディング)事業半導体製造設備関係等の需要が旺盛である影響を受け、産業用ロボット、工作機械の搬送・位置決め等に使用されるTHK株式会社向けボールねじ用部品、セラミックス製CMOSセンサー等に使用される高機能部品は大幅な受注増となりました。新たに受注した直動型ベアリング部品は、産業用ロボット、工作機械の搬送に使用されますが、こちらにおきましても大幅な受注増となりました。さらに、新たな案件の引き合いも増加しており、引き続き早急な量産化を目指して参ります。自動車用ターボ部品については8月より量産品の出荷を再開致しましたが、取引先起因の諸問題や当社製品への切り替えに伴う在庫調整により受注が一時的にストップしておりましたが、第4四半期連結会計期間より出荷再開の見通しとなっております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は121百万円(前年同期比23.6%増)、営業利益27百万円(前年同期比13.2%減)となりました。 ③ 半導体資材事業当事業においては、当第3四半期連結累計期間の販売数量は4,181万mとなり前年同期比36.2%減と大きく減少しました。前回ご報告の通り6月末~7月末にかけて液晶パネルの在庫がピークを迎えた事から第2四半期連結会計期間での出荷数量は986万mと低調に推移しましたが、当第3四半期連結会計期間では1,579万mと回復基調にあります。また、報道によりますと液晶パネルの価格も2022年9月に底を打ち、ゆるやかな上昇傾向に転じておりますが、近年稀に見る液晶パネルが在庫過多の状態にあった影響は大きく、依然として本格的な回復に至っておりません。本格的な回復時期は現在精査しており、しばらく先行き不透明な状態が続くものと思われます。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は710百万円(前年同期比27.2%減)、営業利益46百万円(前年同期比59.1%減)となりました。
④ その他の事業不動産賃貸業当事業においては、2023年3月期連結会計年度において34百万円の収入を見込んでおり、高騰する原材料費、エネルギーコストのリカバリー策として引き続き進めて参ります。東海・近畿の中間点として名神高速道路からのアクセス1分のロケーションと広大な敷地での需要は非常に高く、大手物流・FAシステムメーカー等に賃貸しております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は25百万円(前年同期比800.0%増)、営業利益5百万円(前年同期比435.7%増)となりました。
財政状態の分析は次の通りであります。 (資産)流動資産は、1,820百万円(前連結会計年度末は1,920百万円)、100百万円の減少(前連結会計年度末比5.2%減)となりました。これは、「売掛金」が71百万円、「原材料及び貯蔵品」が83百万円増加する一方、「現金及び預金」が195百万円、「商品及び製品」が37百万円減少したこと等によるものです。固定資産は、3,911百万円(前連結会計年度末は3,871百万円)、40百万円の増加(前連結会計年度末比1.0%増)となりました。これは、設備投資により230百万円増加し、減価償却費により198百万円減少したこと等によるものです。この結果、総資産は、5,731百万円(前連結会計年度末は5,791百万円)、59百万円の減少(前連結会計年度末比1.0%減)となりました。
(負債)流動負債は、1,520百万円(前連結会計年度末は1,498百万円)、22百万円の増加(前連結会計年度末比1.5%増)となりました。これは、「電子記録債務」が143百万円増加する一方、「支払手形及び買掛金」が29百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が49百万円、「賞与引当金」が29百万円減少したこと等によるものです。固定負債は、2,212百万円(前連結会計年度末は2,390百万円)、178百万円の減少(前連結会計年度末比7.5%減)となりました。これは、「長期借入金」が162百万円減少したこと等によるものです。この結果、負債合計は、3,732百万円(前連結会計年度末は3,888百万円)、156百万円の減少(前連結会計年度末比4.0%減)となりました。
(純資産)純資産は、1,998百万円(前連結会計年度末は1,902百万円)、96百万円の増加(前連結会計年度末比5.1%増)となりました。これは、「利益剰余金」が88百万円増加したこと等によるものです。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は127百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。