【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績分析等
当第1四半期連結累計期間における我が国 及び 海外の経済情勢は、コロナ禍からの正常化に向けた経済活動により回復も見られてまいりましたが、各国での急速なインフレや米国景気の先行き不透明感、中国景気の減速懸念、ウクライナ情勢等 地政学的リスクにより未だ先行きは見通せない状況であります。
自動車産業におきましては、これまでの半導体不足による減産影響は徐々に縮小、各地域とも自動車生産台数は前年同期に対し増産となりました。
このような状況のもと、当第1四半期連結累計期間における売上高は、中国は日系車の販売不振・シェア低下に伴い減収(前年同期比14.1%減)となりましたが、日本(同26.4%増)、北米(同21.6%増)、欧州(同15.8%増)、アジア(同10.9%増)と、各地域とも自動車生産の増産等から堅調に推移し、連結売上高は前年同期に比べ16.8%増収の2,259億円となりました。
利益につきましても、売上の増加に加え、グループ各社において改善合理化活動を推進したことから、営業利益は前年同期比131.1%増の147億円、経常利益は同112.2%増の179億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は145億円(前年同期は10億円の損失)となりました。
(2)財政状態分析等
当第1四半期末の資産の残高は、設備投資により有形固定資産が増加したこと、投資有価証券が増加したこと等から、前期末に比べ271億円増加の9,330億円となりました。
負債の残高は、賞与引当金が増加する一方で借入金が減少したこと等から、前期末並みの2,369億円となりました。
純資産の残高は、自己株式取得による減少がありましたが、利益剰余金や円安による為替換算調整勘定の増加等から、前期末に比べ256億円増加の6,961億円となりました。
(3)キャッシュ・フロー分析等
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益188億円、減価償却費100億円を主体に351億円となり、法人税等を支払った結果、279億円(前年同期は156億円)の資金を確保いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入289億円に対し、定期預金の預入による支出284億円、設備投資102億円等を実施した結果、169億円(前年同期は180億円)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得102億円、配当金等の支払い59億円等を実施した結果、215億円(前年同期は52億円)の支出となりました。
以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ93億円減少の1,364億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきものであると考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
当社は、企業価値の拡大・最大化を実現するため、次の取組みを行っております。
(ⅰ)自動車産業の世界最適生産の拡大に対応すべく、海外における開発・生産・販売部門を更に強化するなど、グローバル5極体制(日本・米州・欧州・中国・アジア)の充実を図る。
(ⅱ)コネクティッド・自動運転・シェアリング・電動化などモビリティ変化への対応をはじめ、お客様・市場ニーズを先取りした先端技術の開発と迅速な商品化を図り、タイムリーに魅力ある商品を提供する。
(ⅲ)高品質・安全性を追求すると共に、環境保全及びコンプライアンス強化を推進する。
(ⅳ)経営資源の確保と有効活用により、収益構造・企業体質の更なる強化を図る。
この取組みを着実に実行することにより、当社グループの持つ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。なお、この取組みは、当社グループの企業価値を継続的かつ持続的に向上させるものとして策定されていることから、上記の基本方針に沿っており、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと、取締役会は判断しております。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、98億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。