【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、緩やかに回復しておりますが、世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクがあり、先行き不透明な状況が続いております。また、物価上昇、供給面での制約、金融市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。企業収益は総じてみれば緩やかに改善しており、顧客企業におけるシステム投資につきましては、緩やかな増加となりました。
当社グループは、2021-2025年度中期事業方針(2021年4月公表)に基づき、「デジタル製造業」「プラットフォーマー支援」「デジタルワークプレースソリューション」「ITアウトソーシング」の4領域について事業成長を牽引する「注力領域」として定め、お客様のDX推進に伴うニーズを最大限に獲得し、事業拡大に取り組んでおります。 お客様のDX推進への取り組みとして、飲料メーカーの製造出荷プロセスに、需要予測業務の効率化・高度化を推進する「AI需要予測システム」を導入したほか、教育機関向けには、1995年から全国100校以上の学校に提供している学校事務システム「CampusSquare(キャンパススクエア)」の定額利用サービスとして、「CampusSquare S Edition」の提供を開始いたしました。加えて、本年5月にAIスタートアップ企業である㈱エクサウィザーズと業務提携を行い、同社の有する商材の販売・提供やお客様のDX推進のコンサルティングを通じた対応領域の拡大、実行力の強化を図っております。また、仮想デスクトップサービス「M³DaaS@absonne(エムキューブダース・アット・アブソンヌ)」が「DaaS」の「市場占有率」にて10年連続で1位を獲得(株式会社富士キメラ総研「2023クラウドコンピューティングの現状と将来展望」より)、電子取引・契約サービス「CONTRACTHUB(コントラクトハブ)」の累計文書登録件数が2023年4月末に3,000万件を突破する等、注力領域の成長に努めております。
サステナビリティ経営の推進にあたっては、当社が目指す社会的存在意義であるパーパスを起点に価値創造プロセスを整理し、5つのマテリアリティを定め、取り組んでおります。当社はD&I推進をはじめ、誰もが活き活きと働きがいをもって活躍できる組織風土醸成に取り組んでおり、昨年に引き続き「東京レインボープライド2023」に賛同し協賛する等、豊かな社会づくりに向けてESGの観点から様々な事業活動に取り組んでおります。これらの取り組みの結果、ESG投資のための株価指数である「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」及び「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」構成銘柄に引き続き選定されました。
当第1四半期連結累計期間の売上収益は、インターネットプラットフォーマーやメガバンク及び日本製鉄㈱向けの増により、68,773百万円と前年同期(65,132百万円)と比べ3,640百万円の増収となりました。営業利益は、売上総利益率の改善も含め売上総利益の増があったものの、営業力強化や社内基盤整備等を前倒しで実行したことにより販売費及び一般管理費が増加したことから、6,581百万円と前年同期(6,484百万円)と比べ96百万円の増益となりました。
(2) 財政状態の分析①財政状態計算書1) 資産当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末319,908百万円から5,730百万円増加し、325,638百万円となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物の増加11,007百万円、棚卸資産の増加9,374百万円、契約資産の増加5,490百万円、その他の金融資産の増加4,733百万円、営業債権及びその他の債権の減少△24,329百万円等であります。
2) 負債当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末112,108百万円から△310百万円減少し、111,797百万円となりました。主な内訳は、その他の流動負債に含まれる未払賞与の減少△5,535百万円、営業債務及びその他の債務の減少△3,493百万円、未払法人所得税等の減少△3,271百万円、契約負債の増加12,262百万円等であります。
3) 資本当第1四半期連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末207,800百万円から6,040百万円増加し、213,841百万円となりました。主な内訳は、四半期利益4,195百万円、その他の包括利益5,819百万円、配当金の支払△3,659百万円、自己株式の取得△51百万円等であります。その結果、親会社所有者帰属持分比率は63.5%となりました。
②資本の財源、資金の流動性に係る情報(基本方針)当社グループは将来にわたり競争力を維持強化し、企業価値を高めていくことが重要と考えております。そのため、進展するDXニーズの着実な取り込み、高付加価値事業と総合的な企業価値の持続的向上、優秀な人材の獲得・育成の一層の強化、内部統制・リスクマネジメント徹底の継続等による事業成長に伴う資金需要及び広域災害等の事業リスクに備えて内部留保を確保するとともに、利益配分につきましては株主の皆様に対する適正かつ安定的な配当等を行うことを基本としております。配当につきましては、連結業績に応じた利益還元を重視し連結配当性向30%を目安といたします。
(資金需要及び資金調達の主な内容)当社グループの主要な資金需要は、材料費、外注費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等であります。これらの資金需要につきましては自己資金により充当しております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内子会社において当社のキャッシュマネージメントシステム(CMS)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理をしております。また、当社は、日本製鉄㈱のCMSを利用しており、当第1四半期連結会計期間末における預入額105,069百万円を現金及び現金同等物に含めて表示しております。突発的な資金需要に対しては、大手各行及び親会社である日本製鉄㈱に対し当座借越枠を確保することにより、流動性リスクに備えております。
(3) キャッシュ・フローの分析(キャッシュ・フロー計算書)当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、112,330百万円となりました。前第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の増減額が△490百万円であったのに対し、当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の増減額は11,007百万円になりました。各活動区分別には以下のとおりであります。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー前第1四半期連結累計期間は、税引前四半期利益6,652百万円、減価償却費及び償却費3,102百万円、営業債権及びその他の債権の増減額14,733百万円、契約資産の増減額△3,100百万円、棚卸資産の増減額△6,470百万円、営業債務及びその他の債務の増減額6,152百万円、未払賞与の増減額△5,142百万円、法人所得税等の支払額△6,185百万円等により6,477百万円となりました。一方、当第1四半期連結累計期間は、税引前四半期利益6,875百万円、減価償却費及び償却費3,022百万円、営業債権及びその他の債権の増減額23,450百万円、契約資産の増減額△5,483百万円、棚卸資産の増減額△9,356百万円、営業債務及びその他の債務の増減額11,237百万円、未払賞与の増減額△5,536百万円、法人所得税等の支払額△6,525百万円等により14,275百万円となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー前第1四半期連結累計期間は、その他の金融資産の取得による支出△2,229百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△1,253百万円、その他の金融資産の売却及び償還による収入2,036百万円等により△1,507百万円となりました。一方、当第1四半期連結累計期間は、その他の金融資産の売却及び償還による収入4,632百万円、その他の金融資産の取得による支出△1,142百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△1,130百万円等により2,604百万円となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー前第1四半期連結累計期間は、配当金の支払額△3,294百万円、リース負債の返済による支払額△2,040百万円等により△5,592百万円となりました。一方、当第1四半期連結累計期間は、配当金の支払額△3,659百万円、リース負債の返済による支払額△1,947百万円等により△5,922百万円となりました。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は711百万円であります。
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