【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績当第3四半期連結累計期間においては、4月以降のまん延防止措置の解除等により、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和され一部に回復傾向がみられたものの、その後第7波であるオミクロン変異株感染急拡大に加えて、ウクライナ危機の発生による原材料価格の高騰、急激な円安の進行などによる食品を中心とした小売価格の上昇により、当社が主力とする衣料品の市況は、非常に厳しい状況で推移いたしました。このような経営環境の中、主力の総合衣料卸売事業においては、収益改善のため在庫適正化や値引き販売の抑制を推進した結果、特にレディースアパレルにおいては在庫回転率が向上し前年を上回る粗利益を確保いたしましたが、来店客数や売上高はコロナ禍以前の水準には戻っておりません。また、収益力拡大のため、当期よりアパレルプロダクトディヴィジョンを創設し、プライベートブランド「コイルナイン」「レイジーデイジープラス」のリブランディングを実施しており、秋冬商材から本格展開を行うとともに、新たなプライベートブランドを開発し、売上拡大を図ってまいります。全国の出店メーカーと会員小売店が直接取引を行える会員制仕入れ専用BtoBサイト「プロルートモール」は、メーカーにとっては地域を超えた全国小売店への販路拡大ツールとして、また、小売店にとっては出店メーカーとオンラインで取引を行うことができ、仕入先を大幅に拡大するツールとして、アフターコロナに向けたニューノーマルな時代に合わせた仕入れサイトを運用しております。今後も、新規小売店や休眠小売店及び新規出店メーカーの開拓を実施し、業績向上に寄与するよう推進していくとともに新たに当第3四半期より自社D2Cサイト「&est(アンドエスト)」の運用を開始しtoCへの販売チャネルを拡大し、業績向上に寄与するよう努めてまいります。一方で、「プロルートモール」においては、売上に比して多額の維持運用コストがかかっているため、システムのリプレイスを行うことを決断し、当第3四半期連結会計期間において、ソフトウェアの減損損失として1億86百万円を計上いたしました。これにより、年額約48百万円のコスト削減が見込まれる予定です。ビューティー&ヘルスケア事業においては、当期より新たにジェルネイルブランド「リスドール」を発売し、全国のバラエティーチェーンや公式オンラインサイトにて展開を開始しており、引続きインフルエンサーやSNS等を活用し、ブランド認知度向上を図ってまいります。また、インフルエンサーとコラボレーション企画したカラタスブランド商品の新色の投入やいつもの薬が処方箋無しで買える零売薬局、「ミライロ薬局」をオープンし、非処方箋医薬品や体外診断用抗原検査キット及び美と健康を意識した商品を展開するなどして事業拡大を推し進めております。加えて、当第3四半期以降においては、業雑誌『GIANNA BOYFRIEND(ジェンナ ボーイフレンド)』との共同プロジェクトによる男性の美容における2大ニーズである「透明感」と「TONE-UP」に着目したメンズケアコスメブランド「GBc(ジービーコスメティクス)」をリリースし、公式オンラインや全国のバラエティショップ・ドラッグストアで展開を推し進めております。連結子会社株式会社Sanko Advanceが手がけるエンターテイメント事業においては、マスク着用や発声の禁止など制限のある状況下ではありますが、徐々にコンサート開催が再開されており、今後コンサートグッズの製造管理による手数料収入の増加を期待しておりましたが、2023年2月2日付「連結子会社の異動を伴う株式譲渡に関するお知らせ」にて公表のとおり、今後の事業継続の見込みを踏まえて、当社が保有する株式会社Sanko Advanceの全株式について、株式譲渡契約を締結いたしました。なお、株式譲渡実行日については、2023年8月2日の予定でありますが、株式会社Sanko Advanceの株主総会での承認を含め、契約履行に関する前提条件に必要な手続き及び対応等の完了後、実行予定です。連結子会社株式会社マイクロブラッドサイエンスが手がけるメディカル事業においては、微量採血デバイスを使用した指先からの採血により、わずかな血液で生活習慣病やがんリスク検査を行えるトータルヘルスケアチェック&ソリューション「Lifee」における検査項目の追加や他社との協業による検査サービスの拡大を推し進めてまいりました。なお、2023年1月30日付「連結子会社の異動(子会社株式の譲渡)及びこれに伴う特別損失の発生に関するお知らせ」にて公表のとおり、当社が保有する株式会社マイクロブラッドサイエンスの全株式について、2023年1月30日付で譲渡いたしました。
以上の結果、当社グループ全体の当第3四半期連結累計期間の売上高は、34億3百万円(前年同四半期比0.7%減)、営業損失は5億6百万円(前年同四半期は営業損失3億63百万円)、経常損失は5億55百万円(前年同四半期は経常損失3億86百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億98百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失3億84百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分の変更を行っており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は変更後の区分に基づいております。変更の詳細は、(セグメント情報等) セグメント情報 Ⅱ 当第3四半期連結累計期間(自2022年3月21日至2022年12月20日)3.報告セグメントの変更等に関する事項をご参照下さい。
(卸売事業)
売上高は、32億72百万円(前年同四半期比1.6%減)、営業損失は1億59百万円(前年同四半期は営業損失1億85百万円)となりました。
(エンターテイメント事業)
エンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advanceの売上高は0百万円(前年同四半期比99.7%減)、営業損失は34百万円(前年同四半期は営業利益23百万円)となりました。
(メディカル事業)
メディカル事業を営む株式会社マイクロブラッドサイエンスの売上高は1億25百万円(前年同四半期比203.8%増)、営業損失は83百万円(前年同四半期は営業損失6百万円)となりました。
b. 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は37億80百万円となり、前連結会計年度末に比べて7億1百万円減少いたしました。これは主として現金及び預金が5億83百万円、のれんが2億円減少し、受取手形及び売掛金が96百万円増加したことによるものであります。 負債合計は35億57百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億67百万円減少いたしました。これは主として長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が1億11百万円、転換社債型新株予約権付社債が1億50百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は2億22百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億34百万円減少いたしました。これは主として親会社株主に帰属する四半期純損失6億98百万円の計上により利益剰余金が減少し、新株予約権及び新株予約権付社債の権利行使による新株式発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ1億52百万円増加したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 資金の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は23億39百万円となっております。また、当第3四半期連結会計期間末における現金及び預金の残高は10億76百万円となっております。