【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間における世界経済は、原材料等の供給不足や物流網の停滞が長引き、ウクライナ情勢の長期化によりエネルギー・資源価格の上昇が続き、また米国の金利引き上げをきっかけに為替相場が大きく変動するなど、情勢は目まぐるしく変化しました。米国では、個人消費を中心に経済活動が拡大しましたが、物価上昇や政策金利の引き上げにつながり、今後の見通しに不透明感が広がりました。中国では、厳格なゼロコロナ政策が継続され、経済活動に制約が生じる状況が鮮明となりました。日本では、原油価格の高騰によりエネルギー価格や諸物価の上昇が続いており、また為替相場における急速な円安が、経済活動に与える影響に注意が必要な状況となりました。車載用LIB(リチウムイオン二次電池)の市場においては、パワートレイン電動化の動きは拡大基調が続きましたが、世界的な半導体供給不足や物流網の停滞による影響は依然残り、大手xEVメーカーの生産計画は抑制される状況が続きました。回路基板用銅箔の主な市場である電子部品業界では、中国大手スマートフォンメーカーの出荷台数が低迷しましたが、日本及び米国では5G対応機器の投入が継続しました。このような情勢のなか、当社グループの製品において、車載電池用銅箔の需要は大手xEVメーカーの生産計画抑制等により減速が続きました。回路基板用銅箔のうち、スマートフォン向けハイエンド製品においては、主として中国大手スマートフォンメーカー向けの受注が振るわない状況が続きました。収益面においては、受注数量の減少による操業度低下、電力価格高騰に伴う製造コスト上昇、また米国子会社では一部設備改造に伴う停機及び生産障害により生産数量が減少したこともあり、営業利益以下の各段階利益は赤字となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における生産数量は全品種合計で4,247㌧(前年同期比31.9%減)、売上高は8,775百万円(前年同期比12.9%減)、営業損失は565百万円(前年同期は営業利益624百万円)、経常損失は583百万円(前年同期は経常利益605百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は609百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益439百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,322百万円(7.3%)増加し、19,356百万円となりました。流動資産は主に現金及び預金の減少466百万円、売掛金の減少863百万円、製品の減少414百万円、仕掛品の増加95百万円、原材料及び貯蔵品の減少180百万円により1,929百万円(20.2%)減少し、7,613百万円となりました。固定資産は主に建設仮勘定の増加3,291百万円により3,251百万円(38.3%)増加し、11,743百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,469百万円(12.0%)増加し、13,748百万円となりました。流動負債は主に買掛金の減少380百万円、短期借入金の増加1,500百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加400百万円により1,600百万円(31.7%)増加し、6,650百万円となりました。固定負債は主に長期借入金の減少296百万円により131百万円(1.8%)減少し、7,098百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、主に親会社株主に帰属する四半期純損失609百万円、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ57百万円増加し、為替換算調整勘定の増加337百万円、退職給付に係る調整累計額の減少9百万円により前連結会計年度末に比べて147百万円(2.6%)減少し、5,608百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の31.9%から28.9%へと3.0ポイント下降いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ466百万円減少し2,034百万円となりました。当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果増加した資金は、1,145百万円となりました(前年同期は241百万円の減少)。これは主に税金等調整前四半期純損失596百万円、減価償却費625百万円、売上債権の減少1,081百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果減少した資金は、3,003百万円となりました(前年同期は679百万円の減少)。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,000百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果増加した資金は、1,142百万円となりました(前年同期は16百万円の増加)。これは主に、短期借入金の純増加額1,500百万円、長期借入金の返済による支出479百万円、株式の発行による収入111百万円によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7) 研究開発活動 当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は107百万円であります。
(8) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等について、当第2四半期連結累計期間において、変更があったものは、次のとおりであります。
事業所名(所在地)
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着工年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既検収額(百万円)
Augusta Factory
(米国ジョージア州)(注)1
車載電池用銅箔生産設備
20,250(注)2
―
増資資金及び借入金
2023年2月(注)3
2024年夏(注)3
約9,500t/年(注)4
(注) 1.工場建設予定地を、米国サウスカロライナ州より米国ジョージア州に変更しております。2.投資予定額を、15,000百万円より20,250百万円(150百万米ドル:1米ドル=135円00銭で換算)に変更しております。3.着工年月、完成予定年月は、最近時点での工事計画にもとづく年月を記載しております。4.完成後の増加能力を、約9,000t/年より約9,500t/年に変更しております。