【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社および連結子会社等)が判断したものであります。
(1) 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,065百万円増加し、195,907百万円となりました。このうち流動資産につきましては、3,319百万円増加し、138,743百万円となりました。この主な要因は、前期末の売上債権の回収や借入金の増加で、「現金及び預金」が増加したことによるものであります。固定資産につきましては、1,254百万円減少し、57,164百万円となりました。これは、保有上場株式の時価評価により「投資有価証券」が減少したことなどによるものであります。負債の部につきましては、当社における「長期借入金」の増加などにより前連結会計年度末に比べて5,955百万円増加し、87,416百万円となりました。純資産の部につきましては、3,890百万円減少し、108,490百万円となり、自己資本比率は50.8%となりました。
(2) 経営成績の分析当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しています。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、欧米諸国での政策金利の引き上げや、それに伴う為替市場への影響など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。当社グループが展開するサービスを取り巻く環境は、生成AI(ジェネレーティブAI)やメタバースなど、進展するデジタル技術や長引く人手不足などを背景に、引き続き、アウトソーシングサービスに対する底堅い需要が続いています。特に、コロナ禍で再認識されたデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に向けた課題解決につながるサービスへのニーズが高まっています。このような状況の中、当社グループは、社会インフラとして積極的に展開してきた政府・自治体・民間企業が推進する新型コロナウイルス感染症対策に関連する業務支援が縮小したことによる業績への影響はあったものの、引き続き、拡大するサービス需要に向けて、お客様企業の経営、事業の変革を支援するCXサービス・BPOサービスを積極的に展開しました。また、変化する企業ニーズに対応したサービスや、進化するデジタル技術を活用したサービスモデルなどの創出・展開に向けた取り組みを推進しました。具体的には、メタバースを活用した取り組みとして、株式会社ブレインバースと共同で、VR(仮想現実)およびAR(拡張現実)技術を用いたバーチャル空間とVR接客サービスを、株式会社ブレインスリープに提供開始しました。最新の睡眠医学に基づいたプロダクト群の展示と、プロダクトに関する接客サービスを提供することにより、Web上でリアル店舗に訪れたような臨場感でショッピングを体験することが可能になります。生成AIを活用した取り組みとしては、まず、顧客接点のデジタルフロントをすべてカバーする「TCI-DXサービス」の強化へ向けて、膨大なデータを高い精度で要約することや、自然な会話で応答することが可能なOpenAI社のChatGPTを活用したサービスの開発を推進しました。ChatGPTに代表される生成AIを効率よく、安心・安全に活用できるよう、独自のチューニング、学習手法、運用技術の開発を行い、デジタルコンタクトセンターサービスおよびデジタルマーケティングサービスの高度化を実現します。また、自社で提供しているサポートデスク支援ツール「Quick Support Cloud」に、生成AIを活用した「Quick Support Cloud with GAI」のサービス提供を開始しました。これにより、サポートデスク利用者が求めている回答を均一な品質で素早く提供することが可能となり、また、教師データ生成による人的工数削減、記載内容の安定化、処理時間の短縮も実現し、お客様企業の業務最適化を実現します。その他、ITに関する要件定義、開発、運用保守、データ活用までワンストップで提供するBPOセンター大阪御堂筋を開設しました。上流工程まで対応するIT拠点の開設により、加速するDX支援を強化します。また、バーチャルオフィスツールを導入し、ロケーションフリーな働き方を提供します。海外においては、中国で最先端の技術を用いたソフトウェア開発を行う天津霆客計算機信息技術有限公司(英語社名:TianJin Tinkers Computer Information Technology Co.,Ltd.)と資本業務提携を締結しました。トランスコスモスグループの大規模な開発力と運用力、TINKERSの最先端の技術力を融合し、お客様企業に最先端の技術を用いたソフトウェア開発を提供します。また、フィリピンでのオペレーションサービスにおいて、高まる多言語対応のニーズに対応するための多言語人材の採用強化に向け、ChatGPTの高い言語翻訳機能とText to Speechツールを統合したツールを独自に開発しました。まずは中国語人材の採用を強化し、今後、その他言語にも対応範囲を広げ、グローバル規模での活用を目指します。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、コロナ関連業務の反動減の影響などで、売上高88,947百万円となり前年同期比4.6%の減収となりました。利益につきましては、単体サービスの売上高の減少や各セグメントにおける収益性の低下により、営業利益は2,222百万円となり前年同期比72.0%の減益、経常利益は3,240百万円となり前年同期比61.7%の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,468百万円となり前年同期比71.5%の減益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(単体サービス)当社におけるアウトソーシングサービス事業等につきましては、コロナ関連業務以外のサービスは、堅調な売上成長を継続するも、コロナ関連業務の反動減により、売上高は58,072百万円と前年同期比8.7%の減収となり、セグメント利益は1,110百万円と前年同期比82.1%の減益となりました。(国内関係会社)国内関係会社につきましては、一部の上場子会社は売上が減少したものの、コンサルティングサービスやBPOサービス関連の子会社の売上増加などにより、売上高は10,773百万円と前年同期比2.0%の増収となりました。一方、損益については、上場子会社およびそのグループ会社の収益性が低下した影響などにより、セグメント利益は722百万円と前年同期比36.4%の減益となりました。(海外関係会社)海外関係会社につきましては、韓国・ASEAN各子会社における売上増加などにより、売上高は23,083百万円と前年同期比4.6%の増収となりました。一方、損益については、韓国子会社において一部の高収益案件の終了や、人件費上昇などにより、セグメント利益は389百万円と前年同期比31.4%の減益となりました。
なお、セグメント利益につきましては、四半期連結損益計算書における営業利益をベースにしております。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は34百万円であります。
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