【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済は、各国政府による新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立が進んだことなどから消費や投資が拡大し、一部の地域において足踏みがみられるものの、概ね回復基調で推移いたしました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギー価格、原材料価格の高騰など不安定な状況が続きました。
日本経済も、新型コロナウイルス第8波による感染者数の拡大もあり、依然として不安定な状況が続きました。また、世界的な半導体不足及び原油高、円安などにより、物価上昇圧力が高まり、経済活動に大きな影響を及ぼしました。このような環境下、当社グループは新中期経営計画『NEW HARIMA 2026』の初年度に当たり、更なる事業の成長に取り組んでおります。 海外事業は、欧米での粘接着剤用樹脂の売上高が増加し、製紙用薬品事業が堅調に推移したこともあり、売上高は前年同四半期に比べ増加しました。利益面は、売上高が増加しましたが、原材料価格高騰の影響を受け、前年同四半期に比べ減少しました。 国内事業は、原材料価格の上昇に対する販売価格への転嫁を進めたこともあり、売上高は前年同四半期に比べ増加しましたが、利益面では原材料価格高騰の影響を受け、前年同四半期に比べ減少しました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は718億2千万円となり、前年同四半期に比べ157億7千4百万円(28.1%)の増収となりました。利益面では、営業利益は24億7千7百万円となり、前年同四半期に比べ5億1千3百万円(△17.2%)の減益となりました。経常利益は34億1千3百万円となり、前年同四半期に比べ2億8百万円(6.5%)の増益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億8千4百万円となり、前年同四半期並となりました。当社グループの部門別経営成績の概況は次の通りであります。
(樹脂化成品) 売上高は、原材料価格上昇に対する販売価格への転嫁が一定程度進んだことにより142億9千1百万円と、前年同四半期に比べ12億9千5百万円(10.0%)の増収となりました。営業利益は、3千4百万円と原材料価格など製造原価増加の影響を受け、前年同四半期に比べ1億1千6百万円(△77.4%)の減益となりました。・塗料用樹脂は、物価高騰の影響で一般家庭や工場などの塗替え需要が低迷し建築関連の需要が減少したことから、販売数量は前年同四半期比で減少となりました。売上高は原材料価格高騰に対する販売価格への転嫁が進み、増加しました。・印刷インキ用樹脂は、商業印刷や新聞などに使用されるインキの需要が前年同四半期を下回り、販売数量は前年同四半期比で減少となりました。売上高は原材料価格高騰に対する販売価格への転嫁が進み、増加しました。・合成ゴム用乳化剤は、タイヤ生産量が前年同四半期比で微増となりましたが、合成ゴムの在庫調整の影響により販売数量は前年同四半期比で減少しました。売上高は原材料価格高騰に対する販売価格への転嫁が進み、増加しました。
(製紙用薬品) 売上高は、189億4千万円と前年同四半期に比べ33億9千3百万円(21.8%)の増収となりました。営業利益は13億1千1百万円となり、原材料価格など製造原価増加の影響を受け、前年同四半期に比べ4千1百万円(△3.1%)の減益となりました。・紙力増強剤は、国内では、段ボール需要は前年同四半期並みとなりましたが、原材料価格高騰に対する販売価格への一部転嫁、東南アジアでの需要拡大により、売上高は増加しました。中国では、紙、板紙の生産量が前年同四半期に比べ減少しましたが、円安の影響により、売上高は増加しました。・サイズ剤は、国内では、原材料価格高騰に対する販売価格への転嫁が一定程度進んだことにより売上高は増加しました。米国では、紙、板紙の生産量が前年同四半期に比べ減少しましたが、原材料価格の高騰により市場価格が上昇したことから、売上高は増加しました。
(電子材料) 売上高は、半導体需要の継続、買収したはんだ材料事業立ち上げにより、66億1千6百万円となり、前年同四半期に比べ18億5千3百万円(38.9%)の増収となりました。営業利益は2億2百万円と、売上高は増加しましたが、原材料価格高騰による影響及びはんだ材料事業の償却費増加で、前年同四半期に比べ2億9千6百万円(△59.4%)の減益となりました。・はんだ付け材料は、はんだ事業買収と原材料価格の上昇に伴う販売価格も上昇したことにより、売上高は増加しました。・熱交換器用ろう付け材料は、原材料価格高騰に伴い販売価格が上昇したことにより、売上高は増加しました。・半導体用機能性樹脂は、5G通信インフラなどの需要拡大が継続していることから、売上高が増加しました。
(ローター) 売上高は、世界的な景気後退懸念に伴う需要減少の兆しは見られるものの、原材料価格高騰に対して販売価格への転嫁が進んだことにより、303億6千8百万円で、前年同四半期に比べ87億6千7百万円(40.6%)の増収となりました。営業利益は、17億1千4百万円となり、エネルギーコストの高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより、前年同四半期に比べ2千4百万円(△1.4%)の減益となりました。・粘接着剤用樹脂の分野では、ウクライナ情勢の長期化や中国のゼロコロナ政策による経済活動の抑制などにより、粘着剤用樹脂の需要は低調に推移しました。路面標示塗料用樹脂も北米を中心に需要が減少したことから、全体として販売数量は減少しました。一方、売上高は、販売価格の上昇により増加しました。・印刷インキ用樹脂の分野では、欧州では景気後退の影響もあり需要が減少したものの、全体としては、コロナ禍からの経済回復に伴って堅調に推移しました。売上高は販売数量の増加に加えて販売価格も上昇したことから増加しました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前期末に比べ155億1千万円増加し、944億1千5百万円となりました。
増減の主な内容は以下の通りです。(流動資産)受取手形及び売掛金が54億2千8百万円、商品及び製品が12億5千万円、原材料及び貯蔵品が16億9千6 百万円増加しております。(固定資産)ヘンケル社資産譲受により顧客基盤が40億9千2百万円増加しております。(流動負債)支払手形及び買掛金が7億8千9百万円、短期借入金が101億3千万円増加しております。(固定負債)長期借入金が8億6千4百万円減少しました。(純資産)為替換算調整勘定が27億7千5百万円増加したことにより純資産は増加しましたが、借入金の増加に伴い 負債も増加したことで、自己資本比率は42.0%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は20億7千1百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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