【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、前第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第2四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額を用いております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症に移行したことを背景に、景気は緩やかな回復基調となりました。しかし、円安にともなう物価上昇が継続しており、海外における金融政策や紛争による影響等に注意を要する状況となっております。
情報サービス産業におきましては、人手不足への対応やデジタル化による自動化・効率化・省力化等システム投資への関心は依然として高く、IT活用の流れは堅調に推移しております。〔経済産業省特定サービス産業動態統計(2023年8月分確報)より〕
こうした環境下、当社グループでは、中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)の基本方針に「ODKグループ拡大」を掲げ、「新事業ポートフォリオの推進」「グループシナジーの創出」「M&A・アライアンスの推進」を本年度の重点課題として様々な施策に取組んでおります。
当社単体としては、中期経営計画の基本方針に「専門性の強化による新たな価値の創造」を掲げ、「個別収益管理の深化」「コンサル機能の発揮」「研究開発の推進」を本年度の重点課題として取組んでおります。
グループ及び当社単体の重点課題に対する具体的取組みとしては、体験実績をNFT(※1)活用により証明する次世代型ソリューション『アプデミー®』を基幹に、多様なサービス開発をすすめております。その取組みの一つとして、連結子会社である株式会社ポトスが、キャリア体験プラットフォーム『キャリポート』の提供を開始いたしました。これは、従来就活(短期集中型の新卒一括採用)からの脱却を目指すもので、キャリア体験蓄積型就活の社会実装を目指すものであります。顧客企業と共に学業に過度な負担をかけないキャリア形成の準備機会を提供し、体験実績NFTの発行により取組みを可視化することで、低学年から無理なく企業接点を獲得できるプラットフォームとなっております。
また、新NISA制度の見直しや金融リテラシーの向上など、個人の投資を促す施策が推進される中、システム関連の需要が高まる金融業界に向けて、証券取引の各サービスを『SAKIX(サキガケ)』シリーズとして刷新し、その中核サービスである『WITH-X®(ウィズクロス)(※2)』を新たなユーザに提供開始いたしました。
その他、『UCARO®』をデータプラットフォームとして各事業領域をつなぐハブに育成するとともに、外部接点強化やサービス拡張等により保有するデータ量・種類の拡大を目指しております。今後も同サービスを軸とした成長戦略により、データビジネスによる新たな価値の創造を継続してまいります。
業績面では、証券業務『WITH-X®』や『KIZUNA-X®(キズナクロス)(※3)』、子会社エフプラスの既存顧客との取引深耕による売上の増加等により売上高は1,935,058千円(前年同四半期比 3.4%増)となりました。退職給付費用及び開発・運用体制の適正化による外注費の減少等により、営業損失は284,316千円(前年同四半期は営業損失390,937千円)となりました。また、経常損失は270,288千円(同 経常損失375,384千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は203,612千円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失271,942千円)となりました。
当社グループの事業は、大学入試業務をはじめとした利益が第4四半期連結会計期間にかけて増加する傾向にあるため、第2四半期連結累計期間の売上高は相対的に少なくなる傾向にあります。しかし、人件費等の固定費は四半期ごとに変動する性質ではないため、結果として、第2四半期連結累計期間の利益が、他の四半期に比べ極めて低い水準にとどまり、例年第3四半期まで損益はマイナスでありますが、通期では当該マイナスは解消されております。
(※1)NFT:
Non-Fungible Token の略語。ブロックチェーン上でその唯一性が保証されているトークンであり、暗号学的にその保有や来歴を証明することが可能です。
(※2)WITH-X®(ウィズクロス):
証券会社におけるフロント業務からバックオフィス業務の機能を備え、柔軟なカスタマイズが可能な証券総合システムです。
(※3)KIZUNA-X®(キズナクロス):
金融商品仲介業者(IFA)向けの投資信託Web取引、管理システムです。
売上高の内訳は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント毎の記載に代えて、サービス別の内訳を記載しております。
<システム運用>
既存顧客との取引深耕による証券業務『WITH-X®』や『KIZUNA-X®』の売上増加、前第2四半期連結会計期間に譲受した人材育成サポート事業の売上等により、1,799,853千円(前年同四半期比 1.5%増)となりました。
<システム開発及び保守>
証券業務『KIZUNA-X®』関連開発等により、99,476千円(同 43.7%増)となりました。
<機械販売>
医療システム用タブレット製品の販売等により、35,728千円(同 18.1%増)となりました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて741,470千円減の7,796,413千円となりました。これは主に売上債権の減少によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて522,932千円減の2,217,716千円となりました。これは主に長期借入金の返済による減少であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて218,537千円減の5,578,696千円となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて297,905千円増の2,959,163千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、816,884千円の収入(前年同四半期は420,375千円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の減少や減価償却費の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、289,290千円の支出(前年同四半期は404,479千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、229,688千円の支出(前年同四半期は673,091千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出があったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、21,593千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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