【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から社会・経済活動が正常化に向けて動き出したものの、米欧を中心としたインフレ抑制策としての金融引き締めの影響で世界経済の減速の懸念が高まっています。当社が事業展開している医療機関におきましても、新型コロナウイルス感染症第8波の影響により医療従事者の負荷が高まる状況は継続し、経営環境は依然として流動的です。そのような環境で、2022年10月に内閣総理大臣を本部長とする「医療DX推進本部」が設置され、医療DXに関する施策をスピード感をもって推進するために、2023年春を目途に工程表が策定されることとなりました。施策としては、1月からの電子処方箋の運用開始や、4月からの医療機関や薬局におけるオンライン資格確認の原則義務化等が実施され、医療分野におけるIT活用のニーズが益々高まっています。加えて、電子カルテシステム等のソリューションやクラウド技術、AIなどのテクノロジーは、社会的課題である社会保障費の抑制や医療サービスの地域格差解消、医師を始めとした医療従事者の働き方改革の支援等においても、一層重要性が増しています。このような状況の下、複数の医療機関を展開する医療法人へのプライベートクラウド(※1)型システムの導入、既存顧客のリプレイス需要と新規顧客のパブリッククラウド(※2)需要の取り込みに注力し、医療DX関連のシステムの開発、販売、導入を継続してまいりました。また、開発・技術部門では、顧客のニーズに沿ったシステム機能の充実と信頼性の向上という方針を継続し、システムの機能強化とバージョンアップを促進するとともに、先進的なテクノロジーの研究、顧客医療機関に対するサポート体制の強化、顧客満足度の向上に努めてまいりました。以上の結果、当事業年度の業績は、売上高5,050,266千円(前期比12.5%増)、営業利益547,571千円(前期比7.1%減)、経常利益592,852千円(前期比6.0%減)、当期純利益419,387千円(前期比0.7%減)となり、売上高は上場以来過去最高となりましたが、ハードウェア等仕入の材料費、開発エンジニア等の人材確保による労務費の増加により、増収減益となりました。また、受注高は過去最高の3,541,549千円(前期比9.3%増)となり、引き続き堅調に推移しました。
(※1)プライベートクラウドとは、医療機関内に構築したクラウド環境で、同一医療法人内の複数施設から専用回線を通じてサーバにアクセスし、アプリケーションを使用すること(※2)パブリッククラウドとは、データセンターを利用したクラウドで、医療機関内にサーバを設置せずにアプリケーションを使用すること
なお、財政状態につきましては、後記の「第2
事業の状況
3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末より30,049千円増加し、1,854,155千円となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動により得られた資金は、179,730千円(前事業年度は284,297千円の収入)となりました。主な要因は、受取賃貸料79,892千円、売上債権の増加644,107千円、法人税等の支払額244,771千円などの資金減少があったものの、税引前当期純利益の計上595,119千円、仕入債務の増加560,968千円などの資金増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動により使用した資金は、4,747千円(前事業年度は1,006千円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入937,062千円などの資金増加があったものの、定期預金の預入による支出997,078千円などの資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動により使用した資金は、144,933千円(前事業年度は401,854千円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出23,165千円、配当金の支払118,852千円などの資金減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当事業年度の生産実績を示すと、次のとおりであります。
事業部門
当事業年度(自
2022年 1月 1日至
2022年12月31日)
システム事業
生産高
(千円)
前年同期比 (%)
3,666,163
128.2
(注) 金額は当期総製造費用によっております。
b.受注実績当事業年度の受注実績を種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別
当事業年度(自
2022年 1月 1日至
2022年12月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
システムソフトウェア
2,284,155
107.0
1,069,137
91.7
ハードウェア
1,257,394
113.8
477,249
96.2
合計
3,541,549
109.3
1,546,387
93.1
c.販売実績当事業年度の販売実績を種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別
当事業年度(自
2022年 1月 1日至
2022年12月31日)
販売高
(千円)
前年同期比 (%)
システムソフトウェア
2,380,982
109.7
ハードウェア
1,276,002
122.6
保守サービス等
1,393,281
109.1
合計
5,050,266
112.5
(注) 1.当事業年度の保守サービス等には、損益計算書上の売上高区分の「商品売上高」38,752千円が含まれております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前事業年度(自 2021年 1月 1日 至 2021年12月31日)
当事業年度(自 2022年 1月 1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
鹿児島県
-
-
684,371
13.6
※ 前事業年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産) 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、流動資産が813,316千円増加し、固定資産が27,302千円減少した結果、786,014千円増加し、6,549,505千円となりました。流動資産の増加は、主に受取手形が29,699千円減少したものの、現金及び預金が90,065千円、売掛金が673,807千円、仕掛品が64,864千円それぞれ増加したことによるものです。一方、固定資産の減少は、主に有形固定資産が11,241千円、投資その他の資産が15,265千円それぞれ減少したことによるものです。(負債) 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ、流動負債が478,521千円増加し、固定負債が7,724千円減少した結果、470,796千円増加し、3,613,380千円となりました。流動負債の増加は、主に未払法人税等が64,107千円、未払消費税等が75,510千円それぞれ減少したものの、支払手形が399,505千円、買掛金が161,462千円それぞれ増加したことによるものです。また、固定負債の減少は、主に長期借入金が17,520千円減少したことによるものです。(純資産) 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ、315,217千円増加し2,936,124千円となりました。その主な要因は、譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金が7,594千円、資本剰余金が7,594千円それぞれ増加したことに加え、当期純利益の計上419,387千円、配当による利益剰余金の減少119,358千円によるものです。なお、自己資本比率は44.8%となりました。
b. 経営成績の分析(売上高)売上高は、医療DX関連のシステム需要の高まりや大型案件の受注売上に加え、導入件数の増加に伴う保守を含めた売上の伸長の結果、前事業年度に比べ561,020千円増加し5,050,266千円(前期比12.5%増)となりました。種類別の内訳では、システムソフトウェアが9.7%増加の2,380,982千円となり、ハードウェアが22.6%増加の1,276,002千円、保守サービス等が9.1%増加の1,393,281千円となりました。(売上総利益)売上総利益は、売上高の増加561,020千円から売上原価の増加570,652千円を差し引き、前事業年度に比べ9,631千円減少し1,442,285千円(前期比0.7%減)となりました。システム売上原価の内訳では、当期製造費用において外注費が低下したものの、材料費や将来への継続的な安定成長に向けた開発人財への投資により労務費が上昇しました。(営業利益、経常利益)営業利益は、売上総利益が9,631千円減少し、販売費及び一般管理費が32,326千円増加したことにより、前事業年度に比べ41,958千円減少し547,571千円(前期比7.1%減)となりました。さらに営業外損益の45,280千円(益)が加わり、経常利益は、前期比6.0%減少の592,852千円となりました。
(当期純利益)税引前当期純利益は、特別利益として関係会社株式売却益10,000千円、特別損失として投資有価証券売却損7,733千円を計上したものの、経常利益の減少により、前事業年度に比べ26,863千円減少し595,119千円(前期比4.3%減)となりました。当期純利益は、法人税額の特別控除等により法人税、住民税及び事業税が32,214千円減少したものの、法人税等調整額が8,510千円増加したことにより、0.7%減少の419,387千円となりました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について当社は、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資家の投資判断、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、リスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、詳細につきましては、本書「第2
事業の状況
2
事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について当社は、経営資源を総合医療情報システムの開発、販売、導入指導に集中させ、その基幹システムであるWeb型電子カルテシステムの市場拡大に取り組んでまいりました。近年、医療機関をとりまく環境は大きく変わろうとしており、より質の高い医療サービス、システムが求められております。中でも、医療分野のICT化は国の掲げる政策であり、ICTの普及による医療の効率化、医療費の削減が喫緊の課題となっております。このような環境下、当社では、ICT化の代表的な指標である医療機関における電子カルテシステムの稼働施設数のアップを推進してまいります。このような導入推進とともに、システムの機能強化、次世代システムの開発に取り組むことが、当社の更なる成長の基盤となる見通しです。なお、詳細につきましては、本書「第2
事業の状況
1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、本書「第2
事業の状況
3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社の資金需要は、主に運転資金、設備資金需要ですが、今後の事業展開を考慮しますと、研究開発資金需要が増えることが想定されます。運転資金、設備資金については、自己資金で賄うことを原則としておりますが、場合により銀行借入による資金調達も選択肢の一つとしております。また研究開発資金については、有価証券発行による資金調達も視野に入れ、総合的にその調達先を判断する方針であります。なお、当事業年度につきましては、運転資金の支出はすべて営業キャッシュ・フローにより賄っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。なお、当社の採用する重要な会計方針及び新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。
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