【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか行動制限が段階的に緩和され経済活動正常化に向けた動きが見られたものの、ウクライナ危機の長期化に伴う資源価格の高騰、円安による輸入価格の上昇、欧米におけるインフレ加速に伴う政策金利の引き上げなどにより、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループの主な関連業界である建設及び住宅関連業界においては、建築着工床面積が夏場以降前年比で大幅増に転じたものの、金利や資材価格の上昇に対する懸念から先行き不透明な事業環境が続いています。
当社グループにおいては、建設機材関連事業における新型足場「アルバトロス」の採用ユーザー拡大に対応した増産を進め、製品の安定供給に努めるとともに、鋼材などの原材料価格上昇や急速な円安による海外からの仕入コストの上昇に対応して販売価格の改定を行いました。また、前連結会計年度に子会社化した東電子工業㈱においては、半導体製造装置電源やアミューズメント向けにプリント配線板の受注が拡大し、電子機器関連事業の売上高拡大に寄与しました。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比13.8%増の466億91百万円となりました。利益面においては、仕入コストの上昇が販売価格の改定に先行する状況が徐々に改善し、建設機材関連事業や電子機器関連事業の増収効果によって営業利益は前年同期比49.7%増の18億97百万円となりました。経常利益は為替予約によるヘッジ効果や外貨建資産の評価において為替差益を計上したことや、持分法投資損失が減少したことから前年同期比232.0%増の31億71百万円と大幅に増加しました。
なお、在インドネシア共和国の持分法適用関連会社であるPT.KAPURINDO SENTANA BAJAにおいて、インドネシア国内における各法制の整備や外資企業に対する投資規制緩和を受け、同社の市場性と将来性に鑑み株式の一部を取得し連結子会社としました。このため、特別損失に株式の段階取得に係る差損として2億82百万円を計上し、非支配株主に帰属する四半期純利益として3億42百万円を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比225.7%増の13億22百万円となりました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。
当第3四半期連結累計期間 セグメントごとの状況
セグメントの名称
売上高
セグメント利益又は損失(△)
金額(百万円)
前年同期比
増減率(%)
金額(百万円)
前年同期比
増減率(%)
建設機材関連事業
19,020
29.9
2,298
89.6
レンタル関連事業
12,749
6.1
362
41.9
住宅機器関連事業
10,763
△5.1
△87
-
電子機器関連事業
4,158
37.6
235
241.6
報告セグメント計
46,691
13.8
2,809
93.5
調整額
-
-
362
-
四半期連結損益計算書
計上額
46,691
13.8
3,171
232.0
(注)1.セグメント利益又は損失は、四半期連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
2.セグメント利益又は損失の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない持分法による投資損益、為替差損益や支払利息などの営業外収益及び営業外費用であります。
建設機材関連事業
当事業の売上高は、前年同期比29.9%増の190億20百万円となりました。建設用仮設機材の販売においては、新型足場「アルバトロス」や「SKパネル」が期初から好調に推移しました。主力製品の「アルバトロス」は既存顧客からの追加購入が着実に増加するとともに、「アルバトロス」の使用現場の多様化に向けた関連製品の開発も販売増に寄与し、前年同期比74.2%増と大幅に増加しました。
損益面では、売上高の増加に加えて、鋼材等の原材料価格上昇による在庫評価の影響や価格改定などにより、セグメント利益は前年同期比89.6%増の22億98百万円となりました。
レンタル関連事業
当事業の売上高は、前年同期比6.1%増の127億49百万円となりました。中高層用レンタルにおいては「アルバトロス」を中心に仮設機材の稼働率が期初から前年同期を上回って推移するとともに、低層用レンタルにおいても受注が堅調に推移しました。また、コロナ禍の影響を強く受けていたイベント向けレンタルにも回復の兆しが生じました。
損益面では、依然として厳しい価格競争のなかにあるものの、売上高の増加によってセグメント利益は前年同期比41.9%増の3億62百万円となりました。
住宅機器関連事業
当事業の売上高は、前年同期比5.1%減の107億63百万円となりました。アルミ製はしごや脚立などの製品のほか玄米保冷庫の販売が、量販店向け、金物卸店向けともに堅調であったことや、高所作業台やアルミブリッジなど子会社製品の拡販が進みました。一方でフィットネス機器は、前連結会計年度中に準備を進めた新製品を順次発売したものの、円安によるコスト上昇に対して実施した販売価格改定の影響を受け売上高が減少しました。
損益面では、仕入コストの上昇に対応した価格改定の効果は実現しつつあるものの、セグメント利益は前年同期比2百万円減少し87百万円の損失となりました。
電子機器関連事業
当事業の売上高は、前年同期比37.6%増の41億58百万円となりました。前連結会計年度に子会社化した東電子工業㈱の売上高が期初から寄与したことに加えて、半導体を中心とした電子部品の需給がひっ迫する中、サプライチェーンへの影響を最小限に止めることができ、海外向けの無線機の販売が好調であったことや、国内向けにおいても特定小電力無線機や業務用無線機の販売が堅調に推移しました。
損益面では、売上高の増加によってセグメント利益は前年同期比241.6%増の2億35百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は651億13百万円となり、前期末に比べ68億78百万円増加しました。総資産の内訳は、流動資産が428億79百万円(前期末比64億43百万円増)、固定資産が222億34百万円(前期末比4億35百万円増)です。総資産の主な増加要因は、好調な受注に対応すべく実施した計画的な生産による棚卸資産の増加(前期末比30億59百万円増)や、受取手形及び売掛金の増加(前期末比30億51百万円増)であります。
(負債)
負債は、365億50百万円となり、前期末に比べ58億33百万円増加しました。その内訳は、流動負債が229億92百万円(前期末比29億86百万円増)、固定負債が135億57百万円(前期末比28億47百万円増)です。負債の主な増加要因は、借入金の増加(前期末比37億98百万円増)や、支払手形及び買掛金の増加(前期末比11億66百万円増)であります。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益が13億22百万円となったことや、剰余金の配当を7億94百万円実施したことなどにより、285億63百万円(前期末比10億44百万円増)となりました。
② 経営成績の分析
経営成績及びセグメントごとの状況につきましては、「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動に係る費用の総額は3億20百万円であります。なお、当該金額は既存製品の改良、応用等に関する費用であり、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」として計上すべき金額はありません。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。