【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期累計期間におきましては、7月以降感染力の高い新たな変異ウイルスにより、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)の新規感染者数は拡大と収縮が繰り返されており、海外情勢並びに為替の影響等によるエネルギー資源の高騰等先行き不透明な状況が続いております。
国土交通省が発表する宿泊旅行統計調査(令和4年10月・第2次速報、令和4年11月・第1次速報)にて、宿泊事業全体の延べ宿泊数は10月4,427万人泊(前年同月比38.0%増、2019年同月比11.6%減)、11月4,570万人泊(同23.7%増、同8.0%減)と前年と比較すると回復傾向になりました。
政府による外国人の新規入国制限の一部が緩和され、訪日外国人は増加しているものの、2019年同月には届かない状況であります。また当社の属するビジネスホテルの稼働率に関しては、10月64.0%(前年同月比12.9%増、2019年同月比13.3%減)、11月65.1%(同7.9%増、同14.8%減)と、回復基調ではありますが2019年と同程度の稼働状況に回復するには、まだ時間が掛かる状況であります。
こうした経済環境のもとで、当社は感染症拡大防止対策をはじめとして、お客様に安心・安全にご利用頂けるホテル運営を行いました。インターネット等を利用した広告宣伝の強化、長期宿泊者用プランの販売や栄養バランスを考慮したお弁当付きプラン等の販売に取り組みました。また各都道府県及び市町村が実施している全国旅行支援などの宿泊割引キャンペーンへ参加をし、宿泊稼働率の維持及び経費削減に努めました。
訪日外国人の減少による近隣宿泊施設の稼働率及び宿泊単価低下やエネルギー資源の高騰による影響を一部受けたものの、宿泊ニーズの高い立地での運営に加え、客室単価の調整を需要に合わせ細やかに行った結果、前々期までに開業した既存31店舗の第3四半期累計期間平均宿泊稼働率は82.0%(前年同期比5.0ポイント減)となりました。
当第3四半期累計期間におきましては、2022年4月愛知県安城市内に4店舗目となる「ABホテル安城」を出店し、新規開業店舗を含め運営店舗は33店舗となり、客室数は4,334室となりました。
この結果、当第3四半期累計期間における売上高は6,490百万円(前年同期比37.4%増)、営業利益2,199百万円(同229.5%増)、経常利益2,157百万円(同244.3%増)、四半期純利益1,313百万円(同260.6%増)となりました。またこの様な状況下ではありますが、営業利益、経常利益、四半期純利益は、いずれも第3四半期累計期間における過去最高益を更新いたしました。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ706百万円増加の21,147百万円となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が938百万円、売掛金が239百万円増加した一方、減価償却等によって有形固定資産が502百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債総額は、前事業年度末に比べ549百万円減少の13,350百万円となりました。主な要因といたしましては、未払法人税等が253百万円増加した一方、長期借入金が791百万円、長期リース債務が113百万円それぞれ返済により減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度末に比べ1,256百万円増加し7,797百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。
なお、自己資本比率は36.9%(前事業年度末は32.0%)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第3四半期累計期間において、前事業年度末より当社の従業員数(臨時社員を含む)は、30名減少し127名となりました。主な要因は、自社での清掃を外部委託に変更したためであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは、人件費及び販売手数料であります。
今後も「ABホテル」の開発により、設備投資資金の需要は大きくなるものと予想されますが、リースバック方式の導入等資金需要の伴わない開発の割合を増加させ、投資による資金需要を最小限に抑える創意工夫を行ってまいります。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
感染症の影響は、引き続き当社の事業に影響を及ぼすものと推測しております。安心・安全にご利用頂けるホテルを目指すためにも感染拡大防止策に努め、まずもって既存店の収益力回復に注力してまいります。新たな販売プランのご提供など、市場のニーズを適切に捉えた商品をご提供し稼働率の維持及び向上を図るとともに、経費削減を継続的に取組んでまいります。また、成長戦略として新規出店を行う方針に変わりはないものの、感染症の影響により不動産市況においても相当程度の影響が発生するものと推測しておりますので、市場環境等を見極めたうえで、年間3店舗以上を目標に新規開発を行ってまいります。
また、新規開発に伴う設備投資額については、建設プランの見直し等により開発コストの低減に努めるとともに、投資コストに見合う収益構造の構築に取組んでまいります。
今後の成長戦略においては、新規開発物件の徹底した市場調査、資金調達の多様化を図り、継続した成長戦略を推進できる体制を構築するとともに、新商品の開発に取組んでまいります。
#C6565JP #ABホテル #サービス業セクター