【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、インフレの継続に加えて、ウクライナ情勢に起因するグローバルな原材料供給の制約、エネルギー価格の高騰などにより、不安定な状況が続きました。 日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症となり、行動制限の緩和によって経済活動が正常化しつつあるものの、原材料価格の高止まりや円安を背景とした物価上昇が経済活動に影響を及ぼしました。 このような環境下、当社グループの海外事業は、世界的な景気後退により欧米の粘接着剤用樹脂が低迷した他、中国の紙、板紙の生産量減少の影響を受け、売上高は前年同四半期に比べ減少しました。利益面は、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、前年同四半期に比べ減少しました。 国内事業は、市場価格が上昇したこともあり、売上高は前年同四半期並みとなりましたが、利益面では製造原価の上昇により、前年同四半期に比べ減少しました。その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は225億9千6百万円となり、前年同四半期に比べ4億1千1百万円(1.9%)の増収となりました。利益面では、エネルギー価格高騰などによる製造原価上昇もあり、営業損失は3億7千2百万円(前年同四半期は営業利益13億4千万円)となりました。経常損失は2億3千8百万円(前年同四半期は経常利益16億4千3百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億3千8百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益8億9千5百万円)となりました。 当社グループの部門別経営成績の概況は次の通りであります。
(樹脂化成品) 売上高は、市場価格が上昇したことにより52億1百万円と、前年同四半期に比べ5億6百万円(10.8%)の増収となりました。営業利益は原材料価格など製造原価の上昇により6千6百万円の営業損失(前年同四半期は営業利益5千8百万円)となりました。 塗料用樹脂は、春先の需要期に入り一般家庭や工場などの塗替え需要が前年同四半期並みに推移しましたが、売上高は原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、増加しました。 印刷インキ用樹脂は、商業用印刷や新聞などに使用されるインキの需要が前年同四半期に比べ減少しましたが、売上高は原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、増加しました。 合成ゴム用乳化剤は、タイヤ生産量は前年同四半期比に比べ増加しましたが、合成ゴムの在庫調整の影響を受け、乳化剤の販売数量は前年同四半期に比べ減少しました。売上高は原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、増加しました。
(製紙用薬品) 売上高は、53億3千8百万円と前年同四半期に比べ1億9千4百万円(△3.5%)の減収となりました。営業利益は、1億6千9百万円となり、原材料価格など製造原価上昇の影響を受け、前年同四半期に比べ2億2千8百万円(△57.4%)の減益となりました。 紙力増強剤は、国内では、段ボール需要が前年同四半期に比べ減少し、中国においても、紙、板紙の生産量が前年同四半期に比べ減少したことにより、売上高は減少しました。 サイズ剤は、国内では、新聞用紙、印刷・情報用紙の需要が低迷したことにより、売上高は減少しました。 米国では、紙、板紙の生産量が前年同四半期に比べ減少しましたが、原材料価格高騰により市場価格が上昇したことから、売上高は増加しました。
(電子材料) 売上高は、はんだ材料事業の買収による事業拡大で27億9千4百万円と、前年同四半期に比べ9億4千2百万円(50.9%)の増収となりました。営業利益は2千3百万円となり、原材料価格高騰による影響及びはんだ材料事業の償却費増加で、前年同四半期に比べ1億4千4百万円(△86.0%)の減益となりました。 はんだ付け材料は、事業買収により海外事業が拡大し、売上高は増加しました。 熱交換器用ろう付け材料は、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、売上高は前年同四半期並みに回復しました。 半導体用機能性樹脂は、パソコン、スマートフォン需要の落ち込みにより、売上高は減少しました。
(ローター) 売上高は、世界的な景気後退に伴う需要減少により、83億8百万円と、前年同四半期に比べ13億3百万円(△13.6%)の減収となりました。営業利益は、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより、4億2千2百万円の営業損失(前年同四半期は営業利益9億2千9百万円)となりました。 粘接着剤用樹脂の分野では、世界的な景気後退に伴う通販市場の低迷や顧客での在庫調整により、宛名用ラベルシールに使用される粘着剤用樹脂の需要が減少し、また、路面標示塗料用樹脂の需要も低迷したことから売上高は減少しました。 印刷インキ用樹脂の分野では、情報のデジタル化を背景に需要の低迷が継続する中、景気後退の影響もあり、主に欧州、北米での販売が減少し、売上高は減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は前期末に比べ23億3千1百万円増の947億7千万円となりました。増減の主な内容は以下の通りです。(流動資産) 受取手形及び売掛金が2億4千5百万円増加し、商品及び製品が4億7千1百万円増加しております。(固定資産) 投資有価証券が3億8千5百万円増加しております。(流動負債) 支払手形及び買掛金が28億6千1百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が13億6千1百万円増加して おります。 (固定負債) 長期借入金が11億8千5百万円減少しました。(純資産) 利益剰余金が6億4千6百万円減少したことにより純資産は5億3千6百万円減少し、総資産が増加したこと により、自己資本比率は39.0%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動 当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は773百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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